事業計画の作り方(4)資金計画(今年1年の資金計画)

1. 前回までのお話

副業カメラマンのユウは平日サラリーマンとして会社に勤めるかたわら、土日はフリーのカメラマンとして活動中。3年後には専業のカメラマンとなって今会社からもらっているお給料相当を手取りで手にできる資金計画を立てました。ユウの3年後の資金計画はこれです。

ユウの3年後の簡易損益計算書

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※各項目の前提条件はこちらで確認できます。
※以下すべて、クリックすると画像が拡大します。

2. 今年1年の資金計画

この3年後の目標に向けて、これから1年間の資金計画を立てます。まず今の現状を書き出してみます。

ユウは現在、土日に出張カメラマンの仕事をこなしています。
出張カメラマンの仕事では、毎回車で移動するため、駐車場代などの交通費がかかります。

ユウの今年1年の簡易損益計算書

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3. 3年後の目標と現在をつなぐ!

続いて、来月の予定と、3年後の予定を次のようにつないでみます。
場合によってはこの表を見ながら1年後(月)、2年後(月)の数字を埋めることもあるでしょう。ですが、ユウは簡単には埋められません。

なぜなら、ユウは、いつの時点でスタジオを借りて、いつから平日営業に切り替えるか心を決めかねているからです。これを決めるひとつの鍵は、必要な資金とその資金調達方法をきっちり把握することです。

4. 必要となる資金の金額と資金調達方法を考える。

運転資金と設備投資として必要になる金額を洗い出し、それぞれをどう調達するのかを考えます。
それを考えるのに便利な次の表を作成します。

(簡易)貸借対照表

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ユウは土日のカメラマンとして活動するためカメラや照明を購入しており、既に家族からお金を借り月5万円を返済しています。それを考えると、あらたな借り入れをすることはとても大変。

まず市区町村などの助成金*1を調べました。この結果、市区町村によるチャレンジショップ助成金(商店街の空き店舗を利用する事業者向けの助成金)が受給できそうだということがわかりました。
助成金は返済の必要がないので、とても助かります。
そして残りの必要となる金額は自己資金で貯めていくことにしました。

自己資金で貯める必要がある金額は270万円。現在の副業からの利益は月9万円。これで自己資金をためるには30か月もかかってしまいます。
少しでも早く開業したいので、サラリーマンとしてこれからもらえるボーナスと退職金で賄える金額180万円を事業につぎ込み、残りを副業からの利益で捻出します。

副業からの利益で捻出する資金は90万円、つまり10か月分。必要となる資金330万円を調達できるのは10か月後ということがわかりました!

従ってユウが正社員を辞め、スタジオを借り、平日営業を始める時期は10か月後!と決まりました。

それまでに、スタジオの場所を決め、アシスタント2名を探すなど、やらなければならないことをきっちりとこなしていきましょう。


*1 ユウのように、正社員をやめて新規に創業する場合、ハローワークの受給資格者創業支援助成金によって、最大150万円までの助成が受けられます(平成25年3月末日まで)。

市川 恭子

Writer 市川 恭子

大手監査法人、資産税特化税理士法人、メガバンク本部を経て、公認会計士・税理士としてフリーランスに。
企業の上場支援、内部統制構築支援、NPO法人の設立運営から、中小企業の事業承継対策、個人の相続対策まで総合的に対応。いきいきと自分らしく生きていこうとされる方々が「親友」と話すように相談できる相手でいられるよう日々精進中。2児の母。

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