No.2 そもそもリモートワークって何?リモート化できる職種とは?

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「とあるリモートワーカー」とか勝手に自称して始まったこの企画ですが、そもそも「リモートワーク」って一体なんなの?と思いませんか。

私もこの言葉を聞いた当初はそう思っていました。
「どうせまたどっかの転職斡旋サイトが流行らせた広告文句でしょ」
「どうせリゾート地でノートPC広げてるブロガーがバズらせた煽り文句でしょ」
などなど。その私が、どのツラ下げて「リモートワーカー」を自称するに至ったのか? 今日はそんなお話をします。

「リモートワーク」はただの流行り言葉なの?

今までも、「ノマドワーカー」とか「在宅ワーカー」とか、古くは「SOHO」など、似たような言葉が流行っては消え、時代が移り変わってきたように思います。

そしてそれらの言葉と「リーモートワーク」が決定的に違うのは、「離れたところに拠点(オフィス)を持つ」ということではないかと思います。「ノマド」はフリーランサーがカフェとか自由な場所で働くオシャレなスタイルのことで、「在宅ワーク」も同様に自宅で働くスタイルのこと、さらに「SOHO」は自宅などのミニマルなオフィスで働く個人事業者のことを言いますよね。

しかし今流行っている「リモートワーク」という言葉は、まず先進的なIT企業が「在宅勤務」を制度として取り入れ、英語での呼称であった「リモートワーク」という呼び方に変えて普及させました。そのため、企業発信の働き方である、というニュアンスが先行しているように思います。

たとえば、社内チームで仕事を進めたり、社内の複数のプロジェクトを掛け持ちしたり、などの「本来オフィスでしかできなかったような仕事」を遠隔地でもできるようにしました、という先進性を示す意味で一挙に広まった言葉のようなのです(本来は個人発信の仕事でも「リモートワーク」なんだとは思いますが)。

そのため、やっぱりそれはIT業界の人の特権で、パソコンさえあれば生産性を担保できるような優秀なエンジニアだけが選べる特殊な働き方なのではないか、と今度はそう思ってしまいそうですよね。

「リモートワーク」はエンジニアの特権から新時代へ

ところが、さらに最近ではまた様子が少し違ってきているようなのです。

IT業界から端を発したこの働き方は、いま他の業種にも広がりを見せています。そもそも、IT業界の人がなぜ「リモートワーク」などという「広告文句」を広めたのかといえば(笑)、彼らが作った「遠隔地オフィス」向けのシステムを普及させたいからに決まっているじゃないですか。この開発された汎用性の高いシステムのおかげで、今「リモートワーク」ができるようになった人がどんどん増えているのです。

そしてかくいう私も、「在宅ワークだわ」「内職だわ」と肩身狭くやっていた今の仕事が、クラウドシステムやグループウェアを活用することによって「リモートワーク」化することに成功したひとりです。

私ははじめ、末の子どもが小さかったことと、夫が単身赴任中だったことを理由にやむなく業務委託で在宅ワークを始めました。ゆくゆくは会社に通勤する予定だったのです。だから最初はとても引け目があり、「私は所詮下請けだ」「誰にも頼られていない」「迷惑かけないように早く出社したい」と感じていました。

ところが、自宅にいても会社の仲間と情報共有やチャットを通じていろんな業務に携われることがわかってくると、徐々にそれが楽しくなってきました。引け目を感じずに、クラウドでの情報共有ルールやチャット会議のやり方を提案しながら積極的に仕事ができるようになりました。そして時期に「家でも十分にできそうだね」と認めてもらうに至ったのです。

私みたいな一般人が導入できたことを考えると、リモートワークは、決して「生産性を担保できる優秀なエンジニア」や「リゾートのブロガー」だけの夢物語ではないと実感できます。そしてIT業界の方々が広めてくれたのはシステムだけではなく、「新しい働き方」のひとつとして「オフィスワークでも場所を選ばず自由な働き方ができますよ」という意識改革なのではないかと気づきました。

IT業界の方々、特権とか広告文句とか散々に言ってしまってどうもすみませんでした。
日々の企業努力、本当にありがとうございます。おかげで今日も私は働けています。

どんな仕事に「リモートワーク」の可能性があるのか?

そうはいっても、やはり「遠隔地」でできる仕事には限界があるとは思います。たとえば、物理的な共同作業が必要なイベント運営業や、現場での進行管理が必要な業務にはリモートワークの導入は難しいでしょう。また、不特定多数の顧客と業務を結ぶいわゆる窓口業務がある職種でも、遠隔ではまだ難しいかもしれません。これらはたとえWeb系やIT系の業務であっても「リモートワーク」導入への障壁になると思われます。

では逆に、どんな業務ならリモートワークへの展開が見込めるでしょうか? Web系やIT系の業務以外でも、上記の障壁が少ない「遠隔地」からの作業が可能な仕事には、ある程度特性があるのではないでしょうか。

たとえば、もともとアウトソーシングのしやすかった分野である、人事や法務、経理などの管理業務。また、そもそもがシステム管理されている流通系や小売業の管理業務もすでに遠隔操作自体はされています。それから外回りの多い部門である営業や広報なども、個人で管理して客先を回るという意味においては、いちいち帰社せずに飛び回ることでタイムロスが減るかもしれません。さらには彼らのバックサポート部門も、常に外を回っている人を補佐しているのですから、オフィスにいなくても業務ができるはずです。

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つまりリモートワークへの移行が可能な職種特性としては、「個人で管理・遂行でき、その裁量権が担保できる」「業務に専門性・独立性がある」「データ化して共有できる」「顧客とネットワークを通じてやり取りができる」などがあげられます。これらは同時に、オフィスから自分の業務を切り離すことができるか否かの分岐点であるともいえます。

今後もし「リモートワーカー」への転向を考えるのであれば、これらのポイントから現在の業務内容を一度棚卸ししてみるのも良いかもしれません。そうすれば、どの業務を極めていくことがより近道に繋がるのかがわかるのではないでしょうか。

次回は、これらの分岐点を突破して今実現している「リモートワーク」の業種や雇用形態を紹介していきたいと思います。そして「リモートワーク」という働き方にコミットしていく方法を少しでも探っていただければ幸いです。

クラタイクツ

Writer クラタイクツ

普段は在宅で商社のサポート事務をしている副業ライター。満員電車での通勤会社員時代に二人の子供を出産。復職後に育休切りに合い、派遣事務員に転職。副業をしながら2年勤務後、第三子の出産を機に専属業務委託に転向。
http://www.mamazero.com/

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