編集・ライティング

November 06 2010

Vol.46 作詞家・ライター・広報ウーマンネット代表 伊藤緑さん

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Profile

愛知県出身。短大卒業後、銀行系ソフトウェア会社の人事部にて8年間勤務。28歳で上京し30歳で作詞家デビュー。並行してWeb制作やライターとして活動しながら、2001年に株式会社ケイ・ラボラトリー(現:KLab株式会社)に広報として入社。2004年9月に退社しフリーランスに。2006年には、広報ウーマンを繋ぐコミュニティを立ち上げ、作詞家、ライター、講師、広報ウーマンとして多彩に活躍中。

伊藤さんのプロフィールサイト
広報ウーマンネット

繰り返し上京し作詞家への道を拓く

vol46_1.jpg思わず「へえ!」と言ってしまうほど興味深い楽しい話題が次から次へと口から飛び出してくる伊藤緑さん。作詞家・ライター・広報ウーマンネット代表などさまざまな顔を持ち、アクティブに活動する彼女のフリーランスへの道は、"作詞家になりたい"という強い想いから始まった。

短大を卒業して地元名古屋で普通のOL生活をしていた伊藤さんは、25歳の時に網膜はく離を患う。「このままでは終われない。憧れの作詞家に絶対になりたい」と思った彼女は、東京のレコード会社に直接電話をかけて約束を取り付け、頻繁に上京しては書き溜めていた作品を持ち込んだ。

しばらくして、新人育成に力を入れているプロデューサーの目に留まり、約1年間、毎月指導をうけるチャンスに恵まれる。あるとき、「いつまで(今の会社で)仕事をするの?」と質問された伊藤さん。何も決まっていなかったが、反射的に「次の3月で辞めます」という言葉が出て、会社を辞めることを決断したという。こうして、会社での引継ぎが終わった翌年6月に、8年間勤めた会社を退職。ほとんどツテもコネもない、友だちもいない未知の土地、東京で、初めてのひとり暮らしをスタートさせた。

向上心を忘れず学び続け、様々なキャリアを重ねる

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1997年9月に作詞家としてデビューしてから、CHAGE、石嶺聡子、鈴木聖美などのアーティストや、吉野紗香などのアイドル、アニメ「テニスの王子様」やゲーム「THE IDOLM@STER」など、性別、年代、ジャンルを問わず、作詞を手がけている。

東京に来て間もなく、伊藤さんは作詞家事務所に所属する。3年半の在籍期間中に、作詞家としてCDデビューを果たし、火曜サスペンス劇場主題歌のカップリング曲に詞が採用されるなど、作詞家としてのキャリアを歩み始めた。しかし、現実は甘くはなかった。作詞家の収入だけでは生活は厳しく、平日昼間は派遣で働き、土日もアルバイトをかけもちするという極貧生活が続いた。「いい年した大人がする働き方じゃないですよね(笑)。でも、OL生活では経験できなかった新しい仕事ばかりで毎日が本当に楽しかったんですよ」。


バイタリティのある伊藤さんは、さらにHTMLやフォトショップなどIT系の技術をスクールに通って身につけ、Web制作会社でも働き始める。さらに「編集の学校」でライティングについて学び、ライターとしても仕事も請け負い始める。「Webのデザインができて文章も書けたら、食いっぱぐれがないかなあと思って(笑)」。

そんなある日、コンビニで立ち読みした就職情報誌で見つけた会社サイトの制作を担当したことがきっかけで、新たな肩書きがプラスされる。サイト制作が一段落した頃に、「広報」として働かないかと誘わたのだ。広報業務の経験はまったくなかったが、「おもしろそう!」とチャレンジすることにした伊藤さんが最初に手がけたのは、大規模な展示会の仕事。試行錯誤しながらも、イベントは大成功に終わり、伊藤さんは広報という仕事の面白さに目覚めていった。

広報の経験を生かし、活動の場とネットワークを広げる

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2006年11月の初めてのオフ会以後、東京で10回地方で5回開催。毎回さまざまな業種の広報ウーマンが集い、賑やかに情報交換したり交流を深めている。今後は広報ウーマンのための分科会など、いろいろな方向に内容を広げる予定とのこと。

広報ウーマンとして、終電まで働くのも苦にならない、楽しくて充実した毎日を送っていた伊藤さんだったが、音楽の専門学校で講師を始めたのをきっかけに、3年半勤めた会社を退職してフリーランスに。会社員時代も続けていた作詞やライター業をメインに活動を広げていった。また、広報担当者向け専門誌「PRIR(現・広報会議)」で3年半に渡ってライティングを担当し、数多くの広報ウーマンに出会ったことで「広報ウーマンを繋ぐコミュニティをつくりたい」と真剣に考えるようになった。


そして、2006年1月にmixi内に広報に関わる女性のためコミュニティ「広報ウーマン集まれ!」を作り、各地でオフ会を開催。これが「広報ウーマンネット」を2009年5月に立ち上げる原動力となる。「広報ウーマンネット」は、現在、4ヶ月に1度、広報ウーマンミーティングを開催し、ご縁ができた広報ウーマンは、約1300人という規模のコミュニティにまで成長した。「異業種、同職種、同性という共通点を持つ女性たちが、何の縛りもない緩い集まりの中で繋がれるのが魅力なのかも」。

