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March 18 2016

平和の国コスタリカに行き着くまで〜平和環境活動家・丹羽順子さんインタビュー前編

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約2年前、リズムーンのインタビューにご登場いただいた平和環境活動家の丹羽順子さんは、現在、地球の裏側にある中米の国・コスタリカで9歳になる娘さんと一緒に暮らしています。昨年10月、一時帰国中の丹羽さんにお会いして、日本を出てからコスタリカに行き着くまでの旅のこと、今関心を寄せているスピリチュアル・セクシャリティのことについてお聞きしました。前編と後編に分けてお届けします。(聞き手:編集長・オノリナ)

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Profile

旅する平和環境活動家。2014年より、一人娘とコスタリカ在住。自然と調和した昔ながらの暮らしを求めて世界中を旅する以前は、日本の鎌倉市に滞在し、環境・社会・地域の課題に関する執筆、ラジオ番組のナビゲーター、司会などをつとめていた。現在は、ワイルドな大自然のサバイバル生活を味わいながら、小学校の授業「地球市民」の教師、ヨガや瞑想のガイドなどをつとめる。著書に『「小さいことは美しい」 シンプルな暮らし実践法』(扶桑社)がある。

前回インタビューしたのは2012年の春。まもなく旅に出る話をされていた頃でした。改めて、その時の心境を教えていただけますか。

旅するように暮らそうと思ったきっかけは、やはり東日本大震災です。「人生一度きりですし、納得のいく生活を送れる場所を地球上で探そう」、そう思って日本を離れることにしました。

はじめに向かったのは、タイ北部にあるタコメパイというパーマカルチャーコミュニティでした。電気や水道、ガスがないような土地で約2年間暮らし、食べ物の育て方、自然素材での家の作り方、森の作り方など、どこにいてもすぐに実践できる自然とともに生きるさまざまなスキルを学びました。

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エコビレッジにダムを作っているところ

そこから現在のコスタリカに移られたのはどうして?

娘が6歳になって学校をどうしようかなと考え始めたのがきっかけです。タコメパイには子どもは娘しかいなかったので、そこで新しく学校をつくるか、それとも理想の学校を求めてほかに移るかしかなかった。そんなときに友人から「kokoちゃん(丹羽さんの愛称)には、コスタリカとか合ってるんじゃない?」とすすめられて。

すぐに調べてみると、「軍隊がない平和な国」「生物多様性が世界一」「GDPは66位だけど世界で一番幸せな人たちが暮らす国」というような気になるキーワードがぱっと入ってきて。おまけに、ぜひ娘に通わせたいと思うようなモンテッソーリの小学校も見つかりました。幸い、私の両親はまだ健全ですし、好き勝手できるのもあと10年くらいかもしれない。だったら世界を知るという意味では、これまでとは違った文化圏に行ってみるのもおもしろいかも!と思って、半ばノリで決めちゃいました(笑)。

実際、コスタリカに行ってみてどうだったんですか?

当初は、理想としていた暮らしとはちょっと違っていました。まず、思っていたよりも物価が高かった。あとアメリカナイズされていました。私はそれまで、農的な暮らしをして資本主義からはできるだけ離れた生活を送りたいと頑張ってきました。でも、コスタリカにはそうした暮らしをしている人があまりいなかったんです。また、タイにいたときのように、日本に一時帰国して仕事をして収入を得る、ということが簡単にできなくなるので、お金と真剣に向き合うようになったのもこの頃からかもしれません。

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コスタリカの大自然

なるほど。現在はどういった仕事で収入を得ているのですか?

月3万ビジネスをいくつか掛け合わせています。たとえば、ヨガ・瞑想のガイドをしたり、小学校で「地球市民」という授業を教えたり、「KOMBUCHA(コンブチャ)」という発酵ドリンクや寿司を作ってマーケットで売ったりもしています。日本向けの書く仕事も少しありますが、前よりはだいぶ少なくなりました。得た収入の3分の1は娘の学費となり、そのほか家賃、食費、車・ガソリン代を払うと本当に毎月トントンな感じです。それなりに大変ですし、決して余裕はありませんが、好きなことができているので今の暮らしには満足しています。

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「地球市民」の授業の中で、子どもたちに、工具の使い方やバイオダイナミック農法のイロハを教えているところ。

お金への不安はありませんか?

お金に関しては、私には2つ信条があるんです。まず困ったら、収入を増やすことではなく、支出を減らすことを考えること。そして、困ったときこそ好きな仕事しかしない、ということです。とくに仕事で迷ったときには「自分はなにをしたいのか、何のために生まれてきたのか」というミッションにまで立ち返って考えます。この世の中は、お金に支配されすぎているんです。もちろんお金は大事ですが、付き合うのは必要最小限にしています。

今住んでいるところはどのようなところですか?

首都サンホゼからバスで5時間のところにあるノサラという田舎町です。今にも恐竜が出てきそうなジャングルの中で暮らしています。自然のほかには何もないところですが、それが当たり前だからこそ日々の暮らしに工夫が生まれ、深い感謝と思いやりの気持ちが芽生えます

そして、大自然の中で生活していると、人間の本能が呼び覚まされるような感覚があります。私がガイドをつとめるヨガや瞑想のクラスで必ず唱えているマントラに、「Peace Comes From Me(平和はここから、私から)」というものがあります。一人ひとりの内に秘めている平和の心を呼び覚ますためのおまじないです。外からの刺激をシャットアウトして、内なる自分とじっくりと向きあうことで、自分が本当にやりたいことや大切にしたいことが湧き上がってくるのがわかります。

そうしたコスタリカでの生活の中で気づき、丹羽さんがいま真剣に取り組んでいきたいというテーマが「女性性」「セックス」なのだそう。後編では、最近出版された『"深い愛に気づく"女性のためのヒーリング』の制作秘話についてお聞きしていきます。

(後編は、3月23日(水)更新予定です)

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