「障がい者」のイメージを豊かに

November 10 2016

障がいをもつ女性の笑顔があふれる雑誌『Co-Co Life☆女子部』(前半)

このエントリーをはてなブックマークに追加

一見すると普通の女性向けフリーマガジン『Co-Co Life☆女子部』。でも、手に取ってよく見ると笑顔のモデルたちは、車いすに乗っていたり、補聴器をつけていたりと、一般の女性誌では登場することのない障がいをもつ女性たちばかり。内容も、腕に障がいのある女性でも簡単にできるヘアアレンジや視覚障がい者のためのメイクレッスン、バリアフリーな旅行を提案する「街散歩」(新宿三丁目も!)、障がいをもつ女性の本音が語られる覆面座談会など、今までの「障がい者」の枠にとらわれないものばかりで、初めて見る人に新鮮さを与えます。


20151110_cocolife_1.jpg今回インタビューしたのは、今年の4月から同誌の編集長を務める元山文菜さん(36歳)。会社員で4歳の女の子をもつ母でもあります。23歳のときに臼蓋形成不全症(きゅうがいけいせいふぜんしょう)という骨盤の骨が育たない病気と診断され、中途障がい者となりました。見た目でその障がいはわかりませんが、今は手術で人工関節に置き換えており、重いものを持ったり走ったりすることができません。前半の今回は、同誌に込める思いを聞いてきました。 

一歩外に出るためのきっかけづくりを

――『Co-Co Life☆女子部』について教えてください。

障がいをもつアラサー女子をターゲットにしたフリーマガジンです。今年5周年を迎えました。年4回発行の季刊誌で、発行部数は1万部。配本拠点は、福祉施設やリハビリセンター、市役所の福祉課をメインに、全国に約480ヵ所にあります。電子ブック版でバックナンバーが読めますので、リズムーン読者の方もぜひ読んでみてください!
誌面にモデルとして登場する女性たちはもちろん、企画やライティングも障がいをもつ女性たちがメインとなって行っており、編集はプロの編集者がボランティアでかかわっているので、当時者目線を持ちながらも、クオリティの高い雑誌になっていると思います。

20151110_cocolife_2.jpg

最新号のvol.17。特集は腕に障がいのある女性が企画した「お悩み別ヘアアレンジ」

――どんな思いが込められた雑誌なのですか?

コンセプトは「心のバリアフリー」です。障がいのあるなしに関係なく、みんなが混ざり合えるような多様性のある社会の実現を目指しています。その切り口のひとつとして、障がいのある女性に「外に出ようよ」と背中をポンッと押してあげられるような内容になっています。障がいをもっていると外に出ることに対して消極的な人が多いので、一歩外に出て世界を広げられるきっかけになればという思いを込めた企画が多いですね。

――障がいのある女性が外出に消極的な理由は?

まず物理的な問題があります。車いすで乗り越えられない段差が多くて疲れちゃったり、自分一人ではお手洗いに行けないとか。また、障がいによる見た目の違いをコンプレックスに感じて人目を気にしてしまい、外出が不安という声も多いですね。

20151110_cocolife_3.jpg

「Co-Co Life☆女子」のスナップ特集(Vol.14)。車いすで目立つ足元を大好きな赤色の靴でかわいくしたり、身長115cmのからだに合わせてリメイクするなど、自分らしいおしゃれを楽しんでいる

健常の女性とは異なる悩み

――『Co-Co Life☆女子部』は、今までの障がい者関係の雑誌にはないおしゃれさがあり新鮮です。

普通のファッション誌や情報誌を見ても、私自身は疎外感を感じることが多いんです。たとえば「おしゃれは足元から!」という見出しを見ると「私、ヒール履けないし...」ってそこで心がポキッと折れちゃう。恋愛や結婚、出産という女性にとって人生の一大イベントの記事についてもそうですよね。健常者とは違う悩みがありますから。

――障がいをもつ女性数名が集まって行う覆面座談会では恋愛や結婚、出産などを取り上げて行う本音トークが好評です。

そもそも恋愛に消極的になりがちな子も多いですし、恋人になれても、性の問題だったり、障がいを理由に相手のご両親にお付き合いや結婚を反対されたり、出産や子育てにもさまざまな壁がありますからね。そういう本音や情報は、普段健常者が中心の生活の中ではなかなか得られない。読者には「わかる、わかる」と共感してもらって 、前に進んでいる子の話から一歩進むヒントを得てもらえたらなと思います。

20151110_cocolife_4.jpg

リアルなカップルがカバーに登場(vol.13)。本誌のアンケートでは「恋愛において障がいをコンプレックスに感じる」読者が8割とのアンケート結果がでた

後半に続く

フリーランス応援プログラム