リズムーンの商品開発室

April 01 2016

お仕事かばん(仮)開発日記③〜プロトタイプをつくる

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前回、登場した「プロトタイプ」、日本語でいうなら試作(品)。こちらの方が馴染み深い方も多いでしょうか。試作品をつくることは「ing」をつけてプロトタイピングと言います。新作レシピを考える料理研究家も、テスト版をリリースする開発者もプロトタイピングをしているということになりますね。これ、実は、構想段階のコンセプトを具体化していく上では欠かせないプロセスなんです。

モノを見ると意見やアイディアがわいてくる

行き詰まってしまってアイディアが出ない、どうもメンバー間で話がすれ違っている気がする、いいアイディアだと思うのに上手く他の人に説明できない...。
こんなときは「プロトタイプ」の出番です。

上に挙げたようなことは、頭のなかだけで考えていたり、言葉に頼って話し合っていたりするときに起こります。たとえば、「バッグ全体の幅を狭くしたらどうか」という議論をしていたとします。提案した人は「横幅」について話しているつもりなのに、聞く人は「奥行」についての話と思って聞いていると、なかなか話がかみ合いません。でも、試作品を前にして「ここをもう少し短く」と話せば、すれ違いが起きにくいでしょう。

実際に使う人、女性向けの商品なら女性に意見を聞いてみるときにも、プロトタイプがあると話がしやすくなります。自分が意見を求められる側だったら、言葉だけでの説明とモノを見せてもらいながらの説明と、どちらがコメントしやすいかを考えてみてください。プロトタイプがあった方が具体的な意見を出しやすい気がしませんか。

モノづくりに限らず、新たなサービスをつくるときにもプロトタイプは使えます。たとえば、お客様役とスタッフ役でロールプレイングをするというのもプロトタイピングの一種です。実際にやってみると「私は受付した時点で費用をもらうつもりだった」と認識の相違が見つかったり、「思っていたより手間がかかる」と気付きがあったりします。そうすると改良案が出てきて、一歩、実現に近付きます。

インタビューを読んでいると、未経験の仕事で独立した方は「知り合いに無料で体験してもらう」、「お店を出す前にイベント出店する」など、プロトタイピングを実行した人も多いようです。頭のなかだけで考えるには限界があります。部分的にでも実際にやるとこんな感じという体験をしてみると、具体的な意見やアイディアがわいてきて、単なるイメージが現実味を帯びてきます。

繰り返すことで、改善点が見えてくる

今回のプロジェクトでもいくつかのプロトタイプをつくりました。

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初代は紙でできた、こちら。
そう、バッグだからといって布や皮でつくる必要はないんです。このときは言葉で形を説明しにくかったので、確認のためにつくりました。お花のようなデザインは市販品を真似したもので、「これに抽選箱みたいなフタをつけたら」と話していたんです。「そのフタって、こういうこと?」「そうそう!」と話は進みましたが、実際につくってみるとバッグに入れるにはかさばることに気付き、「この形はないね」とあきらめました(笑)。

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2代目はこちら。
我が家の余りものでできているので布の色はバラバラ、金具の代わりに安全ピンでファスナーも長さが足りていません。それでも、どんなポケットがあるのか、サイズ感はどうかを確認するには充分。自立させるために底板を入れたらどうかという改良案もでてきました。

20160322_factory_1.JPG

3代目はこちら。
これはお仕事かばん(仮)を使ってくれそうな方に意見を聞くために用意しました(その様子は前回の記事に)。
目的は「コンセプトがズレていないかを確かめること」です。第1回でペルソナをつくって商品コンセプトを考えたわけですが、ターゲットとなる人たちに本当にこのコンセプトに共感してもらえるかを知りたかったのです。
そこで、このプロトタイプを見せると同時に、どんなコンセプトで考えたバッグなのかを説明しました。そして「こんなバッグがあったら仕事が進むような気がするか」、「持っていて気分があがるか」という点から評価をしてもらいました(もちろん、せっかくの機会なので他にもいろいろ教えてもらいました)。

ちなみに2代目と3代目の試作品は、実際に洋裁を本職とされているプロの方にも見ていただきご意見を伺いました。こんなものをつくりたいとお話したところ、「ここに切り替えをつければスッキリする」「布の種類によって端の始末のしかたが違い、コストも変わるから素材は早い段階で決めた方がいい」といったアドバイスが。目の前に試作品があると、こちらが質問していないことまで意図を汲んでアドバイスをもらえたりするんですね。

プロトタイピングはまだまだ続く......

ここまでご紹介してきたプロトタイピングは、メンバー間の意思疎通を促したり、認識を共有したり、あるいは自分で体験することで改善点に気付いたり、他の人からのフィードバックをもらいやすくするためのものでした。そういう意味では「たたき台」といってもいいかもしれません。

ほかに、実際に機能するかどうかを確かめるためのプロトタイピングもあります。これは「たたき台」的なプロトタイピングとは違い、なるべく本番に近い環境で実施します。モノづくりでいうなら、実際に工場を動かす量産試作のような位置づけで、これは何度もできるものではありません。

「たたき台」的なプロトタイプはまだまだ続きます。次回はそのために「布を買いに行く」お話です。(開発日記④に続く)

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