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March 12 2013

Vol.84 「Fabfive」ショップオーナー 川原直実さん

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Profile

1982年生まれ。大学では環境デザインを専攻。卒業後の2004年に上京し、Webデザイナーやアートディレクターを経て、2011年11月にオンラインセレクトショップ「Fabfive(ファブファイブ)」をオープン。ユニークなセレクトで独特の世界観を発信するオンリーワンガールズデパートとして、コアなファンを獲得し続けている。

川原直実さんのサイト
「Fabfive」

母の病気がきっかけで、30歳を目前に独立を決意

vol84_1.jpgはっと目を引くヴィヴィッドカラーとパンチの効いたデザインのアイテムが揃うオンラインセレクトショップ「Fabfive(ファブファイブ)」。「洋服はブランドで選ぶのではなく、星の数ほどある中から掻い摘んでイイトコ取りして着るのが本当の贅沢だと思う」。そう話すのはショップオーナーの川原直実さん。オープン1年あまりだが、facebook、twitter、instagram、tumblrなどのSNSをフル活用して着実にファン数を増やしている。

大学卒業後に上京し、Webデザイナーやアートディレクターの仕事を軸にしながら、靴のデザイン学校に通ったり、旅行に出かけたりと興味のあることには迷わず挑戦する20代を過ごしていた川原さん。それなりに充実した日々を送りながらも、商業デザイナーとしての将来を考えると、いつもどこかで「30歳までにWebではない何かをみつけなければ......」と思っていたそう。そんな当時の川原さんの心を虜にしたのが、仕事から帰ったあとのネットショッピングだった。アメリカやイギリス、スウェーデン、ドイツなどいろいろな国のサイトをチェックしては、街で見かけないようなユニークなアイテムを求めて夜な夜なショッピングを楽しんでいた。その後、仕事でEコマースのサイト立ち上げに参加した川原さんは、次第に、自分の情熱を注げるファッション分野でなにかサイトを立ちあげられないかと考えるように。でもその時は、自信がなくてなかなか一歩を踏み出せなかったそう。

転機となったのは、地元福岡県に住む母の病気だった。会社に勤めながら東京ー福岡を頻繁に往復する日々。今の働き方では、自分のカラダが持たなくなる......。そんな心境を現在のビジネスパートナーでもあり、日頃独立の夢を聞いてもらっていた元上司に相談したところ、「やるなら今じゃない」とアドバイスが。
一晩悩みに悩んだ川原さんは、会社を辞めて自分で事業を始めること、そして母を福岡から呼び寄せて東京で一緒に暮らすことを決意。すぐさま、オンラインセレクトショップ開設に向けて動き始めた。

商品100点を集め、1か月後にはサイトをオープン

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商品買い付け時の様子

「とにかく商品を100点集めてすぐにショップを立ち上げよう」 川原さんはネットのほか、休みを利用して2泊4日でNYへ買い付けにも出かけ100アイテムを揃えると、すぐにサイト制作を開始。約1ヶ月後の2011年11月初旬に「Fabfive」をオープンさせた。


Webマーケティングに詳しいビジネスパートナーと戦略を練り、まっ先に取り組んだのは集客だった。fcebookはもちろん、twitter、Instagram、tumblrなどのSNSを活用し、オープン後3〜4ヶ月はリスティング広告予算を多めにとって潜在顧客へのアプローチに注力した。さらに、Google Analyticsを活用して訪問数が多い時間帯、曜日を細かく分析。顧客のライフスタイルに合わせたタイミングでSNSやブログで情報を発信したり、メルマガを発行するなど、戦略的に各種ツールやSNSを活用したマーケティングを実施して、仮説・検証を繰り返しながら確実に売上を伸ばしてきた。

今では、facebookページは7000人(*)を超えるファンが集まっている現状について、「いいね!数が多くても意味がない。実際に購入してくれるユーザーにいかにアプローチするかをつねに考えています」と川原さんは話す。そのためにも川原さんは、「Fabfive」のfacebookやinstagramを訪れるユーザーのファッションのテイストやライフスタイルの傾向を分析して、商品の仕入れなどに役立てているという。
*2013年2月現在

ゆくゆくは、オリジナルブランドも販売する夢も!

