Vol.05 確定申告に向けての注意点をおさらい!(2/3) 震災特例法・寄付金控除をチェック!

震災特例法による申告や寄付金控除も要チェック!

編:昨年は、東日本大震災があった年でもありました。震災関連の申告で気をつけておくポイントはありますか?

ヤ:被災した方々に対しては、それまでと同じ税制を適用するのはふさわしくないという国税庁の方針で、さまざまな特例が設けられています。所得控除の「雑損控除」もそのひとつです。具体的には、以下の2つが挙げられます。

  1. 住宅や家財の損失の雑損控除は、平成22年度所得での適応が可能
  2. 繰越可能期間を現行の3年から5年に変更できる
  3. リストです

1)は、平成22年度の確定申告をすでに終えている人も、さかのぼって雑損控除を追加で計算に入れることができるというものです。計算の結果、税金が戻ることになった場合には「更正の請求」という届出を税務署に提出することになります。

2)は、損害が大きすぎて雑損控除が使い切れない場合は、翌年以降5年目まで繰り越して控除することができるというものです。

詳しくは、下記の国税庁のサイトを参考にしてみてください。

被災者の雑損控除、災害減免の特例等について(国税庁のページへ)

編:被災地へ寄付をされた方も多かったと思うのですが、そのあたりは「寄付金控除」と関連してくるのでしょうか?

ヤ:はい。日本赤十社に東日本大震災義援金を寄付した方は、支払った寄付金から2000円引いた額を所得から控除することができます。振り込み用紙の半券やATMのご利用明細票、インターネットバンキングの確認画面を印刷したものなどを「免税証明書」として提出する必要がありますので用意しておくとよいでしょう。

東日本大震災義援金の確定申告について(日本赤十字社のサイトへ)

「ふるさと納税」を利用して賢く節税する方法もあり!

編:先日、「ふるさと納税」を利用して寄付すると控除対象になるという話を耳にしたのですが、これはどんな制度なんですか?

オ:「ふるさと納税」とは、自分が翌年払う予定の住民税を、自分が支援したい都道府県や市町村に寄付することができる制度です。震災後、この制度が注目を集めています。

編:それはなぜですか?

ヤ:被災地支援のために義援金などを公的な機関に送った場合、配分の基準を検討したり、各機関の承認を得なければいけないため、届くまでに時間がかかってしまうことがあるそうですが、「ふるさと納税」を使うと、支援したい地域にダイレクトにお金を届けることができます

さらに、寄附した金額から5000円を差し引いた全額を、「所得税+住民税」から控除することができます(ただし住民税所得割の1割が上限)。支援したい地域にダイレクトに自分のお金が届いて、しかも節税になるという一石二鳥の制度なのです。自治体によっては地域の特産品などをもらえることもあるそうですよ。

編:へえ、そんな制度があったんですね。利用を検討してみようかな。

オ:「ふるさと納税」の申込方法は自治体によって異なるので、支援したい自治体のサイトなどで詳しく調べてみましょう。支払い後、発行してもらった領収書を添付し、その年の確定申告で所得税の控除を受けます。確定申告をすると自動的に控除額が住民税からも差し引かれるので、控除後の金額を納税することになります。

来年の住民税額がどれくらいになるのかがだいたいわかりそうな場合、その1割程度の金額を寄付した場合に控除率が最も高くなるようです。所得や控除金額の合計がわかっている場合は、「税金控除額シュミレーター」というサイトで全額控除される寄付金の上限額を調べることができます。

編:東北・茨城の「ふるさと納税」ができる自治体をまとめたページをみつけました。こちらも参考になりそうですね。


「23年度の確定申告に向けての注意点(1/3)ー所得控除」はこちら
「23年度の確定申告に向けての注意点(3/3)ー消費税免税の要件」はこちら

回答者プロフィール

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(左)今瀬ヤスオさん
1948年茨城県水戸市生まれ。個人事業主向け記帳代行サービス「記帳ドットコム」を運営する「リバティハウス株式会社」代表取締役。創業以来約20年間、記帳代行と各種相談でのべ3000人以上の個人事業主の確定申告をサポートしてきた実績を持つ。30歳で負債30億の倒産を経験。再建会社でしか経験できない特異な体験を生かし、悩める個人事業主の相談役としても活躍中。

(右)今瀬オサムさん
1979年茨城県水戸市生まれ。早稲田大学商学部卒。「リバティハウス株式会社」取締役。2004年より、「記帳ドットコム」のWebマスターとして、リバティハウスのホームページ企画・制作に携わる。

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