地方フリーランス生活

December 14 2015

宮城県在住 コワーキングスペース運営 宗形晶子さん

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地方で働くってどんな感じ? 地域ならではのフリーランス事情を知りたい!
「地方フリーランス生活」では、自分らしいスタイルで働く地方フリーランサーに、地方で活動することのメリットやデメリットなどを伺います。今回は、宮城県仙台市でコワーキングスペース「ノラヤ」を運営されている宗形 晶子さんにご登場いただきました。

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プロフィール

活動地域 宮城県
フリーランス歴 10年
職種 コワーキングスペース運営、システムエンジニア、自称イラストレーター
経歴

秋田県出身。システムエンジニア、クリエイター、大学職員などを経て2005年に「アートシステムファクトリ」として個人事業主に。業務はサーバ・ネットワーク構築・保守、Web製作、アプリ開発、イラスト制作など。2013年にコワーキングスペース「ノラヤ」をオープン。プライベートでは一児の母。
コワーキングスペース「ノラヤ」のサイトはこちらから>>
「ノラヤ」管理人ブログのサイトはこちらから>>
「アートシステムファクトリ」のサイトはこちらから>>
仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長のサイトはこちらから>>

フリーランスになる前は、どういった仕事をされていましたか?

大学卒業後、企業でシステムサポートやサーバ構築を行っていましたが、インターネットの普及とともにWebに関わる仕事がしたくなり、企業に勤務しながらCGやWebの知識をつけるため、東京のデジタルハリウッドに通って勉強しました。その後は、映像制作会社での勤務を経て、大学の助手としてシステム開発部門の仕事に就きました。

息子を出産し専業主婦になりましたが、息子が1歳を過ぎた頃に大学の同僚から声をかけられ、リモートワークでサーバ保守を手伝う契約社員になりました。その後、大学の非常勤職員として再びシステム開発部門に勤務していたときに、昔、取引のあったお客様と再会して仕事の相談をされたのを機にフリーランスになりました。

宮城県・仙台市を拠点として選んだ理由はありますか?

仙台の大学を卒業して、仙台で就職しそのまま居ついただけなのでとくに理由はありません。仙台は、故郷の秋田県に比べると、都会人のそっけなさを時折感じますが、そこそこ都会でそこそこ自然もある、という点が気に入っています。

東日本大震災による仕事への影響はありましたか?

私の場合、震災直後から仕事がありました。担当していたお客様のWebサイトを災害対応モードに切り替えて、状況を常に更新する必要があったからです。ネットワークの復旧が早かったので、お客様から状況を聞いてすぐさま自宅から対応しました。私にとって、震災による一番の変化は、「コワーキングスペースを始めたい」という気持ちが強まったことだと思います。

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宗形さんが運営するコワーキングスペース「ノラヤ」

なぜコワーキングスペースを始めたいと考えるようになったのですか?

そもそもは、自分が使う理想の仕事場がほしいという気持ちからでした。レンタルデスクやシェアオフィスを使ってみましたが、どこも違和感があって。 また、東日本大震災以来、たくさんの人が支援のために仙台に訪れていましたが、「仙台駅周辺に、電源とWi-Fiが使えるところないの?」「コワーキングスペースはないの?」と困っているのをTwitterでよく見かけ、なんとかならないかと思ったのも動機のひとつです。

その後、思い切って東京のコワーキングスペースを見学しに行くなどして、「理想の仕事場」のイメージを膨らませていきました。助成金や企業のバックアップはもちろんありませんでしたが、自分の父が死んだ年齢に近づき、死ぬ前に後先考えずに思い切ってやってみようと思いスタートすることにしました。

