2010.3.1

Vol.029 自宅保育というスタイルを選び仕事へ復帰。子どもとの関わりの中で写真のチカラを再発見

フォトグラファー、baby photograph主宰 キノシタメグミさん
フォトグラファー、baby photograph主宰 キノシタメグミさん
Profile
大学卒業後保育士を経て、コンサート・イベント制作会社へ転職。その後、縁あってアーティストのアシスタントとして働く中で一眼レフカメラに出会う。業務の一つとして撮影していたが、一度きちんと勉強したいとプロ養成スクールに通いフォトグラファーへ。人物写真・雑貨等の撮影を中心に活動。2006年、長男出産後は子育て中心の生活を送りながら「baby photograph」を始動。

「仕事も子育ても多くを望まず
少なく小さなことでも完成度・満足度を高くする

06:00 起床。掃除と洗濯
06:30 メールチェック・機材等の最終確認
08:00 朝食
08:30 子どもの支度(パパが無理な日は一時保育に預ける)
09:00 家を出発
10:00 現場到着撮影開始
13:00 撮影終了
14:00 家に到着後、すぐに撮影したものをパソコンへ取り込む
15:00 簡単に昼食を済ませ、子どもと公園へ
17:00 夕飯の買い物へ
18:00 帰宅後、夕食準備
19:00 夕食
20:30 お風呂に入る
21:30 子どもと一緒に就寝(疲れてつい一緒に寝てしまう)
22:30 起きてパソコンに向かっての作業開始
01:30 睡眠
※撮影等のない日はできるだけ朝仕事をし、夜はもう少し早く寝るようにしています。

■ピンチもこれがあればOK! 私の最終兵器はコレ
健康第一がモットーなので、食べ物には気をつけています。野菜は、農薬や肥料を使わない自然栽培のものを皮つきで調理して食べています。大地のパワーを感じますよ!

----自宅保育のメリット、デメリットは?
メリットは、子どもの成長をいつも身近でみることができることです。デメリットは、いい仕事が来ても「今はできない」と断らざるをえないこと。また、子どもが夜寝たあとの作業が多くなってしまったり、規則正しい生活を送るのがむずかしいこと。
----会社員とフォトグラファーという2足わらじ期間を何年か続けていた理由は?
プロ養成スクール卒業後、写真一本でいくという道もあったのですが、すぐにフリーランスになろうとは思っていませんでした。フリーになるのはいつでもできることなので、今しかできないことをやって、いろいろなものの見方、考え方やバランス感覚も養えるかなと。あと実は、単純に会社勤めも楽しくて好きだったんです(笑)。また正社員の頃の自分のように前に出ていく立場だけでなく、アシスタント的な立場として一歩引いた目線で働くこともとても貴重な体験でした。事務だけは向いていない!と思っていたけれど、気づいたらエクセルもすっかり使いこなし、フリーになった今でも役立っています(難しいことは使わないので忘れてしまいましたが)。あの数年は、寄り道をしながら引き出しを増やしているような感覚でした。
----産後、仕事を請ける際に、心がけていることはありますか?
取引先には、子育て優先で活動していること、子どもの急な病気などで、ご迷惑をかける可能性もあるかもしれないということをきちんと伝えた上で、仕事をお請けするようにしています。だからといって、そういった理由で簡単に変更をお願いしたりはもちろんしませんが、そうしたリスクを負った上で仕事を依頼してくださった方に、「この人にお願いしてよかった」と思ってもらえるように、一つ一つの仕事は妥協せず、心を込めて、ていねいに対応するように心がけています。そのおかげもあってか、いまはとくに宣伝をしていなくても、クチコミでお仕事を依頼されることが多いです。
----尊敬する師は?
一眼レフを手にする機会をくださったグラフィックデザイナーであり画家の先生です。ご自身も写真を撮られたり、写真展などの審査員をされていた方なので、「これはもっとこうだとよくなるよ」と写真や絵を見ながら、構図、撮り方について学ばせてもらいました。また絵やデザイン、写真に共通する「人の心に残る作品」ということを一緒にお仕事させていただく中で、無意識に学んでいったような気がします。技術的なことはあとからついてくるので、こう撮りたいというイメージを持つことが、写真上達への第一歩だと思います。
----キノシタさんのような働き方をめざす人へメッセージをお願いします。
私の場合、「自宅で保育しながら仕事をするスタイルを選んだ」というより、保育園が難しくそれを選ばざるを得なかったという感じですが、夫の協力や一児保育で仕事もなんとか続けてこれたので、今はこれでよかったのかなあと思います。どんなスタイルにせよ、子育てをしながら仕事をするのは、よいこともたくさんありますが、大変なことも多いと思うので、大きい仕事をしたいとかたくさん仕事をしたい、子どもを立派な子に育てたい……など多くを望みすぎず、小さくても少なくても、ひとつのことの完成度を高くすることで幸せを感じることが大事なのかもしれません。仕事はもちろん、子育ても、短い時間でもしっかり向き合う、というように……。一つのスタイルとして、参考にしていただけたらと思います。

text / Lina Ono
photos / Megumi Kinoshita

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