とあるリモートワーカーのつぶやき

October 26 2016

No3. リモートワークを始めるには?地道な交渉を続けるべし

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20161026_taikutu_0.jpg先月、政府の「働き方」改革が発表され、保育園不足の解消や長時間労働の是正とともに「テレワーク導入」の推進が提言されていましたね。

そうでなくても今年は「働き方・休み方改革集中取り組み年」などとまことしやかに経団連が打ち出しまして、やれどこぞの企業が在宅勤務制を導入しただの、かの大企業が社内託児所を設置しただのと話題に事欠かなかった気がします。しかしどんなに政府が「テレワーク」の導入を推進しようが、今自分が勤めている会社が制度を導入してくれない限り、私たち個人としてはどーにもこーにも「在宅勤務」になりようがないのが実情ではないでしょうか。

そこで今回は、現在「リモートワーク」をしてる人たちは一体どうやってその道に入ったのか?ということについて、事例や内容を網羅しつつ、僭越ながら自称「リモートワーカー」の私めの見解などを述べてみたいと思います。

※「リモートワーク」、「在宅勤務」、「テレワーク」は全て同意語です。「在宅勤務」が一般企業の共通認識であり、「テレワーク」は主に政府など公共機関の発信ワード、「リモートワーク」は主にIT企業からの発信ワードですのでここでは業種に合わせて使い分けていきたいと思います。

リモートワークを実践するシャレオツIT企業で働く

今一番旬なのがなんといってもこれですね。Googleで「リモートワーク」と検索すると、小洒落たオフィスや横文字のIT企業名が我先にとドヤ顔で検索結果に軒を連ねます。ひとまずカッコイイ「リモートワーカー」になりたい方は、こういうところに的を絞って転職・就職活動するしかないと思われます。関東圏でなくても、地方再生や地域活性の一環でローカルに展開する先進的な会社がいくつもありますので、今から頑張って勉強してシャレオツIT企業に入社しましょー!

とまあ私のヒガミはさておき、今一番リモートワーク導入による生産向上性や効率アップを模索しているのがIT業界だと思います(茶化してごめんなさい)。クラウドシステムの活用やチャット会議のノウハウなど、導入後の進め方をつぶさに発信してくれている場合も多いのでたいへん勉強になります。

だからたとえ異業種であっても(転職しなくても)、その取り組みや成果の情報にはアンテナをはりめぐらせていた方が有用です。自分のワークライフバランスやタイムマネジメントを行ううえでも、ヒントになる事例がたくさん見つかるかもしれませんので活用させていただきましょう。

勤務先の在宅勤務制度を活用する

勤務先の在宅勤務制度を活用する場合、「週の1〜3日を在宅に振り替える」といったスポット的なケースと、「関わるプロジェクトによって自宅作業に振り替えられる」といった期間申請式のケースとがあるようです。また制度のない中小企業においても、介護や育児などといった「のっぴきならない事由」による特例として、期間限定で在宅勤務に振り替えるといった方もチラホラお見受けするようになりました。

特に今年度(2016)は企業側に導入の機運がきており、「テレワーク」の採用実績で助成金がおりたり、経団連が大々的な「働き方改革」セミナーを開催したりとタイミングが抜群にいいので、理解のある上司と改革派総務部員に恵まれた会社員の方がおられましたら、ダメもとで勤務先に働きかけてみるのも手かもしれません。

いずれにせよ、現状はいまだ継続的な働き方ではなく、あくまでも期間が限定された働き方にとどまっているように感じます。生産性や合理性の向上を意図した、オフィスワークをしのぐ働き方であるとする価値観はまだまだ普及しておらず、オフィスワークする人と在宅勤務する人との査定配分や裁量バランスなどの課題が山積しているといえます。

テレワークを前提とした企業求人に応募する

最近の傾向として、企業側があらかじめ「在宅勤務」専用の部門として立ち上げた事業に、一般から公募するというケースが存在します。こちらは主に主婦や子育て世代を想定した求人である場合が多いようです。