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さまざまな人が集まるノラヤ

コワーキングスペース「ノラヤ」の特徴やこだわりを教えてください。

仙台には、ノラヤ以外にもいくつかコワーキングスペースがありますが、起業家が多かったり、社会問題に関心が強かったり、復興のために活動していたり、意識の高い人が集まるような場所が多かったんです。でも、私を含む、ちまちまと地道に生きている人の行き場もほしいなと思って。私はいつもノラヤを「ダメ人間の集まるコワーキングスペース」と言っていますが、「ダメ人間」は決して否定的な意味ではありません。人は人生のステージでダメになることも大いにあるからです。「頑張りすぎて疲れたらノラヤへ」。そう思っています。

もうひとつのこだわりは、間違ったことを広める場にはしたくないということです。ノラヤでは、「サイエンスバー」というイベントを定期的に開催しています。これは、東日本大震災以降に風評被害やニセ科学の間違った知識が蔓延したため、一般の人にも正しい科学的知識を学べる場を提供したいという思いから続けています。

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定期的に開催している「サイエンスバー」の様子

ノラヤはどういった方が利用されていますか?

平日のドロップイン時間(一時利用)は、フリーランスの方や勉強したい社会人の方など、比較的時間に縛られずに働いている人が多い傾向がありますが、ノラヤで開催するイベント時には、さらに会社員、公務員、NPO職員、学生なども参加します。職業も建築士、映像制作、非常勤講師、研究職、ライター、プログラマーなどさまざまです。

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ノラヤで開催したタコ焼きパーティーの様子

ノラヤを始める前と後で、ライフスタイルはどのように変化しましたか?

在宅で作業していたときは、洗濯をしたり布団を干したり昼寝したりと自由な時間が多く、ダラダラとやっていましたね。今は早朝からコンビニエンスストアでアルバイトをしていますし、コワーキングスペースにも出勤しています。それに加えて自営の仕事もあるため、残業はないけれど会社員の方とそれほどスタイルは変わらないと思います。ですが、3つの仕事の掛け持ちで、睡眠時間やプライベートの時間は明らかに減りました。同年代の女性の平均睡眠時間と比べて睡眠時間が少ないと知ってからは、スマホのアプリに睡眠時間を記録してなるべく寝るように心がけています。

コワーキングスペースとその他の仕事の割合をお聞かせください。

現在はフリーランスとしての仕事がほとんどなく、コワーキングスペースの運営は赤字なので、収入はアルバイトに頼っています。時間の割合なら、コワーキングスペース:アルバイト:自営や他の仕事 = 5:4:1。収入の割合なら、0:8:2です。県外の仕事はしていません。やがて資金が尽きてノラヤ閉鎖とならないようにするのが今一番の課題です。

仙台市ならではのリフレッシュ法は?

仙台市に流れる広瀬川の川原を歩くことです。季節や時間によって、表情や聞こえてくる音が変わります。木、生き物、流れ、そこに集まる人、さまざまな自然現象は、毎日見ても飽きません。

今後の目標をお聞かせください。

個人としての夢は、温泉地で暮らすことです。朝晩温泉に入って、本を読んだり絵を描いたり文章を書いたりして、2日に1度は、ふらっと飲みに行きたいです。

ノラヤとしての夢は、シェアハウス兼コワーキングスペース兼キャンプ場のようなものを川原に作ることです。敷地内には畑や露天風呂があってテントも張れる。室内には薪ストーブや大きなキッチンがあって、みんなで料理を作って宴会などのイベントを開催。宴会やイベントの後は、そのまま泊まれる。そんな場所を作りたいです。

最後に、仙台で働くことに興味のあるフリーランサーへ一言お願いします。

積極的に接点を作っていくために、コミュニティ活動に参加したり、コワーキングスペースを利用してみたりするとよいと思います。ただしコワーキングスペースは、場所との相性があるので、いろいろ行ってみるのをお勧めします。ノラヤは「仕事する場所というより、人と出会ったり息抜きしたりする場所だ」とよく言われてしまいますが、仕事をする人がいないわけではありません。ここに来て何かを見つけられるかどうかは、その人次第です。

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
※次回の「地方フリーランス生活」は1月11日(月)更新予定です。

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