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ファンタジーなクロスのイラストがキュート! ウエストのサイドに切れ込みが入ったUNIFのドレス。 ¥15,320

2年目に突入した「Fabfive」には今、昨年夏に買い付けたアイテムが続々と入荷中だ。最近は、ファッション誌で活躍するスタイリストの目に留まり、出版社から掲載依頼も増えてきているそう。

「セレクトがニッチであること、そしてターゲティングがしっかりできていることでFabfiveの世界観を明確に打ち出すことができているのだと思います。数多あるセレクトショップの"One of them"にはなりたくないんです。今後も、まだ世に出ていないインディペンデントなデザイナーを発掘して紹介したり、ゆくゆくはオリジナルブランドをプロデュースして海外にも発信したりしていきたい。自身のWeb業界での経験をいかして、これまでにはない新しいECショップのカタチも模索していけたらと思っています」

誰でもすぐにお店が作れて、SNSを使ってお客様とダイレクトにコミュニケーションができる今。それは、昔に比べて「自分の店を持つこと」はハードルが低くなった一方で、しっかりと売上をあげて成功するためには、「商品の差別化」と「リピート顧客獲得」のための徹底したマーケティング戦略とクオリティコントロールがより求められる厳しい時代になりつつあるということ。華やかなショップの裏側で、そうした地道な努力をコツコツと積み重ねながら、Fabfiveは2度目のS/Sに向けて今まさにピッチを上げ始めたところだ。

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川原さんのお仕事道具を拝見!

「黒やゴールド、レザーアイテムが大好き。メジャーは洋服の採寸のため必須アイテムです」

ある一日のスケジュール

09:00 起床。メールチェック等
11:00 母とスポーツジムへ。週2〜3回は通っている
13:00 ランチ
15:00 出社。検品、在庫管理、撮影、メルマガ作成、掲載用画像加工など
17:00 発送作業
19:00 帰宅後、夕食
20:00 仕事再開
21:00 SNS投稿、ブログ更新、メール対応など
24:00 海外対応、顧客対応、サイト改善業務など
01:30 お風呂に入りながら市場調査
03:00 就寝

ピンチもこれがあればOK!私の最終兵器はコレ

愛犬と母が作ったごはん。帰宅後に癒されて、夜の第二ラウンドに向けて頑張るぞー!という気持ちになります。

Q&A - 自分スタイルの働き方を実現するための5つの質問

今の仕事でやりがいを感じる瞬間は?
これまでの仕事では、Webサイトを利用するお客様との接点があまりなかったので、クレーム対応も含めてお客様と直接コミュニケーションを取れることが新鮮でおもしろいですね。
独立して変わったことは?
同居している母が家事全般を担って全面的に応援、サポートしてくれているので、仕事に集中することができます。ありがたいですね。
市場調査はどのようにしている?
バスタイムの必需品は、ジップロックに入れたiPhone。湯船に浸かりながら海外のファッションサイトをチェックしています。「世の中にはないものを発掘する」がFabfiveのコンセプトなので、本当はこの時間をもっと取れるといいなと思っているのですが......。
夢に近づくために定期的に行なっていることは?
仕事と個人的な目標を含めた3年間のライフプランを書き続けています。昔から計画を立てるのは好きなんです。計画通りにいかないことも多いですが、定期的に見直して軌道修正しています。
自分の店を持つことを考えている方へのメッセージ
やりたいことがあって、イマイチ一歩踏み出せないのであれば、やりたいことを盛り込んだライフプランをまず立ててみることをおすすめします。そうすれば、今まずやるべきことが何か、見えてくると思います。

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