第5回 増税カレンダーと私のお金 その1

お暑うございます。大飯原発再稼動に消費税増税、国会周辺も暑い夏です。

それにしても、反対票を投じて民主党を飛び出した小沢一派の新党名、「国民の生活が第一」って、何。標語? 文章?
民主党のマニフェストのキャッチコピーらしいですが、話題性があればそれでいいのか、みたいなマイナス感情しかわきませんけど。大体「国民」て、誰なんでしょう。富裕層も、ワーキングプアも、みんな国民。誰の生活を第一にするのか。いや、国会議員も国民だから、自分を第一にしたいって話かも。それとも「生活が第一」ってことだから福祉を超充実させるために経済は二の次で法人税をバンバン上げるのかな? などムダに妄想してますます暑苦しくなってしまいましたよ。

まったく政治に振り回されて頭に来る、暮らしはどうなるんだ、増税反対!社会保障制度改悪反対!と、何もかにもノーと言いたくなるのが人情ではあります。ネットで最近、いつ何の税が上がるのかを表にした「増税カレンダー」なるものが出回っていますけど、これに熱く反応した人も多いでしょう。確かに今後3年ほどのあいだに、税率アップや控除の廃止が続いています。こんなんじゃ暮らせない、キィーッとなりそうだけど、ちょっとここは落ち着いてよく見てみると、実は見た目ほど怖いものじゃない、てのが私の感想です。

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現代ビジネスのサイトより転載

まず、「児童手当に所得制限」。これは民主党マニフェストで、「所得制限なし、月2万6000円支給」といわれてた元「子ども手当」ですが、2010年1万3000円で開始、2011年10月に1万円になり、この4月から所得制限ありの月1万円になった、というのがざっくりとした概要です。当初の子ども手当からすると激減には見えますが、それ以前の「旧児童手当」と比べると、あながち下がってはいないんですよね。「旧児童手当」は、3歳未満1万円、小学生まで5千円、中学生はなしでしたが、新児童手当は3歳未満1万5千円、中学生まで1万円と、金額も期間も増えています。

新旧児童手当・子ども手当の制度比較

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所得制限は、旧は860万円程度、新は960万円程度で、上がったとはいえ年収ハードルは低いです。しかも年収は世帯合算じゃなく、どちらか高い方なので、例えば共働きでそれぞれ年収900万円という人でももらえるわけです。これを不公平だという考えもあるみたいですが、わたしは世帯年収の考え方自体がいろんな問題を生んでいると思う派。例えば配偶者控除とか、3号年金とか、女性の貧困、とかね。またそれは別の機会にじっくりと。

さて次は、この6月から施行され、多くの子だくさんファミリーが震撼した「年少扶養控除の廃止」です。16歳未満1人につき33万円の控除がなくなり、子ども1人につき年3万3千円の増税になる計算です。これは「子ども手当」とバーターで決定したはずなので、手当が下がってるのに予定通り廃止というのは確かにズルい、といえるかもしれません。ただしこれも、年収によって影響の差はあって、概ね500万円以下だと手取り収入はプラスになるという試算もありました。

旧児童手当と比較した、新児童手当の下での家計の手取り収入の変化

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この試算も「夫婦のうちいずれかが働き、子どもが一人いる世帯」となっているけど、共働きで所得制限にかからなければ児童手当も入るので、打撃は少なくなるはず。標準モデルに惑わされず、夫婦で収入分散というのが節税対策にもなるってわけです。

こんなふうに見ていくと、国の制度とか税金とかって、経済的な視点からだけじゃなく、思想的なことが孕んでいるな、と思います。法案作ってるのはだいたい中高年男性、まあいわゆるマッチョな発想ですよね。そのへんもふまえつつ、今後の税保改革カレンダーを見ていくことにしましょう。

Rhythmoon編集部

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