仕事前のスノボーが息抜きに。田舎暮らしを満喫するライター兼ビルオーナー@長野県

地方で働くってどんな感じ? 地域ならではのフリーランス事情を知りたい!
「地方フリーランス生活」では、自分らしいスタイルで働く地方フリーランサーに、地方で活動することのメリットやデメリットのほか、日頃心がけていることなどを伺います。今回は、長野県を拠点に活動されているライター、柏木珠希さんにご登場いただきました。

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プロフィール

活動地域 長野県
フリーランス歴 25年
職種 ライター
経歴

日本女子大学文学部在学中より執筆活動を始め、卒業後フリーライターに。ライター業の傍ら、2008年から2010年には築70年の長屋をみずから改装して作ったギャラリーカフェを経営。低リスク・低コストの店舗開業、不動産投資などのテーマを得意とする。著書に『小さなカフェのつくり方』(辰巳出版)、『大家さん! これからの投資はシェアハウス・ゲストハウスがおトクです!』(秀和システム)、『副業で始める「飲食店ビジネス」』(講談社)など。そのほか、コミックエッセイ『占いに行ってきました』(大泉書店)、『開運マニア』(説話社)、『開運!マンション選び』(すばる舎)など、占い・開運に関するエッセイも多数手がける。近著にはコミックエッセイ『おひとりさま女子の田舎移住計画』(朝日新聞出版)。
柏木珠希公式サイトはこちらから>>
『女子おひとりさまで信州に移住しちゃいました』のブログはこちらから>>

現在のお仕事内容を教えてください。

おもに書籍を中心に執筆していますが、外国人向け食のサイト「Cupido」で連載する などWebサイトでも記事を担当しています。そのほか、東京から千葉県、長野県と移住してきた経験から、移住者として講演の仕事も増えてきています。

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柏木さんの著書『おひとりさま女子の田舎移住計画』(朝日新聞出版)

フリーランスになったきっかけを教えてください。

大学生時代、出版社でアルバイトをしており、それがきっかけで原稿を書く機会をいただくようになりました。当時は、映画会社を目指して就職活動をしていたのですが、どこからも内定がもらえなくて......。でも、原稿を書く仕事で、普通のOLさんの初任給よりも稼げていたので、そのまま卒業後もライターの仕事を継続することにしました。

現在暮らす場所として長野県に行き着いた理由をお聞かせください。

東京で湾岸のタワーマンションに住んでいた頃、食の安全性に疑問を抱き、無農薬野菜を宅配してもらっていました。でも、宅配を頻繁に利用すると「段ボールゴミなどが増えて、かえって無駄だなぁ」と思うようになりました。
ライターという仕事なら、インターネットがあればどこでもできると思ったこと、食とゴミの問題から「自分が農家の顔を見られる町に住めばいいんじゃない?」と思ったことから、最初は東京から房総のいすみ市に引っ越しました。
いすみ市のアパートに暮らしながら、畑付きの一軒家を探していたところ、東日本大震災が発生。計画停電の実施が予想されたことから「涼しい信州に家を借りよう!」と思い立ち、ちょうどうまく空き家が見つかったので長野県上田市に引っ越しました。

働く土地を変えたことで、働き方やライフスタイル等の変化はありましたか?

私の場合、働き方はそんなに変わりません。東京にいるときに仕事を書籍にシフトしており、都内でまとめて打ち合わせや取材をした後は、ほぼ家でパソコンに向かう生活だったからです。月刊誌や週刊誌など、取材が頻繁にある仕事だとちょっと難しいかもしれませんが、ずっとパソコンに向かっているなら東京でも田舎でも同じじゃない? って感じでした。

ライフスタイルとしては、車がないとどこにも行けないので、まったく飲みに行かなくなりました! そのかわり家でお酒を飲んでいます。

地元と地元以外のクライアントの割合をお聞かせください。

私のクライアントは100%が東京の会社で、遠方のクライアントとのやり取りには、Skypeをよく使っています。信州の会社とのお付き合いはまだありませんが、いつか信州の会社ともお仕事ができたらいいなと思っています。

仕事はどのように取ってきますか? 営業スタイルなど工夫は?

