こんにちは。2012年もあと数日となりました。
年末年始のお休みは、自分の業務環境を見直す良い機会ですね^^
「フリーランサーが知っておくべきメール術」第5回は、ビジネスメールでよく見かける言い回しや、微妙なマナーについて、考えてみましょう。
「各位」の使い方
団体内のたくさんの人に形式的なメールを送信する場合、「各位」という言葉が使われます。
以下のような書き方をする人がいますが、これは間違いです。
○○○株式会社 各位様
「各位」は単体で、「様」と同様の敬語として扱われます。なので、このように書くと二重敬語になってしまいます。
対等な取引先であれば特に必要はなく、どうしても敬称を付けたい場合は、以下のようになります。
○○○株式会社 関係者様各位
「各位」は古来、目下の人に使われていた言葉なので失礼では、という論調もありますが、今はあまり気にしなくて良いと思います。
「取り急ぎご連絡まで」は?
入金の確認や、出先でのYes・Noなど、短文のメールにはよく、文末にこのような決まり文句が書かれます。
取り急ぎご連絡まで。
常識となりつつありますが、厳密には、変な表現です。
細かい人だと「お前が急いでいるのはこちらには関係ない」と感じるかもしれませんし、「まで。」で終わっているのも、乱暴な印象を与えます。
私は以下のように言い換えています。
まずは、お礼申し上げます。
それでは、要件のみで失礼いたします。
「インラインにて」ってなに?
メールの返信に、このような前置きがされることがあります。
以下、インラインにて失礼いたします。
これは「前回お送りいただいた、あなたのメールの文章を引用しつつ、回答させていただきます」という意味です。
ニュアンスを確実に伝えるために、引用が必要なことがあります。
このときは、もらったメールを分解・コピペすることになるので、失礼にあたるかもしれないけど許してね、と前置きしているのです。
私自身は、「引用」に言い替えています。
「インライン」という表現は、IT関係でない人には意味がわかりにくいからです。
以下、引用にて失礼いたします。
宛名は役職順?
自社と取引先にまとめてメールを送信するときに、冒頭文は「取引先」→「自社」の順で、かつ役職順にするのが一般的です。
さらに、同報(cc)の人はカッコで囲みます。
○○○株式会社 山田様
○○○株式会社 鈴木様
(同報:吉田社長、制作佐藤さん)
ところが「メールソフトでのアドレスの並び順も役職順にしなければならない」としている組織もあるらしいです。 *1
※クリックすると画像が拡大します。
利用しているアプリ・端末・サービスなど、環境によっては、自分が編集した順番のまま送信・受信されるとは限りません。
それを考えても、かなりナンセンスな「常識」と言えます。
ただし、ほとんどのメールソフトでは「最初に宛先に指定された人の名前」が一覧に表示されます。
それを考えると、お堅い企業が相手のときは、とりあえず最初の人だけ気を遣っておくのが無難でしょう。
顔文字はどこまでOK?
この質問を見かけること自体が疑問です。
顔文字があってもなくても、意味やニュアンスが伝わる表現をするのが大事ですし、判断に迷うような相手なら、はじめから使わなければいいのです。
私は「くだけた話ができる関係か」で判断していて、ほとんどは追記の雑談でのみ使います。
ですが、
- 先方の対応にちょっと困っていて、要望を出したいとき
- 先方に不備があったけれど、気を遣わなくていいのよ、と伝えたいとき
などのビミョー...な状況では、文末にはさんだ小さな絵文字が、ずいぶん雰囲気を和らげることがあります。
そういうときは、こういう単純なのを使ったりします。
^^; Σ(°Д°; ><
まとめ
メールの文章は、自分の過去の勤め先で使われていた文言を、疑問を持たずに使い続けていることが多いです。
最近では、このまとめが人気があるので、引用のリンク先も含めて目を通すと、良い見直しの機会になるでしょう。 *2
ソースネクスト社が提供している「メールマナー検定」も、ゲーム感覚で自分のマナーをチェックできて面白いです。
メールの基本、マナーなどのお話は、今回でおしまいです。
次回からは、Googleが提供しているメールサービス「Gmail」を中心に、安全かつ効率よくメールを管理したり、手早くメールを作成するテクニックをご紹介していきます。
ではでは、良いお年をお迎えください。
*1 参考記事:メールの宛先が複数ある場合、順番を意識する?! - Marketing Design
*2 ページのタイトルの通り、あくまで「印象が良い」文章であって「全部こうしなければならない」わけではありません。過去3回で解説した、読みやすさを優先しましょう。