とあるリモートワーカーのつぶやき

July 31 2017

No.12 ぶっちゃけ対談「非エンジニア系の在宅勤務導入に立ちはだかる、3つの障壁とは?」

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これまで1年間続けてきた連載も今回で12回目になります。読んでくださった皆様、シェアしてくださった皆様、本当にありがとうございました。このたび私の勝手により、一旦連載は締めさせていただくことになりました。最終回ということもあり、今回は趣向を変えまして「在宅勤務の実態ぶっちゃけトーク」をしましたので、その内容を対談形式にてお送りいたします。

◆対談のお相手プロフィール◆

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飯田さん(仮名)

息子さんの出産を機に、社内第1号となる週3日の在宅勤務を取得。1年間在宅ワークを継続された後、フルタイム通勤に戻るも、今度は娘さんの誕生に合わせて社内第1号となる育休を取得された猛者。ご自身も人事業務に従事。

コミュニケーションで困るのは対社内よりむしろ対社外

クラタ:まず導入部分なんですが、飯田さんは前例がない中で在宅勤務を取得されたとのことで、どのように申請されたのでしょうか?

飯田:直属の上司に出産の予定を伝え、その時に「在宅ワークに切り替えたい」と、いきなり申請しました。実際に始める4ヶ月前くらいだったと思います。

クラタ:社内規程の追加項目(在宅勤務規程)とか、雇用契約の新たな策定などしてもらいました?

飯田:社内規程は特になく、新たに策定してもらうこともとくにありませんでした。なぜなら、上司から直に社長へ進言してもらい、OKをもらったからです。そういう社風でした...。

クラタ:トップダウンから攻めるとはなかなかアグレッシブですね! では社内データへのアクセスはどう切り替えました?

飯田:VPN接続で社内LANにアクセスしていました。会社グループ全体と、自社の都合2つのVPN接続を会社と自宅で設定しました。

クラタ:なるほど。そうなると、もとよりデスクワークはほとんどリモートでまかなえる環境にあったわけですね。社内の方とのコミュニケーションはメールでした? チャット?

飯田:他部署とはメール、同じ部署はチャット(Facebook)でした。小難しい質問とかになると、電話連絡もしましたよ。

クラタ:コミュニケーションをとるのに困ったことはありました?

飯田:例えば、外部から社会保険関連の入電があったときに、一度「飯田はただいま席を外しておりますので、折り返し電話をいたします」と対応してもらっていたことですかね。その後、入電内容はこれこれこうだから折り返してね、という取次ぎの連絡をもらうんですけど、社会保険とかがよくわかっていない人が取り次いでいるので、「なんの件だ!?」となることが、多かったです。

クラタ:それわかります! 逆に電話で社外の人と話してる時に「続いてで申し訳ないが〇〇さんに取り次いで欲しい」みたいなのもよくありますよね。「自宅だから繋げられるわけないだろう!」と内心思いつつごまかしますが、社外の人への事情説明ってちょっと困りますよね...。

飯田:例えば在宅ワークでも良さげな職種なら説明すればいいけど、人事のことを在宅にやらせるとあまり良ろしくないとする人もいるので、よわりました。

クラタ:なるほど、業務によっても心象が変わるんですね。確かにうちの会社でもクリエイティブ業務は在宅対応でも、クレーム対応だけ頑なに社内にいることを装ったりします(笑)。

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最大の導入障壁は職業倫理の違いから出る「ひがみ」

クラタ:他に、コミュニケーションなどで苦労したことなどありましたか?

飯田:人事権が絡んでくるところなんで、仲の悪かった人事部長には後々絡まれましたけどね...。勤務形態の変更なんで、本来なら、まず人事部長を通してなんぼですが、スタートでそれを無視していましたからね。(だって、そういう社風なんだもん。)そのせいで辛く当たられたり、脅されたりしていましたねぇ(*´ω`*)

クラタ:脅しとは?(;´Д`)

※クラタ注釈・お互い在宅勤務経験者らしくチャット対談をしております。なので顔文字が挟まります。

飯田:給与関係の業務を在宅でやってことがわかると、「お前もお縄だな!!」とか

クラタ:え?(゚o゚;; 法に抵触していたんですか?

飯田:いやいやいやいや(;'∀') たぶん、ただそれらしいことをいって、脅していただけだと思います。とにかく気に入らないから...

クラタ:在宅勤務は「通勤してこそ社会人」という感覚の方にはなかなか理解されづらいですよねえ。

飯田:たぶん、そこです。自分にはできないことをしているし、問題もなくやっていることをひがんでいたんだと思います。あと人事に関わることなので、社内LANには社員の個人情報が満載だったので、そこを危惧していたのかもしれないです。

クラタ:単純に社外秘を社外で取り扱っているから、データを持ち出しされたり不正をされるリスクが高いということでしょうか? ひどい言いがかりですね。それとも単純にVPN接続でも外部からの接続それ自体に不安があったとか?

