とあるリモートワーカーのつぶやき

April 24 2017

No.9 「在宅勤務だと園からの急な呼び出しにも対応しやすい」は本当?

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「在宅勤務だと、子どもの急な発熱の時にすごく助かるよね!」とよく人から言われます。確かに、在宅勤務を始めて何が一番楽になったかと言えば、子どもが病気になった時に仕事を休まなきゃならない心労が減ったことです。でも、ちょっと待てよ? 子どもの看病のために仕事をセーブしなきゃならないのは通勤時代とあまり変わらないような気もします。今回はその辺の実情をお伝えしていきます。

ケース1・保育園からの呼び出し電話がかかってきた時

在勤だと、保育園からの急な呼び出しの時に、さっさと自分の仕事だけの算段をつけてすぐ保育園に迎えに行けます。もともと、自分の仕事が会社から切り離されるているので、その点がすごく楽です。

でも、そのあとできなくなった仕事を誰かが代わりにやってくれるわけではないのですよ。だから、もし日中に終わらせないといけない仕事が残っていたら、やっぱり誰かにお願いしないと病院やお迎えにはいけないのです。そのあたりは通勤時代と変わりません。「実は保育園から今しがた呼び出しが来たので、先にあがります!」のような報告メールやチャットを関係者に送ってお願いする人を探します。

この時、なんの脈絡もなく私事を押し付けるのはちょっと気が引けてしまうので、「このまま一旦お迎えに行ってきて、隙を見て仕事して、そのあと報告して明日の休みを調整しようかな」と安易に省略しがちです。でも、こっそり迎えに行ってみたら、子どもが意外にも元気いっぱいで手にあまる、なんてこともしばしば。結局、急ぎの仕事をいきなり代わってもらうハメになるので、緊急の仕事だけは報告と同時にすぐ誰かにお願いするよう心がけています。

一方、オフィスで保育園から電話かかってくると「クラタさーん、保育園から電話ですよ」とみんなに聞こえる程度には呼ばれるので「あーあ、呼び出しか。もうあいつは今日早退だね...」みたいな空気が周囲に伝播していくのを感じます。そして、そのあと関係者各位に仕事を代わってもらうよう調整する時の申し訳なさときたら...筆舌に尽くしがたい心労がありました。

それから、みんなに謝り倒して退社して電車に飛び乗り、園に到着するまでのあのヤキモキとした焦燥感。そして「熱はただの風邪かな?」「グッタリしているかな?」「今週の仕事どうしよう」と心配がただただ募るあの時間もかなりのストレスでした。

これらの心労全てがないというだけでも、在勤の今の方がかなり快く働けていると思います。何より、本当に子どもが高熱を出ししている時などに、仕事をしながらそばにいてあげられるのが本当にありがたいと思います。

ケース2・インフルエンザ予後の外出停止期間

インフルエンザなどの感染症は解熱後も3日間は外出許可がでません。しかし、子ども自身は回復して元気な場合がとても多いですよね。それを屋内にこもりきりで相手をしながら仕事をするのはかなり難儀です。だから、たとえ在勤できても、子どもの休みに合わせてお休みをいただいたり、日中の業務を減らしてもらうことがあります。

ことさらに、現在3歳児の次男はとてもじゃないけど仕事する傍らでおとなしくなんかしていられません。できてもせいぜいDVDやYouTubeを見せながら3〜4時間とかそれくらい。これが小学生や、もともとおとなしく一人遊びしていられる子どもさんでしたら違うと思うのですが、こればかりは子どものキャラクターによると思います。だからどうしても外せない仕事がある場合には、日中に寝て、子どもを寝かせた後、深夜にやったり、病児保育(登園できない病後児を預かってくれる保育施設)を利用したりしています。

でも通勤の頃は、いつも病児保育か有給消化かの2択だったので、施設に預けられるか否かに毎度ヤキモキしなくてはならず、それがいつもストレスでした。急な発熱で呼び出されてから翌日の病児保育に予約を入れても、私の住む地域ではいつも夕方には予約がいっぱいになっていて、キャンセル待ちが当たり前だったのです。そのキャンセルが確定するのが一番遅くて当日の朝10時頃になり、返事を受けてから預けに行っても会社に到着するのは11時すぎ、もうお昼になっちゃうよ...というのがとてもストレスでした。最悪の場合には11時まで待っても結局キャンセルが出ないなんてこともザラ。

もちろん、在勤でも病児保育の利用状況は同じなのですが、「病児保育に入れても入れなくても家で少しなら仕事ができる」という選択肢があるだけでだいぶ気持ちが楽なのです。何より、病児保育のキャンセル待ちの間にも家で仕事ができます。朝の8~10時は子どもがEテレ見て静かにしていられるゴールデンタイムでもありますからね。それが出勤の場合には、出社できるかできないかがわからない待機状態が続くだけでなく、結局12時近くに「やっぱり午後も出られません」と報告するハメになったりして、同僚にも迷惑をかけてしまうのでとても申し訳なく、いたたまれませんでした。その心労がないだけでも、相当負担が減りました。

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ケース3・子どもが回復したあと、自分が感染してしまった時

子どもの罹った病気に親が感染してしまうことが我が家ではよくあります。胃腸炎やらインフルエンザやら溶連菌やら、子どもから感染された病気は数知れず。しかもすでに看病で連日休んだ後なので、追加で休みを取りにくいという気まずさがあります。こういう時、在勤の今ではよっぽどの高熱がないかぎり、私は仕事を休みません

「休むべきか?」と悩みはしますが、体と脳みそが動けば休みません。なぜなら在宅勤務だから。寝ながらでも仕事ができますから。トイレに駆け込みながらでも仕事ができますから。吐きながらでも仕事ができますからー!

そして生理痛のひどい時にもこたつで仕事ができること、これが在勤になってできるようになったことの中で一番嬉しかったことかもしれません。

まとめ

結論としては、よく言われる「在宅勤務だと急な子どもの発熱時に助かるよね」の内情は、「仕事できないどうしよう」「肩身せまい休めない」「子どもを看病しなきゃ」という焦燥感や切迫感から開放されるというメンタルのメリットが実は大きいということです。

会社で働くママの多くが急な子どもの発熱に困っているのは、代わりに看ていてくれる人、代わりに仕事してくれる人がすぐに見つからないためです。その問題は、「在宅勤務」という働き方だけでは解決しきれません。でも、すぐに代わりが見つからない時のつなぎとして「在宅勤務」という選択肢があるだけで、緊急事態に対応するための時間が稼げます。働くママは本当に時間も余力もない中、綱渡りのような両立スケジュールをこなしているので、これだけでもずいぶん働きやすくなると思います。

また、病気療養時や家族の介護・看病をしながら働く人にも同じことが言えると思います。自分の意思ではコントロールできない事情を抱えた人も、子どものいる人と同様の綱渡り状態で仕事をされています。そういった多くの人の人生で起こりうる体調の変化に対応して、柔軟な働き方が選べる制度、それがリモートワークの目指すひとつの理想ではないかと常々考えています。

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