2010.5.14

Vol.034 子育てママ限定の人気パン教室主宰から教室運営セミナーを手がけるコンサルタントへ

子育てママのためのサロン的パン教室「ケセラセラ」主宰 片山智香子さん
子育てママのためのサロン的パン教室「ケセラセラ」主宰 片山智香子さん
Profile
OL時代にABCクッキングブレッドに通い師範ライセンスを取得。パン作りにハマり、結婚退職後も別の教室にも通い、そこで“ボウル一個で作るパン”と出合う。2004年長男を出産。1歳9ヶ月の頃に派遣社員として働き始めようとするが、子どもの2度の入院で断念。子どもと一緒にできる仕事として、自宅でパン教室「ケセラセラ」を開講。教室運営をレクチャーするセミナーも開催。

コンセプトは“リフレッシュ&情報交換の場”
顧客も扱う商品も限定したニッチなパン教室

 とかく趣味の延長線上にとらえられがちな “自宅での教室主宰” 。でも、それがマーケティングリサーチに基づき、顧客のニーズをくみ取った戦略的なものであるならば、ビジネスと称したほうがふさわしいだろう。片山智香子さんが主宰するパン教室「ケセラセラ」がまさにそうだ。

 たとえば受講者。片山さんは顧客ととらえ、原則、子育て中のママに限定している。しかも、狙ったターゲットはレッスン料金の金額に頓着しないセレブ層でもなければ、公共施設などのリーズナブルな講座に通う層でもなく、その中間層。つまり、主婦だが、自分の習い事として1ヶ月に3、4000円を払える人たちだ。なぜここまで明確に?

「私自身がそうだから。自宅を開放するだけに背伸びしてはダメだし、低料金に応じていては教室が成り立ちません。そもそも私の教室は『パンづくりを極めたい!』というプロフェッショナル路線ではなく、 “子育ての息抜きができる場所”がコンセプト。 『小さい子どもがいるけれど、何か習い事をしたい!』と願っている人を対象とした子連れOKの教室なんです」

 自分自身の体験から、パン作りは子育て中のストレス発散に最適、と片山さんは笑う。粉をこねて、叩いて、こねて……。無心に没頭できる作業もさることながら、発酵後の生地は触り心地がよく癒されるのだとか。

 子育て中の“リフレッシュ&情報交換の場”をモットーとしているため、作るパンはあれもこれもと手を広げない。月に1種類。これならたとえ急なキャンセルが発生しても、材料は別のレッスンに流用でき、無駄にすることはない。これは教室運営のコストを抑える方法のひとつでもある。

「実をいえば、設備投資もそれほどかかっていないんです。“ボウル一個で簡単パン作り”とうたっているので、せいぜいボウルを揃えたぐらい(笑)。発酵器もありません。たいていのお宅にある電子レンジの発酵機能を使います」

 ターゲットを絞り、作るパンを限定し、設備投資も必要以上にはかけない。にもかかわらず、開講してわずか3年で教えた生徒数は300名を超えるという大繁盛ぶり。いったいどうして?

写真
ときには子どもの相手もしながら、夫への愚痴(!?)を言い合いつつ、なごやかにパン作りを行う。「ここではとにかく楽しんでほしい」と片山さん。

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