飯田:その辺が、ご本人もよくわかってなかったんだと思います。PC関係にうといひとでしたから。他にもFacebookで社内情報の共有とか、日報報告とかやろう!!という感じだったんですけど、そのひとイマイチ使いきれていませんでしたねぇ。

クラタ:でも、在宅勤務で一番最初に乗り越えなきゃいけない導入障壁を、その方一人で体現されているような気もします。現実的に障壁になるのが「仕事は通勤してなんぼ」っていう社会全体の職業倫理と、「リモート業務に付随するシステムを理解するのが難しい」っていう社内からの反発、あとは「あいつだけ家でやっててずるい」みたいな被害妄想なんですよね。その3つです。

飯田:そうそう!!まさに、その3つでした。

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実は!在宅勤務の良いところは〇〇○してもバレないところ!?

クラタ:ちなみに在宅勤務にしてよかったところは?

飯田:一番はですね、息子のお世話が何かとできたことですねぇ。まだまだ小さかった息子をヒザに乗せながら、PCを叩いたりしていたもんです。そもそも、育児とそのサポート、妻のサポートを考えての在宅ワークだったので、目標はしっかり達成しております。

クラタ・注釈※ここで念のため補足をしておきますと、飯田さんは実は男性の方です!!!

その弊害で、子どもをかまってばかりいると仕事が進まずに、寝静まった深夜にも結構な割合で仕事をしていましたねぇ。一緒に昼寝をすることもありました...。これが、バレない、バレない。

クラタ:そうですね(笑) 私も2度ほど寝落ちしていたことがあります。ちょっとでも寝ると集中力が高まりますよね! ちなみに勤怠の管理のために会社に何か報告されてました?

飯田:勤怠の確認は、とくにありませんでした。完全に信用問題だった気がします。自分で言うのもなんですが、それまでの勤務態度がすごく真面目だったので、導入時も許可されましたし、導入後も期限通りにキチッと今まで通り仕事をこなしてきたので文句は言われませんでした。

でも勤怠を管理されていなかったので、もちろん残業代もつきません(>_<。) 一番大変だったのは、年末調整を挟んでいたところです。こっそり年末に持ち帰って入力作業をやって...大晦日に。なんとか年始の稼働に間に合わせました。

クラタ:うわーそれじゃ休みなしじゃないですか。やっぱり残業とか、あとお休みのところを勤務管理のためにはっきり会社に報告しておくことは重要ですね。真面目すぎると絶対に過労気味になりますよね。

飯田:当時の上司や同僚は、そこまでの時間も仕事をしているなんて、思ってもみなかったと思います。

クラタ:最後になりますが、在宅勤務の導入をお考えの方に何か伝えたいことがありましたら一言お願いします!

飯田:何事にも不安はつきものですが、まずはチャレンジしてみよう!!前例がなきゃ、作っちゃえ!!ですかねぇ(*´ω`*)

クラタ:全くの同感です! ありがとうございました。

おわりに〜全編のまとめに変えて〜

今回、あえて飯田さんの性別を途中まで伏せて掲載してみました。

プロフィールの「息子さんの出産を機に」「育休を取得」という箇所を見て、女性と思われた方も多かったのではないでしょうか? 「出産や育児に合わせて働き方を変えるのは女性の役割」という先入観がまだまだ強いことを体感してもらうために、今回このような形で掲載してみました。でもこの先の時代には、もっと働き方は多様になり、男性も女性もライフステージに合わせた仕事のやり方を自ら選択していけるようになる、という提言でもあります。

今回の取材を通して、私もまだまだ自分で在宅勤務のためにアクションできるところがあると強く感じさせられました。女性の働き方が多様になるのに、男性はそうならないのではいつまでも「働き方改革」なんて起こりえません。飯田さんは男性ながら育休を取られたり、育児世帯応援のための活動をされているのでぜひブログの方も覗いてみてくださいね!

◆こちらが本当のプロフィール◆

papanda-prof.jpgパパンダさん

娘(1歳)と息子(2歳)の年子を持つパパブロガーです。息子の誕生を機に『1年間の在宅勤務』に従事した後、娘の誕生に合わせて『1年間の育休』を取得。復職後、育休取得による不利益扱いを受け、思い切って会社を退職しました。現在は無職!(お仕事募集中です!)妻が統合失調症のため、サポートを兼ね積極的に育児参加をしています。

ブログ:パパンダの年子育児ライフ papanda-life.com twitter:パパンダ@はてなブログ @papanda_life

以上、在宅勤務の現場からお伝えしました。

末尾ながら、1年間掲載していただいたリズムーン関係者の皆様、読んでいただいた皆々様方、本当にありがとうございました。

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