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取材場所近くで偶然見つけ、立ち寄った神社「氷川神社」にて。

今後は、「作詞家やライターを続けながら、広報ウーマンのための活動をさらに広げていきたい」と語る伊藤さん。広報ウーマン向けの本を出版したり、広報ウーマンのスキルアップセミナーも企画していく予定だ。「その時にやりたいことをやる」伊藤さんは、これからも何足ものわらじを履き、幅広い人脈を活かして新しい挑戦を続けていくことだろう。しかし、本業は「作詞家」という気持ちは今も変わらない。アーティストのリリックプロデュースや、彼らを売り出すためのPR戦略にも今後、力を入れていきたいと語っている。

伊藤さんのお仕事道具

vol46_5.jpgアポイントのすきま時間に、カフェでパソコン仕事。歌詞に使えそうなよいフレーズを思いついたときにさっとメモできるようにノートと筆記用具は欠かさず持ち歩きます。頼まれたことを忘れないように、携帯から自分のPC宛に頻繁にメールを送っています。

おすすめイベントのお知らせ

2010年11月21日(日)エレガンス ステップアップ ランチセミナー@オテル・ドゥ・ミクニ

年末は、クリスマスなどの行事も多く、公式の場での食事の機会も増えます。そんなとき、よりエレガントに食事ができたなら。本格フレンチを楽しんでいただきながら、講師のマダム由美子さんから、テーブルマナーのレクチャーをしていただきます。
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ある一日のスケジュール

04:30 起床。歯磨きして水を飲んだら、即仕事開始
07:00 朝食。前日に録画したドラマなどを観る
07:30 原稿執筆
12:00 広報ウーマンとのランチミーティング
14:00 取材や打合せ
16:00 PR商品の受け渡し
17:00 編集部訪問
18:30 アーティストのレコーディング立ち会い
21:00 記者との交流
24:00 帰宅。就寝

ピンチもこれがあればOK!私の最終兵器はコレ

神社にいくことで、気持ちを穏やかにしています。お気に入りは島根県出雲市にある日御碕神社です。神社を愛する女子のためのコミュニティ「神楽女会」を友人と主催しています。

Q&A - 自分スタイルの働き方を実現するための5つの質問

専門の学校でライティングを学ぶメリットは?
ライターは未経験だとなかなか仕事をもらえませんが、学校に通うことで人脈を広げたり、最初の仕事を請け負うチャンスにつながることがあります。私が通った「編集の学校」は20人程度の少人数制で講師との距離が近かったんです。途中で挫折してしまう方も多かったですが、在学中に学校や講師から仕事を依頼されるケースも多く、最後まで通えば、大体はライターへの道が開けると思いますよ。
本業と広報ウーマンネット、バランスの取り方はどうしていますか?
以前は朝起きて「今日は何やるんだっけ?」と呆然とすることが多かったんですが、最近はそれが楽しくなってきました。今日は専門学校だ、ライターだ、PRだ、広報ウーマンネットのイベントだ、といった感じで楽しみながら仕事しています。何か1つに絞るのではなく、いろいろな顔で仕事できているのが私らしくていいですね。目指すは、リリーフランキーさんのように多才でマルチに活躍する作詞家。いつか小説も書いてみたいですね。
営業を行うコツは?
私は常に自分から仕事を取りにいく派。取材で出会った編集者に「私も記事書きます、仕事ください」とアピールしたり、正社員を募集していた会社の仕事内容がフリーでもできそうだったので、交渉してフリーランス契約をさせてもらったり。今日も熱いPR文を2社にメールして来たので、あとから電話でプッシュするつもりです。自分が関わっているPRの仕事のカタログはいつもたくさん持ち歩いていて、すぐに渡せるようにしています。
枠にはまらない、自由な働き方をするために、まず何をしたらいいでしょうか?
まずは、自分が好きなものや得意なものを探して、仕事でなくても着手すること。私は、「自分の好きなこと以外はしていない」という自信があります。そして頭で考えていても手を動かさないと上達しないので、とにかくやってみてください。最初はお金にならなくても、喜ばれることはやる。あとは、自分にルールを決めて、それを貫くことも大切です。そうすると次第に自分に自信が持てて、自ずと自由になれるはずです。
フリーランスを目指す人へのメッセージ
つねに自分から仕掛けましょう。欲しい仕事は取りに行き、いろいろな種をまいておいてください。「こういうことができます」とアピールすることで仕事につながります。あと、明日のことを心配しすぎないように楽観的であることも大切です。そして「責任を取る」覚悟も必要ですね。また、どうしてもダメなら田舎に帰ったり、地道に働く道を選ぶことも私にはできると思って、自分を鼓舞しすぎない。フリーランスは仕事に波があるので、動けなくなった時にどれだけ自分をフォローできるか、逃げ道を作れるかも大事です。

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