「世界に広がるあなたのクローゼット」というキャッチフレーズで、今年7月、会員制スーツレンタルサービスのサロンをオープンさせた楠田佳世さんは、金融業界から大転身した異色のフリーランサー。国内保険会社の営業からスタートし、米国公認会計士として国内外の企業で順調にキャリアを積んできた佳世さんが、どのようにしてこのビジネスに行き着いたのか? そこにはさまざまな人との出会いと別れがあったというが、フリーランスという切り口で語れば、キーパーソンとして3人の人物が浮かび上がる。
ひとりめは学生時代からの友人であり、佳世さんが保険会社の営業として保険を販売した唯一の友。実は、保険契約をしてまもなく、彼は交通事故でこの世を去った。
「それはもうセンセーショナルな出来事でした。虫の知らせというのか、亡くなる数日前、やたら彼のことが頭に浮かび、『電話をしよう、ランチに誘おう』なんて思っていたんです。それで会社に電話をしてみたら、思いがけないことを聞かされて……」
ショックだったのは彼の死だけではなかった。彼の死によって気付かされた自分の仕事そのものにも愕然とした。
「上司が言うんです、『楠田、年金取れるかな?』って。死亡したことで多額の保険金がご遺族に入るわけですが、それを原資に新たな保険に加入してもらえるように営業せよ、と。上司の言うことは、ビジネスとしてもっともです。けれど、私にはどうしてもできなかった」
バブル崩壊後の就職難の時代、やりたいこともわからず、流されるままに入社。それまで自分がどんな仕事をしているのか、扱っているものは何なのか、きちんと理解せずに過ごしてきた。そんな自分がたまらなく嫌になった。
「生き方をリセットしたい!」。佳世さんは新天地を求め、アメリカへ語学留学することを決意する。小さい頃から海外に対する憧れはあったものの、いま一歩踏み出せずにいたが、彼の死をきっかけに夢を実現しようと立ち上がった。
「彼はもっと生きたかったはず。そんな彼に恥じない生き方をしなくては! そう思ったんです」
ひとりめは学生時代からの友人であり、佳世さんが保険会社の営業として保険を販売した唯一の友。実は、保険契約をしてまもなく、彼は交通事故でこの世を去った。
「それはもうセンセーショナルな出来事でした。虫の知らせというのか、亡くなる数日前、やたら彼のことが頭に浮かび、『電話をしよう、ランチに誘おう』なんて思っていたんです。それで会社に電話をしてみたら、思いがけないことを聞かされて……」
ショックだったのは彼の死だけではなかった。彼の死によって気付かされた自分の仕事そのものにも愕然とした。
「上司が言うんです、『楠田、年金取れるかな?』って。死亡したことで多額の保険金がご遺族に入るわけですが、それを原資に新たな保険に加入してもらえるように営業せよ、と。上司の言うことは、ビジネスとしてもっともです。けれど、私にはどうしてもできなかった」
バブル崩壊後の就職難の時代、やりたいこともわからず、流されるままに入社。それまで自分がどんな仕事をしているのか、扱っているものは何なのか、きちんと理解せずに過ごしてきた。そんな自分がたまらなく嫌になった。
「生き方をリセットしたい!」。佳世さんは新天地を求め、アメリカへ語学留学することを決意する。小さい頃から海外に対する憧れはあったものの、いま一歩踏み出せずにいたが、彼の死をきっかけに夢を実現しようと立ち上がった。
「彼はもっと生きたかったはず。そんな彼に恥じない生き方をしなくては! そう思ったんです」

麹町にあるシェアオフィスの一室に、「パーソナルクローゼットM&V」はある。ヨーロッパにあるようなちょっとロマンチックで洗練された雰囲気のお部屋をイメージして、佳世さん自身がインテリアをコーディネートした。