自分から新規開拓の営業をすることはほとんどなく、ホームページやFacebook、過去の著作を見た方から声をかけてもらえる感じです。ホームページやFacebookが営業ツールになっているように感じています。

長野県で働くことを選んで良かったこと・悪かったことを教えてください。

良かったことは、混んでいる電車に乗ることがないことです。そのほか、東京に比べて生活費が安いので、生活費のためにたくさん稼がなくてはとガツガツせずに済むのも良いと感じています。私の場合、東京に住んでいたときに東京の不動産を所有していたということもあって、それを貸せばいいというのが収入面での安心材料にもなっています。

悪かったことは、やはり仕事が減ってしまったことでしょうか。ただ、バリバリ仕事をしたい人にとっては、これが「悪かったこと」になりますが、生活の方を充実させたい人にとっては、仕事減らして畑などができて楽しいと思います

長野県ならではのリフレッシュ法は?

窓から見える山を眺めたり、温泉に入ったりして気分転換をしています。そのほか、30分程度でスキー場に行けるので、仕事前に2時間だけスノーボードをすることも。湘南住まいの方が朝にサーフィンをしてから出勤するような感覚で、ウィンタースポーツを楽しめます。

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ウィンタースポーツを楽しむ柏木さん

最近、フリーランス向けのマネーセミナーを開催されていますが、それはどのような理由から始めたのですか?

フリーランスだとなんでも経費にして所得を少なくし、税金や保険などをあまり支払わないで済むようにする傾向があると思いますが、私はそれに関して疑問を持っています。

所得を少なくすると、家を買うときや、事業を大きくしたいときに銀行から融資を受けることができなくなる場合があるからです。それに、赤字申告をしていると引っ越したくても家を借りられないこともあるんです。

今月2月18日(木)には、フリーランスを続けていくうえで必要なお金のリテラシーについて考えるトークライブでお話する予定です。「お金の常識」や「確定申告のやり方」について私の経験をお伝えできたらと思います。
●【2/18(木)】確定申告前に考えておきたい!フリーランス歴25年のライターが語る「お金の新常識」イベント詳細はこちらから>>

今後の目標をお聞かせください。

いつかは信州で宿泊施設やカフェを経営したいです。そして、これからはフリーランスの人とネットワークをつくってコラボする形で仕事ができればと考えています。実は昨年、夫の海外駐在がきっかけで、南米ペルーに1年間住んでいたんです。行く前は、「フリーランスのライターなんてどこに住んでいても仕事ができる!」と思っていました。実際、過去に海外へ2~3カ月かけて行っていたことがあり、その時は、日本でまとめて取材をして海外で執筆することで仕事を問題なく続けることができていました。ですが、地球の裏側ともなると 、なかなか上手くいかなくて。現地で取材して書くことも考えましたが、スペイン語が超ビギナーの私には難しかった。なので、日本にいる方に営業や取材をお願いして、アンカーマン的な仕事をしたり、校閲をしたりして、フリーランスの方との連携で海外にいても仕事ができる環境ができたらいいなと思ったんです。

最後に、地方で働くことに興味のあるフリーランサーへ一言お願いします。

地方で開業するというのはなかなか面白いと思います。ライターの場合は開業にそれほどお金はかかりませんが、たとえばエステとかヒーリングサロンとかカフェとかお菓子製造とかケータリングなどの場合、東京と比べて地方は開業コストが安いので起業しやすいと思います。

東京で開業する場合、多くの人に来てもらおうとアクセスの良い駅近に立地選びが集中しがちで、どうしても家賃が高くなります。しかし、地方だともともとの家賃が安いうえ、車社会なので駅前にこだわる必要がありません。インターネットで集客するのは、今は東京も田舎も同じです。田舎の起業しやすさとインターネットを駆使すれば面白いことができるのではないかと思っています。

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
※次回の「地方フリーランス生活」は3月14日(月)更新予定です。
南條祐弥

Writer 南條祐弥

ライター・Rhythmoon編集部メンバー
児童文化や女性のライフスタイルの分野を得意とする、大阪在住のフリーランスライター。コラムやシナリオを執筆するほか、書籍の編集協力、取材レポートの提供なども行なっている。リズムーンでは、地方で働く女性フリーランサーの多様なライフスタイルを発信中。趣味は絵本を読んだり、映画を観たり。ハイキングに出かけるのも好き。
http://ameblo.jp/original-ehon/

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