難病フリーランサーの「生きる知恵袋」

June 28 2017

元人事担当が教える「フリーランスに必要な視点」

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。ライターの江口たま(@ta_mocha)です。

6月に入り、新卒の採用面接がスタートしていますね。実は私、かれこれ10年以上前の話になりますが、20代の頃、中途採用で入社した一般企業で人事担当をしていたことがあります。そこで今回は、人事の経験から学んだことを踏まえながら、フリーランスに必要な視点や心がけについて考えてみたいと思います。

「どんな強みを持っているか?」の視点で考える

私が人事担当に就いたばかりの頃、ある中途採用の面接で、職歴の浅い20代前半の応募者と面接することがありました。その男性は、対人コミュニケーションが極端に苦手そうな印象の方でした。面接終了後、隣の席にいた人事部長に「スキル云々の前に、人物的にうちの会社には厳しいですね」と所感を述べたところ、すぐにダメ出しが入りました。「たまさん、それじゃダメだよ。今日、面接した人について、『印象』『スキル面』『思考力』『発想力』『マネジメント力』など、それぞれの項目について、すべて"良い面"を書き出してごらん。その人がどんな強みをもっているかの視点で考えるべきだよ」。

上司からこのようなアドバイスを受けて以来、私は自分自身も含め、相手が「どんな強みを持っているか?」の視点を大切にするようになりました。障がいや難病のあるなしにかかわらず、人はとかく相手の「できないこと」ばかりに目を向けがちですが、「できること」に着目することで、人間関係がスムーズになり、仕事の好循環にもつながります。フリーランスの皆さんも、チームワークが求められる仕事を進めるときや、苦手な取引先の担当者とやりとりするときなどには、相手の「いいところを探す」「いい部分を引き出す」という心がけを持つと、いい循環を生み出せるに違いありません。

201706_eguchi_1.png

自分の市場価値を考える

リズムーンの読者の皆さんも実感されているところかもしれませんが、フリーランスとして働いていると、とかく収入が不安定になりがちです。安定した収入を得るために、一般企業への就職・再就職について考えをめぐらす人も少なくないのではないでしょうか。

私の場合、難病を抱えているので、障がいや難病のある人が働くということについて時折考えます。具体的には、自分の労働市場における価値を考えたときに、「難病患者となった今、自分が経営者だったら、自分のことを採用するか?」「障害者手帳を持っていないアラフォー子持ちの私を採用するか?」などです。採用する側の"経営者の視点"や"ホンネ"をこれまで見聞きしてきた私としては、残念ながらその答えは限りなくNOに近いな、と思ってしまうのが正直なところです。国の支援制度としてトライアル雇用制度や難病助成金制度などがあるとはいえ、現実はかなり厳しいものになるでしょう。

しかし、幸い、私の場合は、Web企画・編集、校正などの経験・スキルに加えて、人事(採用・給与・社保等)の知識・実務経験があったので、独立後は、人事関連書籍の編集や校正などの仕事の依頼を受けるなど、スムーズに在宅フリーランスの道を歩むことができました。これからフリーランスを目指す方には、ぜひ自分の「市場価値」を意識しながら、ビジネスキャリアにおける専門性を磨いていってもらいたいと思います。

クライアントの視点で考える

私はフリーランスとして働き始めてかれこれ5年以上経ちます。これまで、どのように仕事を取ってきたかと言えば、もともと働いていた会社や取引先のツテ、友人・知人からの紹介で仕事をもらうケースが多かったと思います。ライターやデザイナー、エンジニアなどフリーランスとして独立した方の多くは、こういった人脈をたどって仕事を得ているケースが多いのではないでしょうか。最近では、クラウドソーシングなどを利用している人も多いかもしれませんね。どのようなルートであれ、そこから次の仕事につなげていき、実績を積み重ね、既存顧客のリピートを獲得、あるいは新規顧客を開拓していくことになります。

新規取引先の開拓に関して言えば、私が営業を行なう際には、クライアントの視点に立ちながら、「ウィン・ウィン」の関係を築けるかどうかを見極めます。企画コンペなどであれば、「私はこれができます!」「この経験を活かしてクライアントにとっての成長に貢献できます」など自分のできることや、専門性、過去の実績などを積極的にアピールするように心がけています。自分を外注先として選んでもらうことのメリットをクライアントに最大限にアピールできればしめたものです。

仮に受注に至らなかったとしても、失敗からは多くを学べます。クライアントが発注の可否を判断する際には、経営側が求める基準や現場が求める基準、最低限必要なスキルや経験、会社の現状、報酬の条件など、さまざまな側面から総合的に判断されるはずなので、不採用になった理由を必ずヒアリングして、うまくいかなかった原因を探り、改善できるところは改善し、次につなげていくように心がけています。

201706_eguchi_2.jpg

仕事の好循環を生み出す心がけ

最後に、フリーランスの私が仕事をするうえで心がけていることをまとめてみます。

  • 一つひとつ丁寧な仕事を心がける
  • クライアントの期待以上の成果物を出す
  • 時間や締切りは厳守!
  • できないことはハッキリ断る
  • キャリアのブランクをつくらない(細々とでも続ける)

などなどです。

こういったシンプルな心がけをしていくことで、クライアントから信頼を得て、次の仕事にもつながるはずです。

フリーランスの皆さんも含めて、育児や介護をする方々、障がいや難病のある方々、がん患者の方々など、皆それぞれに事情があり、仕事との両立に悩みを抱えている人は少なくないと思います。働くことを希望するすべての人たちが適材適所で能力を発揮して、社会に貢献できるように、これからもともに成長していきましょう。

フリーランス応援プログラム