例えばNTTコミュニケーションズの系列会社が運営しているOCN会員向けのカスタマーサポート「CAVA」や、Appleが提供しているユーザー向けサポート「在宅勤務アドバイザー」などの顧客対応部門。いまはまだ多くの企業が外注しているカスタマーサポート業務を、自前で、かつ施設管理費や固定費なしで運営できるといったメリットが非常に大きく、今後も増加していく傾向にあると思われます。

また、在宅で秘書のようなサポート業務を行う「バーチャルアシスタント」や、経理・会計業務を行う「経理アシスタント」なども、企業から公募されることが多々あります。それらをひっくるめて、最近ではテレワーク専用の求人サイトやハローワーク窓口なども出てきたようです。

総じて専門的なスキルや実績が必要となりそうですが、それより懸念されるのは待遇の悪さです。在宅勤務での求人は総じて委託契約にされたり、成果報酬にされたりと冷遇傾向にあると感じています。これもまた、「在宅勤務」という働き方がまだまだ生産性向上の事由からでなく、あくまでも「のっぴきならない事由」を抱えた人を救済するための柔軟な働き方である認識が強いことの裏返しではないかと思われます。

業務委託やフリーランスから専属/長期契約へ移行する

最後に言及しておきたいのが、業務委託やフリーランスでも「リモートワーク」になっていくケースです。実は私自身がこれに当たります。懇意にしてくれている発注元さんと密に仕事を進めていく中で、ゴリゴリ内部に踏み込んで裁量権や発言力を強めていき、徐々にチームメンバーに成り上がっていく、いわば「なしくずし」作戦です。継続的に制作物を請負い続けるデザイナーさんや、月刊カタログなどと専属契約するカメラマンさんなどクリエイティブ職種の人に多い印象です。フリーランス意識が強いと思われますが、発注元が固定されている場合には進捗管理の共有やリモート化を図った方がより効率的に業務を進められることも多いのです。

また、それまで会社勤めでこなしてきた業務の一部をプロジェクトごと切り離して独立し、業務委託契約に切り替える「在宅勤務」もあると思います。正規雇用より福利厚生のつかないフリーランスは不利に感じられる方も多いかもしれませんが、より時間的・場所的な自由がきくのが業務委託です。自身のライフステージに合わせて雇用形態を変化させていくこともまた「在宅勤務」の一つの在り方と言えるのではないでしょうか。

逆に場所も勤務時間も融通の利かない業務委託に従事している方がいるとすれば、それは偽装請負の恐れがあるため、正規雇用への移行を交渉してもよい案件だと思います。自身の勤務実態を明確にした上で、専門家に相談・交渉を依頼して正規雇用での「在宅勤務」を目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

リモートワーカーになるには、(1)オサレなIT企業に転職するか、(2)在宅勤務制度のある企業に転職(して制度を利用)するか、(3)在宅勤務職種の求人に募集(して高い競争率を勝ち抜き内定)するか、(4)懇意にしてもらっている取引先に(ゴリ押しして)リモートワーク化してもらうか、のどれかしかないことがわかりました(遠い目)。

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ですが一方で、現在の勤務先にかけあってみたり、現在の業務の一部を業務委託化して自らリモートにするといった抜け道もあることがわかりました。

いずれにせよ、自身の利便性や自己都合だけを押し通すのではなく、生産性の向上や社内制度の充実、ゲンキンな話で助成金がもらえることなど企業サイドのメリットも主張しながら、地道に根回しや交渉を続けていくことが必要不可欠であると考えました。と言うより、個人が地道に交渉していくことでも実現することが意外にあるのだな、とわかったのが今回最大の収穫でした。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

次回は「リモートワークあるある」をご紹介してその実態に迫りたいと思います。お楽しみに。

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