超簡単な申告の仕方 後編

「超簡単な申告の仕方 前編」でご紹介した領収書を保存しはじめ、事業用の預金通帳を作ったら、次に用意するのは「現金出納帳」です。内容はお小遣い帳とまるっきり同じものをイメージしてください。

3.現金出納帳と預金出納帳をつける

ネットで検索すれば、さまざまな現金出納帳をダウンロードすることができますが、私がおススメするのは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供しているフリーソフトです。

ここの「簡単な現金出納帳」を使ってみてください。
このソフトの便利なところはお小遣い帳と同じ要領で、現金の出入りを記帳していくと、勘定科目(経費などの項目)ごとにまとめてくれるところです。このソフトは1ケ月ごとに別シートを作成することを前提としていますが、小規模な事業を運営されている方ならば、1つのシートに1年分を入力すればよいでしょう。
また、現金とは別に、預金の出入りも、このソフトで別のファイルを作成して作成するとよいでしょう。このソフトの詳しい使い方はシートの中の説明や、独立行政法人中小企業基盤整備機構のサイトをご覧ください。

この集計結果をまとめれば、白色決算書に添付する収支内訳書、もしくは青色決算書(10万円控除)に添付する青色申告決算書は簡単に作成できると思います。

<収支内訳書のサンプル>

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※この画像を印刷して申告に使用することはできません

4.問題はすぐに入金されない取引の管理

ほとんどの取引は、現金出納帳と預金出納帳があれば集計できますが、この2つの出納帳を使ってもうまく集計できないケースがあります。それは、掛取引(かけとりひき)と呼ばれる取引が発生するようになった時です。

掛取引とは、
①商品(サービス)代金を請求をした後、入金が2カ月後になる
②ものを仕入れたけれど、支払いは2か月後でいい

というような取引のことです。

このコラムの読者の方たちが直面する可能性が高いのは、①の方でしょう。
「出版社から受注して、校正の作業を完了して請求書を送ったけれど、実際の入金は何か月も後になる」そういうケースはよくあります。
こういった取引がある場合、現金出納帳と預金出納帳とは別に、「売掛帳」をつくってください。使いこなせば請求漏れや入金漏れの管理にもとても役立ちます。

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※クリックすると画像を拡大表示できます。

<使い方>
1. 請求書を発行した時に、請求書発行日付、得意先名、作業内容、請求金額、残高を記入
2. 入金があった時、入金日、得意先名、作業内容、入金金額、残高を記入。さらに、入金内容に対応する請求日の記録を消し込む

なお、白色申告、もしくは青色申告の10万円控除を受ける場合には、現金出納帳と預金出納帳の集計結果だけを集計して申告することができますが、65万円控除を受けたい場合には、この売掛帳上で「請求したけれどまだ入金されていない金額」を集計結果に反映させることが必要です。

この実際の売上計上と入金日のずれの把握は、請求漏れ、入金漏れの管理に役立つだけでなく、事業計画、資金計画を立てるのに必須の考え方です。次回以降、好きなこと、やりたいことを数値化し、その夢を実現するための事業計画、資金計画のたて方について説明していきます。

この連載の最終回で皆さんからのご質問に答えるコーナーを設ける予定です。早速次のご質問をいただきました。

★白色申告であれば開業届は出さなくてよいのでしょうか。
★ボランティア活動でも事業として申告しなければならないのでしょうか。

随時質問募集中ですので、こちらからお寄せください!>>

市川 恭子

Writer 市川 恭子

大手監査法人、資産税特化税理士法人、メガバンク本部を経て、公認会計士・税理士としてフリーランスに。
企業の上場支援、内部統制構築支援、NPO法人の設立運営から、中小企業の事業承継対策、個人の相続対策まで総合的に対応。いきいきと自分らしく生きていこうとされる方々が「親友」と話すように相談できる相手でいられるよう日々精進中。2児の母。

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