旅するファッションコラム

July 23 2015

1枚で何役も! 旅先でのワードローブを拡張するスカーフ活用術

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「1枚あると便利ですよー。」と店員さんに言われてつい買ってしまったスカーフやストール(※)。いろいろ使えそうだと思ったのに、結局エアコンの防寒対策だったり、あるいは同じコーディネートの時にしか使っていなかったりしていませんか?
※スカーフが主に正方形で首に巻いたり頭を覆うものであるのに対し、ストールは細長い肩掛けのことです。

「もっといろんな結び方、巻き方を知っていればなぁ〜」なんていう声も聞こえてきそうですが、本当にそうでしょうか?
スカーフを使いこなせない背景にはいくつか理由がありますが、じつはスカーフを使うことが目的になってしまっていることが一番の問題なのではないか、と私は考えています。

「買ってしまったからには使わないと...」という気持ち、誰もが一度は経験し たことがあるはず。でも、これが行き過ぎると、「使わないといけない」という強迫観念から、使い方が固定されてしまったり、楽しい使い方ができなくなったり、あるいは考えるのも面倒になって使わなくなってしまったりするかもしれません。

でも、それではあまりにもったいない!
では実際、どんなときに、どんな風に使ったらいいのでしょうか?

スカーフは旅行に行くときには欠かせない便利なアイテムです。本格的な旅行シーズンに突入する時期でもありますので、今日は旅先での私のコーディネートを例に、スカーフの使い方をご紹介していきます。

旅先の雰囲気にあわせた3つの活用例

取り上げる旅先は、今年の6月に行ったスペインのマドリードとバルセロナと ハワイ(ホノルル)の3か所。使っているスカーフはすべて同じもので、シルク素材ですが、サテンのような繻子織りではなく、シルクジャージで伸縮性があるタイプのものです。

私は旅先でどんな使い方をしているでしょうか? 結び方のテクニックではなく、スカーフにどんな役割をもたせ、具体的にはどのように使って、何を実現しようとしているか、という観点で注目してみてください。

例1. ストールとして使う
技:垂らす

20150723_kawachi_1.jpg

マドリードにある王宮を訪れたときのスタイルです。
この時は、バイアス折にしたスカーフを首からただシンプルに垂らしています。

<ポイント>
・クラシカルできちんとした場所なので、オフィスでも使えるような、ややコンサバな使い方を意識。
・紺ブレに紺のラウンジパンツというダークトーンのコーディネートへの差し色として(ちょうどスペインの国旗色もスカーフのなかに入っていますね)。
・コンサバ寄りな使い方とはいえ、旅行中らしく、ジャケットを脱げば十分リラックスした印象も。
・首にぐるっと一周させるようにして巻きつけるよりは涼しさがあり、かつ首の日焼け対策にも。

例2. ヘッドバンドとして使う
技:巻く

20150723_kawachi_2.jpg

バルセロナのサグラダファミリアに行った時のスタイルです。
こちらはバイアス折にしたスカーフを後頭部から前に持ってきて、頭の上で交差させてから後ろで結び、ヘッドバンドとして頭に巻いています。

<ポイント>
・日差しが強く、パワフルな印象をもつ街で快活な印象をつくる。
・ボリュームあるネックレスを際立たせるために髪の毛、頭周りをコンパクトにまとめる。
・低身長をカバーするために帽子でない方法で(※)視線を上に上げる。
※サグラダファミリアは聖堂。聖堂や教会は一般的に敬意を払うため帽子やフードなどを取る必要がある。またエレベーターで登った尖塔から下る狭い階段では帽子のつばが邪魔になる可能性もあるため、帽子を使わない方法で考える。

例3. トップスとして使う
技:面で見せる、纏う

20150723_kawachi_3.jpg

ホノルルの街中で、ディナーに行く時のスタイルです。
正方形のスカーフを真ん中で半分に折り、長辺がそれぞれ体の左右になるようまとわせます。
輪になっていない方を、上部、中部、下部でそれぞれ固結びしているだけですが、その際、輪になっている方は腕の下を通し、輪になっていない方は肩の上に結び目を作っています。

<ポイント>
・ビーチサンダルがマストアイテムのカジュアル感の強いリゾート地で、少しだけドレスアップする(Tシャツやタンクトップほどカジュアルではなく、ブラウスほどきちんとしていない適度なカジュアルさはキープ)。
・水着姿で歩いている人も多く肌の露出が高めな環境なので、やや露出度をあげ街の雰囲気を壊さないようにする。
・食事中はテーブルから見える上半身にスタイリングのポイントを持ってきた方がステキ。スカーフのカラフルな柄を見せるようにして華やかさをプラス(※)。
※ レストランの雰囲気や料理の内容にもよることに注意。

スカーフが旅先で活躍する理由

旅行先では、スーツケースに入るだけの服しか手元になく、ワードローブが限られてしまう状況です。そんなときでもさまざまなバリエーションを生み出すことができるという点で、スカーフを含むファッション小物が活躍します。

例えば、例1と例2ではベースとなっている服は実はほとんど同じです。 白Tシャツにネイビーのラウンジパンツ。Tシャツはたまたま違うものですが同じTシャツの使い回しでも可能です。

また、例3ではシルクのスリット入りワイドパンツですが、例1、2のラウンジパンツでの代用も可能です。ワイドパンツの場合よりはスポーティにはなりますが、光沢やとろみのある生地感によって、Tシャツにジーンズなんかよりは少しだけドレスアップした印象をつくることができます。

このように、同じ服でも小物使い一つで、クラシカルでコンサバ寄りにも、カジュアルでポップな感じにもすることができるのです。

旅行で活躍するアイテムというのは、1つで二役にも三役にもなれるもの。 「小物使い」とはよく使われるキーワードですが、「どんな小物を使うか」と「同じ小物をどう使うか」の2つの意味があるということを覚えておくといいですね。

コーディネートにおけるスカーフの役割を考えてみよう

今回はスカーフの使い方を3つほどご紹介しましたが、いかがでしたか?
これ以外にも、ベルトとして使う、バッグとして使う、ベストとして使う...などなど、スカーフにはいろんな使い方があります。

スカーフを使いこなすときに重要なのは、スカーフ単体の結び方ではなく、スタイリング全体のなかでスカーフをどう位置づけるかということ。

冒頭でも書いたように、「このスカーフどうやって使おう?」と考え始めるのではなく、コーディネートのなかで必要とされる役割を手持ちのスカーフが担えるかどうか、という風に逆の発想で考えてみることは、ファッションセンスを磨くトレーニングになりますよ。ぜひ試してみてくださいね。

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