第2回 中島知子問題とお金(前編)

今は少し落ち着いていますが、最近の「女の人とお金」のトピックといえば、オセロ中島知子家賃滞納問題でしょう。人気芸人の凋落、占い師による洗脳、ろう城生活からの奪回など、ゴシップ的な面白さに目が行きがちな話題ではありますが、何がいちばん問題って「家賃滞納」それに尽きるのではないでしょうか。不倫したり失恋したり、何かにすがったり激太りしたり、そんな個人的なことよりも、「なぜ家賃を払えなくなってしまったのか」というのが見るべきポイントだと思います。

まずは報道などから彼女の経歴をたどってみます。

1993年にオセロ結成後順調に仕事を増やし、女優に司会にと活躍していたころ、年収が「5000万~7500万あったらしい」「2007年の年収は4500万円」、貯蓄は「1億円ほどあったとされる」との記事がありました。人気タレントさんだとそれくらいが妥当な金額なのかもしれませんね。
例の渋谷のマンションに住み始めたのが2005年からとのことなので、収入もいちばん高かった頃なのでしょう。家賃は自宅65万円、個人事務所が45万円、計月110万円。収入に対する比率を計算すると、年収5000万円として月収約420万円、住居費は26%となりました。

一般的に"住居費は収入の25%以内"というから余裕があるってほどじゃないけどまあ許容範囲内? 個人事務所は経費になるから節税対策になるし。なんーて理論がもしかしたら一般的な考えなのかもしれません。が、その一般論、全然一般的じゃないと思います。住む方にとっては。

収入の25%の賃料って、住宅を貸す方が、賃貸料を滞納されないための目安ではないでしょうかね。払う方が25%神話にとらわれてしまうと、収入が上がったらそれだけ高い賃料の住宅に住んでもいいような気になってしまいます。月収20万円のときは5万円のワンルーム、30万になったら7万5千円の1DK、結婚して収入2倍になったぞ、わーい広々3LDK......と、広い家に住み替えていくのもまあ楽しいでしょう。だけどその後出産で休職して収入半減となったとき、家も一つ前の1DKに戻れるでしょうか。あるいはフリーランスで大きな仕事を受けていきなり収入がアップ、この収入なら家を出て憧れの街に住める、と都心の部屋を借りたら不況で仕事が激減......おお怖い。でも家賃を払えなければ実家に戻るしかありません。

賃貸住宅でのくらしは、家賃を払い続けるのが前提の生活スタイル。その生活をしたいなら、今年も来年も5年後も、家賃を払い続けられる収入を確保していかなければならないわけです。そう考えると、収入の割合から家賃を割り出すのはヤバい、という勘も働くというものではないでしょうか。特にフリーだと収入が不安定だからなおさら。「フリーランスの健全な家賃の考え方って?」とリズムーンさんにも質問されたけど、確かにどんなマネー本でもフリーランスなんて全く相手にされてませんからね、ここはなんとか自分たちでひねり出すしかありません。(後編へ続く

独断的「わたしとお金」本棚-2

『紫色の場所』 林真理子 (角川文庫/初版1985年)

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80年代半ばスタイリストのヒロミが、野心を持ちつつ不安も抱えている時に出会った新興宗教。幸福を約束する言葉に惹かれ、どっぷりはまっていく心理の過程が興味深い。「私はふつうの人よりも嫉妬深く、そして欲張りな人間だ。けれど決して悪い人間ではないのだ」と自己分析しながらお金を落としていく。中沢新一が解説でスピリチュアルなものについて「先端的ナウの業界に渦巻いている感性的なドロ沼」と表現しているのが言い得て妙ですね。

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Rhythmoon編集部

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