特集

May 23 2017

【最終回|フリーランスと社会保障⑥】フリーランスが信用力を高めるには?

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"フリーランスと社会保障"について考えるこちらの特集。「時代背景編」「病気・ケガ編」「妊娠・出産編」「老後資金編」「遺族年金編」と続き、いよいよ最終回の6回目は、番外編として「信用力」に注目します。

会社員に比べ、一般的に信用力が低いと言われるフリーランスが、「融資を受けたい」「住宅ローンを組んで家を買いたい」など、いざ必要な時にスムーズに借入ができる信用力をつけるには、どうしたらよいのでしょうか。ファイナンシャル・プランナーの氏家祥美先生にお聞きしました。

Profile / 氏家 祥美さん

prof_ujiie.jpgハートマネー代表 ファイナンシャルプランナー
女性活躍応援FPとして、働き方や夫婦・親子関係も含めたマネーアドバイスが好評。お金・仕事・時間のバランスのとれた幸福度の高い家計を追及する。『いちばんよくわかる!結婚一年生のお金』(学研パブリッシング)ほか、著書・監修本多数。
https://www.heart-money.net/

過度な節税は逆効果に!? 利益を出し、納税することが大事

フリーランスで働く人の中には、少しでも税金を安くしようと、節税に励んでいる人もいるのではないでしょうか。しかし、融資や住宅ローンの審査においては、過度な節税は、逆効果になることがあると言います。

「通常、融資や住宅ローンの審査には、直近3年分の決算書や申告書類の提出が必要になります。そこでは、節税しすぎて利益が出ていない人よりも、コンスタントに利益を出し納税している人のほうが金融機関からの信用力は高くなります

確かに、そもそも売上が少なかったり、売上は出ていても経費が大きく利益が出ていなかったりすると、貸す側からしたら「この人本当に返せるの?」と不安になりそうです。融資や住宅ローンを考えているのであれば、フリーランスとして毎年しっかり納税していることが信用力につながるというわけですね。

"きちんと返済すること"も信用力につながる

また、「銀行からお金を借りてきちんと返すこと」も、銀行との信頼関係を築くには有効だと言います。

「銀行からお金を借りたら、期日までにきちんと返済することで、それが実績となり信用力を高めることにつながります。借金というと抵抗がある人もいるかも知れませんが、とくに融資の場合は、多少資金に余裕がある時に少額の借入をし、それをしっかり返済したという実績を作っておくことで、本当に借りたい時に借りることのできる信用力につながります。ぎりぎりになってからではどこも貸してくれないので気を付けましょう」

人と人との信頼関係も、一日や二日で築けるものではありません。金融機関との信頼関係も、日々の積み重ねということですね。

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また、国や自治体などが行っている助成金を受けた実績や、創業支援の融資を受け、それをしっかりと返したという実績も、のちのち信用力につながるそうです。「貸す側は、何かのお墨付きがほしいのです。いざというときに、過去に公的な機関から認められたという実績があれば、それも金融機関にとっては安心材料となり、信用力につながります」と氏家先生。

日本政策金融公庫や自治体等には、創業間もない方でも低利で借りられる融資があります。興味のある方は一度調べてみるとよいかも知れません。

信用が信用を生む。早め早めに金融機関とのつきあい方を考える

「最近では、事業用の口座を開設することも以前に比べて審査が厳しくなっています。例えば、レンタルオフィスでの創業は、口座開設にあたり審査が通りにくいこともあるのですが、過去に公的な助成金を受けたことが信用力となって事業用の口座を作ることができ、今度は、事業用口座を持っていることが信用力となって、次の融資につながっていくなど、信用が信用を生むことがあります。ですから、本当に必要になる時に備えて、早め早めに金融機関とのつきあい方を考えておくことが大事なのです」

この他にも、住宅ローンの場合は、

・預金額
・金融機関との過去のつきあいの長さ
・担保力(万が一返済できなくなった時に差し出せる物件等の価値)
・頭金の額(頭金は2割以上が望ましい。頭金が多いと金利優遇が受けられることも)
・金融機関の見極め(一つの金融機関で断られても、あきらめずに複数の金融機関に問い合わせをすると、融資が通ることも)

などがポイントとのこと。

審査基準は金融機関によっても異なりますので、しっかりとライフプランを立て、早めに金融機関に相談して見てくださいね。

<まとめ>

フリーランスが信用力を高めたいと思ったら?

・毎年納税することが大事(特に具体的に予定がある人は、直近3年くらいは節税のしすぎに注意)

・"しっかり期日までに返済した"という過去の実績が信用力につながる

・国や自治体などの公的な助成金を受けることも信用力につながる

・信用が信用を生む。いざという時に備え、早め早めに金融機関をうまく使うことを考える

全6回に渡ってお届けしてきた特集「フリーランスと社会保障」いかがでしたか?
雇われない多様な働き方を支援する制度の整備が追いついていないということを改めて深く知ることができたのではないかと思います。ここでアクションを起こすか起こさないかはあなた次第。ただ制度が整うのを待つだけではなく、しっかりと対策を立てていきたいものですね。

<目次>
第1回 【時代背景編】 なぜフリーランスの社会保障は手薄いのか
第2回 【病気・ケガ編】 病気・ケガでの収入ストップにどう備える?
第3回 【妊娠・出産編】 会社員とここまで違う!フリーランスの産前・産後
第4回 【老後資金編】

1階部分しかもらえない!老後にどう備える?

第5回 【遺族年金編】

家族のために考えたい、フリーランスの遺族保障

第6回 【信用力編】 フリーランスが信用力を高めるには

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