子どもたちに安心・安全で豊かな居場所を|放課後NPOアフタースクール

誰かの大切な想いを知ること。
そして、その想いを未来へ紡いでいくこと。
それは、今を生きる私たちひとりひとりの役割なのかもしれません。

「未来へ紡ぐストーリー」では、誰かのために、社会のために、地球のために活動するみなさんをご紹介していきます。第11回目は放課後NPOアフタースクール事務局の佐藤香里さんにお話を聞きました。

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「放課後NPOアフタースクール」の活動について教えてください。

放課後の小学校を活用し、子どもたちの放課後の居場所となる「アフタースクール」を開校しています。週末になると、さまざまな企業や団体様などと連携し、子育てプロジェクトを展開しています。

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企業連携プロジェクトのひとコマ

なぜ「学校」を舞台としているのでしょうか。

まず学校は安全な場所であるということ。また、多様な活動を叶えるための資源がそろっています。子どもたちにとって「多くの友だちと遊べる環境」は学校を除いて難しくなっています。さらに学校の先生とも連携できることから一人ひとりに丁寧に向き合って成長を見守ることができます。

なぜ、そのようなご活動、支援を始めようと思われたのですか。

代表理事の平岩に娘が生まれた2004年、放課後の児童を狙った連れ去り事件が相次いで発生し、非常に胸を痛めておりました。放課後の子どもたちに安心・安全な居場所を届けるため、そして地域を巻き込んだ教育活動を展開するためにアメリカの「アフタースクール」を参考に活動を開始しました。

「アフタースクール」は従来の学童・子どもルームとどんなところが違うのでしょうか。

1年生から6年生まで保護者様の就労状況に関わらず、誰でも参加することができます。平日は授業終了後から始まり、19時まで開校することが多いです。長期休みは朝8時からお預かりをしています。そして、「地域で子どもを育てる」をコンセプトに、地域住民の方を「市民先生」とお呼びして講師としてお迎えし、放課後の学校で多種多様なプログラムを展開しています。

子どもたちが慣れ親しんでいる学校内で活動するので移動する手間がなく、また、自由にプログラムを選択し、体験することができるところが大きな強みだと思います。

「市民先生」や「企業」はどのような形でアフタースクールにかかわられているのでしょうか。

アフタースクールにいらっしゃる市民先生はそれぞれの得意なことを子どもたちに教えてくださいます。お料理上手なお母さんが放課後の家庭科室でお料理、プロの演奏家を招いて楽器演奏、時には大工の棟梁と1年がかりで本物の家を建てる建築プログラムを行ったりもします。週末や長期休みには企業や行政と連携し誰でも参加できるイベントを多数開催することでアフタースクールに通う子どもたち以外にも多くの子に多様な「本物に触れる経験」を届けています。

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市民先生と料理プログラム

障害を持った子どもたちの放課後づくりについても取り組まれているとのことですが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

行政と連携して重度障害児の預かりおよびプログラムを実施しています。また、特別支援学校での「アフタースクール」を開校しています。障害をもった子どもたちにも豊かな放課後を届けるべく、企業様のお力添えもいただきながら、スポーツや芸術プログラムなどを展開しています。支援が必要なご家庭を支えることも大事にしながら活動を行っています。

活動をして嬉しいこと、反対にちょっと大変なことはありますか。

自己肯定感が低いと言われる日本の子どもたちですが、アフタースクールに参加することで好きなことや得意なことを見出し、自信をつけてくれる子が多くいます。子どもたちの成長を感じられることが何よりの喜びです。半面、毎日を安全に、そしてみんなが楽しく過ごせる居場所づくりというのはなかなか大変なことです。日々さまざまな課題に直面しますが、スタッフみんなで力を合わせて運営をしています。子どもたちの放課後の選択肢が増え、自分自身で選択し、主体的に学べる場を提供し続けるのが私たちの使命だと思っています。

アフタースクールが未来に望むこと、未来へ紡いでいきたいことはありますか?

「小1の壁」という社会問題が顕在化してきているように、「小学生の放課後」は日本全国的な課題になってきています。私たちは「アフタースクール」をはじめ、すべての子どもたちに豊かな放課後を届けるため、継続して地域で、そして社会で子育てをしていける世の中の仕組み作りに取り組んでいきたいと思います。

団体の拡大に伴い、組織基盤強化のために法務や制度を整えてくださる方は非常に重要となってきました。また春には新規開校も控えておりますので現場、本部それぞれでご一緒してくださるスタッフも募集しております。ちなみに国際化がますます進む中で英語の話せるスタッフは強く求めています(笑)。みなさまのご協力、応援をよろしくお願いします。

take action-いま私たちにできること-

放課後、子どもたちが安心できる居場所を探すのは、なかなか難しいものです。
でも、親としては、せっかくの小学生時代なのだから、お友達と色々な経験をしてほしいところ。
アフタースクールなら、地域の人たちに見守ってもらいながら、そのすべてが実現するんですね。全国のすべての小学校でアフタースクールが開校されるといいなぁ、と願ってやみません。

放課後NPOアフタースクール
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林 美由紀

Writer 林 美由紀

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。モノを書く以外にも、イラストレーターと合同でカフェでの作品展示など、形にとらわれない創作活動も。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。子は男の子2人。

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