第2回 中島知子問題とお金(後編)

前回に引き続き、「フリーランスの健全な家賃の考え方」について考えていきます。

収入が一定じゃないのに、家賃は毎月同じ。どこかで見たような......そう、「出て行くお金はバッラバラなのに、お給料は毎月同じ」「リボー!」のCMですね。収入はバッラバラなのに家賃は同じという、いわば逆リボ状態(なのか)。買物ならリボ払いで借金すればいいけど(よくないです!それはまた別の機会に、家賃は払えなくても誰も貸してくれません。それならば、自分がカード会社になったつもりで資産を貯めておき、いざとなったら自分に貸してあげる、という考えを持ってはどうでしょう

たとえば家賃が8万円だとします。毎月2万円貯金すれば、4ヶ月後に1ヶ月分の家賃が貯まりますよね。収入が上下しても貯蓄額を変えず、貯まった分からは家賃補充以外には手を付けない。すぐに足りなくなって引き出すはめになったら家賃の割合が高すぎるし、1年何ごともなく貯められればとりあえず当面の危機には備えられるバランス、といえるのでは。そもそも貯金ができないのならもはや危険信号、安いところに引っ越すくらいの自己防衛が必要ではないでしょうか。
 
収入が途絶えて家賃が払えなくなれば当然催促され、それでもだめなら契約解除を求められます。中島さんは2011年8月から個人事務所と自宅の家賃を滞納、事務所の方は12月に滞納家賃の支払と立ち退きを求める訴訟を起こされ敗訴となりました。ふーん、家賃払わなくても半年くらいいられるのか、と思ってしまいますが、訴訟は最終手段で、1日でも滞納したら契約違反です。参考までに以前部屋を借りたときの契約書を見てみました。「契約の解除・消滅」の項にはこうあります。

乙(借主)において次のいずれかの事由が生じた場合、甲(貸主)は、何ら通知、催告を要せず即時本契約を解除することができる。
一. 賃料、管理・共益費等を支払わない場合 (以下略)

即刻放り出す権利が、大家さんにはあるわけですね。ひぇ〜。通常は、手紙や電話による家賃支払い通知→配達証明付の督促状・内容証明郵便の送付→契約解除→明渡請求訴訟、そして強制執行となります。延滞金は、契約に特段の定め(約定利率)が定められていない場合には、法定利率(年五分、同法四〇四条)となるとのこと。このへんは契約書にきっちり書かれておらずいかようにも解釈できるのも、よいような怖いような。自宅の家主モッくんが訴訟を取り下げたり、滞納分の支払は復帰後でもいいという発言も、あながち特殊なケースではないのかもしれません。

ひととおりの情報を持っているつもりでも、生活の基本である住まいのお金について私たちは意外と無頓着です。生きる意味や、信念やスピリチュアルなものが「家賃を払うこと」より優先するというのも、誰でも陥るかもしれません。でもその結果待っているのがお金のダメージかもしれない、ということを気にしていたいと思うのです。

独断的「わたしとお金」本棚-3


『エコノミカル・パレス』角田光代(講談社文庫/初版2002年)

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好景気の日本を飛び出してアジアを放浪して、帰ってきたら不況で職がない30代半ばのカップル。男は仕事や社会に文句を言い家でゴロゴロし、女は雑文ライターとアルバイトを掛け持ちし、スーパーをはしごして節約。なぜこうなってしまったのか、本人達の無意識さをも淡々と描いています。お金がないことにいら立ち、どんどん負の連鎖にはまっていきますが、その落ち方が容赦なく、収束もせず、残るのは嫌な読後感。でもそこがとてもリアルです。

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Rhythmoon編集部

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