2010.2.14

Vol.028 マンツーマンにこだわり、ブースレンタルを経て自分の店をオープン

ヘアーデザイン&リラクゼーション「flavour★salon」オーナー 杉山美郁さん
ヘアーデザイン&リラクゼーション「flavour★salon」オーナー 杉山美郁さん
Profile
高校卒業後、ヘアメイクアップアーティストを目指し広島から上京。専門学校を卒業後、ヘアメイクの仕事に就くが、働きながら通信教育を受けて28歳で美容師の資格を取得。その後、複数の美容室で勤務するが、お客さまの気持ちに立ったマンツーマンスタイルの施術実現のためにブースレンタルという働き方へ。昨年12月に、自由が丘にプライベートサロン「flavour★salon」をオープン。

時間に追われる仕事と暮らし
美容室に所属することに疑問を感じて

 美容師の世界にもフリーランスという働き方がある。スタッフを雇い、自分の店をもつというのではなく、お客さまから予約があった時だけ既存の店の一席を借り、そこで施術。終わり次第、その店に使用料を払い、自分も帰宅するというものだ。こうしたやり方は「ブースレンタル」と呼ばれ、欧米では広く知れ渡っているという。近年、日本でも増加の傾向にあり、これをいち早く取り入れたのが杉山美郁さんである。

「店に所属していると、どうしても時間に追われてしまいます。朝も早く、夜も遅い。休みの日も普通の人とは違う。それに、混み合ってくると、お客さまとのコミュニケーションもおざなりになってしまい、誰と何を話したのかも忘れてしまう。ですから、予約制の小さな店に勤めることにしました。ちょうど同じ店で働いていた先輩が独立することになり、一緒に付いていくことにしたんです」

 だが、現実は甘くない。ある事件がきっかけで、杉山さんはその店で働くことに疑問を抱くようになる。

「14時に私のお客さまがお見えになるという日、13時55分頃に予約なしの新規の方がいらっしゃいました。他のスタッフはみな出払っていたので、手の空いていた私が担当するように店長は命じたのです。あと5分でお客さまがいらっしゃるというのに! 案の定、14時にいらしたご予約の方は待つ羽目に。でも、十分な待ちスペースもないほどのこぢんまりとした店でしたから、事情を説明し、頭を下げ、『もしよかったら30分後に来ていただけませんか?』とお願いしました。その方は状況を理解してくださいましたが、疲れているからカットは別の日にするとの返事。申し訳ない気持ちでいっぱいになると同時に、理不尽なやり方に腹立たしい思いもこみあげてきました。本来なら、ご予約の方を優先し、新規の方に待っていただくべきなのに……」

 店を出す前は、「お客さまとの時間を大切にした予約制の店にしよう」と一緒に夢を語り合っていたのに……。新規獲得、利益優先? 納得のいかないモヤモヤとした思いが、杉山さんの胸の内にどんどんふくれあがっていくーーー。

写真
杉山さんのプライベートサロン「flavour★salon」。やわらかな白とナチュラルな木の組み合わせが、ほっこりと心を癒す。ついついおしゃべりに花が咲き、長居してしまうお客さまも多いとか。

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