フリーランスの浮き沈みとどう付き合う?『夢とスランプを乗りこなせ』

皆さん、明けましておめでとうございます。フォトグラファーの宇野真由子です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年最初にご紹介するのは、まさにフリーランス向けのこの本『夢とスランプを乗りこなせ ― ぼくがクリエイターとして生きていく方法』です。

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イギリスのイラストレーター、ベン・タロン氏が自身の経験を綴っています。絵を学んでいた学生時代のことから、フリーランスとして働き始めた経緯、どのように仕事を獲得していったか、そして突然のスランプのことなど。

誰も教えてくれないような詳細をオープンに書いてくれていて、フリーランス、またはそれを目指す人には参考になる1冊です。「わかるわかる!」ということの連続で、皆そうだったんだ・・と、心強く感じる本でもあると思います。

現在ではイラストレーターとしてだけではなく、アートディレクター、文字デザイナー、クリエイティブディレクターなど様々な顔を持っているベン。絵を描くことだけでなく、元々プロレスオタクであり、サッカーと音楽も大好きだったことが、後々仕事に役立っているのも面白いです。

浮き沈みとどう付き合うか

フリーランスになったばかりの頃は、バイトを辞められず、親にお金を借りるほど生活に困っていたベンですが、ある仕事を掴んだことで、次々と大きな仕事が舞い込みます。そしてニュージーランドに移住して悠々と働けるくらいの成功を手にします。

でもその後、仕事をもらっていた会社の状況が悪くなり、そこから不幸が続き、クライアントが0の状況に逆戻り。またどん底生活に戻ってしまうのですこれがフリーランスの恐ろしい所だなと背筋がゾクっとしました。そこからどう這い上がったのかも書かれているのでご安心くださいね!笑

私自身はフリーランス2年目に入ったばかりなので、まだまだ経験不足ですし、先はどうなるかわからないという恐怖と隣り合わせです。仕事の話が浮かんでは消えということも多く、当然収入も月によって思いっきり違います。でも今はそういうことにも少しは慣れました。

「フリーランスに大事なことは一喜一憂しないこと」

と、この本にも書かれていますが、まさにその通り。これからどんどん好不調の波を乗りこなすスキルを身につけて、うまく付き合っていきたいですね。

肩書きにこだわらない

ベンの体験談は共感できることが多いのですが、中でもイラストに限らず興味があることにはどんどん挑戦しているところに好感が持てます。プロレスが好きすぎて、プロレス雑誌にしつこく作品を送りつけているうちに挿絵やポスターデザインを頼まれたり。音楽が好きで、その業界に入り込みたいからとミュージシャン向けのエージェンシーをつくって、クリエイティブディレクターになってしまったり。映画のセットを作ったり、今では文字デザイナーの仕事の方が、イラストの仕事より多いと言います。楽しみながら自分の仕事の領域を広げているうちに常に何かしらの仕事がある状態になっていったようです。

私もフリーランスになってから、誰と何の仕事をしても良い立場であるわけだし、やりたいことには何でもチャレンジしようと決めました。今は撮影だけでなく写真教室や、書く仕事も少しだけやらせていただいているのですが、いずれは教室・ライター業をもっと増やしていって3本柱にしていけたらと考えています。

長くフリーランスでやっていくための対策でもあるのですが、単純にやりたいからという気持ちも大きいです。「結局何がしたいの?」というようなことを言ってくる人もいます。でも私の中には写真という大きな軸がありますし、それさえ自分でわかっていれば、肩書きはどうでもいいんです。自分のやりたいことに正直に生きられるのもフリーランスの特権。どうせなら楽しく苦労しようと思います。

人のありがたさ

私自身、フリーランスになってから特に人のありがたみを感じるようになりました。フリーランスの1番の敵「孤独」にやられそうになった時も友人達に支えてもらいました。相談に乗ってもらったり、たわいもない話をすることで気持ちが紛れたり。時には紹介してくれた人から仕事が発生することもありました。決して1人で頑張れているとは思いません。

ベンの体験談の中にも友人達に支えられたエピソードがたくさん描かれています。

「仕事はなくても、毎朝起きるのが楽しみだった。アパートでの貧乏生活も、友情のおかげで乗り切れた。日々種を蒔き、前向きな気持ちを保っていれば、いざ仕事が来ても焦らなくてすむだろうと信じていた」

という一文があるのですが、私も本当にそんな状態でした。そして悩んでいる時よりも、前向きに日々を楽しんでいる時の方が仕事が入ってくるから不思議です。

もう1つ、「何を知っているかより誰を知っているかが重要」という言葉がありますが、「結局何も知らない人には誰も寄ってこないので、何を知っているかが重要」ということもこの本には書かれています。たくさんの人と繋がっていこうと思ったら、その人自身が話していて面白い人、また会いたいと思わせる人であることが大切なのではないでしょうか。私も仕事のスキルだけでなく、自分自身を磨いていかねば!と思っています。

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さて、今日の写真は空にどこまでも伸びるような電線です。新年なので気持ち良い写真にしたいと思って選びました。

2017年が皆様にとって良い年になりますように。楽しんでいきましょう!!

宇野 真由子

Writer 宇野 真由子

1979年生まれ。北海道出身。ビジュアルアーツ大阪校写真学科卒業。
写真専門ギャラリーでの勤務を経て、沖縄に移住。撮影会社にてブライダルを中心とした人物撮影や商品撮影等に従事。2015年秋に大阪へ戻り、フリーランスとして活動開始。撮影以外にも、写真教室・ワークショップ等、写真の楽しさを広める活動も開催している。
http://unophotoworks.top/top/

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