難病フリーランサーの「生きる知恵袋」

August 02 2017

人生を充実させる一冊 『よく生き よく笑い よき死と出会う』

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こんにちは。ライターの江口たま(@ta_mocha)です。

かれこれ20年以上前の話になりますが、大学時代にアルフォンス・デーケン教授(上智大学名誉教授)の「死の哲学」という講義を受けたことがあります。講義の内容は、最愛の人が亡くなったときなどの「悲嘆のプロセス」(*)や、死を意識することで人生をより豊かに生きられる、というような人生哲学を学べるものだったと記憶しています。

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数年前、私の人生のなかで最も大切な人といえる先輩が30代の若さで病気で亡くなりました。同じ年、私自身(当時35歳)は自己免疫疾患の一つ高安動脈炎(指定難病)と診断され、突然死がありえると医師から告げられたときには、人生のどん底を味わいました。でも、その後、絶望や悲しみをなんとか乗り越え、再び自分の誇りを取り戻していくことができたのは、家族や周囲の協力もさることながら、この死への準備教育を多少なりとも受けていたおかげだと思っています。

*デーケン氏が提唱する「悲嘆(グリーフ)のプロセス」12段階

  1. 精神的打撃と麻痺状態
  2. 否認
  3. パニック
  4. 怒りと不当感
  5. 敵意とうらみ
  6. 罪意識
  7. 空想形成・幻想
  8. 孤独感と抑うつ
  9. 精神的混乱とアパシー(無関心)
  10. あきらめ―受容
  11. 新しい希望―ユーモアと笑いの再発見
  12. 立ち直りの段階―新しいアイデンティティの誕生

私自身、最愛の人の死からの立ち直りや、病気の受容において、まさにこのプロセスを経ました。自分がいまどの段階にいるのかを客観的にみることができたおかげで、時間はかかりましたが、着実に前に進んでいることを実感しながら、比較的スムーズにゴール(立ち直りの段階)にたどり着けたのだと思います。

人生のどん底にあった私を救ってくれた一冊

●アルフォンス・デーケン著『よく生き よく笑い よき死と出会う』

よく生き よく笑い よき死と出会う

デーケン氏の著書『よく生き よく笑い よき死と出会う』(新潮社刊)は、大切な人を亡くしたとき、自分自身が死に向かうとき、どうすればよいかのヒントを示してくれています。『死とどう向き合うか (NHKライブラリー)』とあわせて読むとより理解が深まるでしょう。

10代、20代の頃は、体力もあってムチャもきいて、「死」は他人事のようにしかとらえられなかったので、こういった本を読んでもいまいちピンときませんでしたが、私自身、大切な人の死や病気などさまざまな経験をして30代後半になって改めて読んでみると、いまさらながらに、名著だな、と思える一冊です。

時間の使い方や人との付き合い方を見直すきっかけにも

「死」を考えることは、すなわち「生」を考えることにつながります。限りある人生をどのように生きたいのか考えることで、やりたいこと(家族やパートナーとの時間、仕事、趣味など)の優先順位もハッキリ見えてきます。フリーランスの皆さんも、自らの時間の使い方や人との付き合い方などを見直すきっかけにもなるかもしれませんよ。ぜひ一度ご一読あれ。

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