フリーランスのためのマーケティング講座

June 12 2017

第3回 「なんでもやります」では仕事はこない。あなたの強みを活かすターゲティングとは?

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こんにちは。中小企業診断士の津田まどかです。

6月に入り、まずます日焼け防止対策に力を入れる、今日この頃です。朝一で日焼け止めを塗布し、外出時の帽子とUVアームカバーはもはや必需品。
さらには、手軽に使えるスプレータイプの日焼け止めを玄関に常備しておき、外出前に肌が見える部分に、もれなく噴射します。
登園する子どもたちにもスプレーしているのですが、おそらく、汗で流れてしまっていることでしょう...。

さて、前回は、大量にモノをつくって市場全体に売っていく製品志向の"マスマーケティング"(マーケティング1.0)のコンセプトを踏まえて、フリーランスが実践できることを、お伝えしました。

今回は、顧客志向のマーケティング2.0を踏まえて、フリーランスの活動において何を重視すべきかを提案します。
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すべての顧客ではなく、狙った顧客層に売っていく

製品志向の"マスマーケティング"に対して、特定する顧客層のニーズを捉えて売っていく(顧客志向)ことを"ターゲットマーケティング"(=マーケティング2.0)と言います。

"ターゲットマーケティング"においては、「どの顧客層にアプローチしていくか?」、「どのようなポジションで売っていくか?」を検討する必要がありますが、以下の手順で進めていきます。

1. 市場細分化(Segmentation):市場を顧客ニーズ単位で分けていく
2. 標的市場の選定(Targeting):自社のターゲットセグメント(売る顧客層)を決める
3. 市場ポジショニング(Positioning):他社よりも、優位性が発揮できる立ち位置を決める

それぞれの英語の頭文字をとってSTP戦略とも、呼ばれます。

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いきなりターゲット層を決めるのではなく、まずは、市場をセグメンテーション(細分化)することで、どんな顧客層が存在するのかを把握します。

地域・年齢・性別・職業・所得などで分けるデモグラフィック基準、顧客の心理やライフスタイル、行動などに基づくサイコグラフィック基準などを組み合わせて、セグメンテーションします。そのうえで、どのセグメントを自社の顧客にするのかを、選定する(ターゲティング)のです。

例えば、あるネイルサロンでは、性別・年齢・職業・感度という基準でセグメンテーションを行ったうえで、「20~30代の感度の高い働く女性」をメインターゲットと位置づけました。

次に、自社と同じターゲット層にアプローチしている他社がどんな売り方をしているのかを分析します。その際には、ポジショニングマップというツールを使っていきます。

ポジショニングマップでは、2つの軸を設定したうえで他社をマッピングし、競争相手が少ないやり方を採用する、いわゆる競争回避の戦略を採用するのがセオリーです。

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こちらは、あるエステサロンが出店する際に作成したポジショニングマップです。価格と和洋の2つの軸を設定し、商圏内の他社をマッピングしたものが、●です。すると、和をコンセプトにサービスを提供しているサロンはなく、価格面では低価格帯のところが多いことが分かり、競争回避のため、自社(マップ内の〇)は、和風の高価格帯サロンとして出店することになりました。

ターゲティングやポジショニングの際には、常に自問すべきことがあります。それは、「強みを活かせるかどうか?」です。いくらライバルが手を出していない領域があったとしても、自社の強みを活かせないのであれば、成功する可能性が低いからです。

「なんでもやります」では、仕事が舞い込まない

フリーランスの方がつい言ってしまうセリフに、「なんでもやります」、「幅広く対応しています」というものがあります。

残念ながら、今の時代、モノもサービスも供給過多なので、幅広い顧客層にアプローチしようとしても、その声は響かないでしょう。フリーランスのように、資本力が乏しく、広告宣伝などに費用をかけられないのであれば、なおさらです。

私は、経営コンサルティングや講師業を主要業務としていますが、美容業界専門を名乗っています。美容サロンが大好きなので、顧客として頻繁に利用しており、元ネイリスト(歴10年)で、マネージャーも経験しており、経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士を取得していることから、現場・顧客・経営者の3つの視点からの多角的なコンサルティングができることを強みとしています。

「なぜ、あなたはその仕事をしているの?」という質問に対して、明確に説明できることが重要で、その説明自体があなたの強みなのです。
私の元には、美容業を始めとするサービス業のクライアントからの依頼は舞い込みますが、その他のクライアントからお声がかかることはまずありません。
これこそが、ターゲットマーケティングの実践例です。

得意分野に絞り、特定のターゲット層を狙って、アプローチをしていく。そうすることで、特定分野で少しずつ実績を積み上げていく。

これこそが、フリーランスのマーケティング2.0です。


第4回予告 マーケティングの歴史に学ぶ"売りこまない"マーケティング③―マーケティング3.0

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