プロフェッショナルの仕事とは〜『一流の本質 20人の星を獲ったシェフたちの仕事論』

皆さんこんにちは。フォトグラファーの宇野真由子です。
今日は背筋が伸びるような気持ちになる本、『一流の本質~20人の星を獲ったシェフたちの仕事論』をご紹介します。

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タイトルの通り、ミシュランで星を獲得した関東・関西のシェフ20人に、それぞれの仕事に対する考え方や、今までのいきさつを取材している本です。飲食業界に携わっている方はもちろん、そうではない方にもとてもためになる内容だと思います。

職人であり、経営者

シェフというと「職人」というイメージが強かったのですが、この本に登場される人たちは、職人であると同時にオーナーでもあるので、料理だけではなく、経営面の話も多くて勉強になります。資金繰りのことや、後輩を育成する話、お客様が来なくて困った時期のこと、どのようにピンチを切り抜けたのか......などが具体的に書かれていて、皆さんそれぞれに苦労して、苦しい時期を乗り越えてきたのがわかります。

シェフのイメージを覆す個性派揃い

私がこの本を読んで思ったのは、皆さん経歴もポリシーもバラバラで、一口にシェフと言ってもこんなに違うのかということです。

修行時代を経て独立された方がほとんどですが、その期間もバラバラ。中には修行せずにいきなりお店を開いて、実戦で鍛えていったという方もいます。日本料理にこだわりを持っている方もいれば、日本ではほぼ修行せずにフランスへ渡ってお店を始めた方も。いずれは雇用拡大のために200人規模のお店にしたいという方もいれば、自分のこだわりを貫くために今後は規模を縮小していって、いずれは1日1組限定のお店にしていきたいという方もいます。

その仕事に就くための決まったルートはないですし、それぞれやっていることも、やりたいことも違ってよい。ただ、がむしゃらに料理を磨いて築いた「下地」があり、「自分から動ける人」であるというのは共通していることだと感じました。

常識は行動で打ち破る

そして中には驚くほどのバイタリティで活動されている方もいます。

例えば、京都百万遍 梁山泊の橋本憲一氏は、62歳で京懐石の歴史についての論文を書くため京都大学の大学院に入学。64歳でMBAを取得後、嚥下食(飲み込みや咀嚼などの嚥下機能が低下している人のための食事)で懐石とそれに合ったお酒をつくるために会社も設立したそうです。橋本氏は、料理店での修行経験はせずにおでん屋から自分のお店を始め、材料もあちこち飛び回って生産者と直接取引きしていたという自我流の人。ワインについても本場ブルゴーニュで勉強して騎士号を取得するなど、とんでもない勉強家のようです。「常識はクリエイティビティの邪魔をする」という信念のもと、自分のやり方を貫いています。この言葉に説得力を持たせられる人は、そういないのではないでしょうか。

経験から生まれた言葉たち

他にも数人をピックアップしてご紹介しようかと思ったのですが、どの方の話も素晴らしくて選べないので、「こんな言葉にグッときた」というのをご紹介してみます。

・大切なのは自分で自分を鼓舞する仕組みを持てるかどうか
・これからの時代、1つの専門性だけでは必ず行き詰まる時がくる
・利益よりも喜びを大切にする。
・起点は「人」
・競争が嫌い。唯一であり、モノポリー(独占)な存在でいたい
・まずは自分が周りの人に感謝しているかどうか。そこから運や縁は生まれてくる
・客単価と同じくらいのエンターテイメントを経験することが大事(ライブや芝居など)

これだけピックアップしてしまうと味気ないですが、どうしてこういった言葉が生まれたのか、それぞれの体験を知ると本当に濃くて面白いです。

私はこの本を読んで、自分の仕事に対する姿勢を反省しました。もっと真摯に、喜んでいただきたいという気持ちを持って取り組まなければ、と。ジャンルは違えど、プロを名乗る身として、見習いたいと思う精神論が盛りだくさんでした。同時に、自分はまだまだこれからだ!と前向きな気持ちも生まれました。近道はありませんし、コツコツとやっていくしかないですね。

170606_uno1.jpgさて、今日の写真は久々に海へ行って撮ってきました。仕事の撮影が続くと「プライベートでまでカメラを持ちたくない」と思ってしまう時もあるのですが、自分のために撮る写真も大切です。天気も良くて気持ちが良かったので、リフレッシュできました。皆さんもぜひカメラを持ってお出かけしてみてはいかがでしょうか?

この本は、こんな人におすすめ

・独立したいなどの夢がある人
・仕事で伸び悩みを感じている人
・なんとなくやる気が出ないという人

宇野 真由子

Writer 宇野 真由子

1979年生まれ。北海道出身。ビジュアルアーツ大阪校写真学科卒業。
写真専門ギャラリーでの勤務を経て、沖縄に移住。撮影会社にてブライダルを中心とした人物撮影や商品撮影等に従事。2015年秋に大阪へ戻り、フリーランスとして活動開始。撮影以外にも、写真教室・ワークショップ等、写真の楽しさを広める活動も開催している。
http://unophotoworks.top/top/

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