【最終回】事業計画Q&A

前回に続き、今回は皆様からお寄せいただいた質問と、先月19日に開催した「みんなで一緒に「確定申告」or「事業計画立案」イベント」で寄せられた質問のうち、事業計画に関する質問をご紹介します。

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1. 自宅で開業している場合、自宅の費用はどこまで経費と考えればよいですか?

確定申告の費用を集計する際には、自宅でかかった費用のうち事業に係るものを経費に入れます。
例えば、自宅を事務所として利用している場合、自宅でかかる費用には次のようなものがあります。

勘定科目内容
水道光熱費 電気料金
通信費 電話代、ネット接続料
地代家賃 家賃(自宅を賃貸で借りている場合)
減価償却費 持家の場合、取得時に支払った金額を一定の割合で費用にするもの

これらの多くは、自宅で事業を開業していてもしなくてもかかるものがほとんどです。ですが、自宅を事務所にしている場合には、これらを経費とすることができます。

ですが、事業計画を立てる場合、これらの費用を事業計画に織り込むかどうかは自由です。税務申告と事業計画を一致させたいと考えるなら、織り込んでください。一方、事業をすることによって新たに追加で発生する費用だけで計画を立てた方が良いと考えるなら、含めない方がよいでしょう。

2. 領収書の受け取れない支払いはどこまで経費にできますか?

領収書の受け取れない支払いには次のようなものがあります。どのような資料を領収書の代わりにしたらよいかまとめましたので参考にしてください。

内容保存しておく資料
交通費 経路と金額をメモしておく
取引先関連の香典などの慶弔費 ご会葬お礼や案内のFAXなどに、つつんだ金額をメモしておく
その他 領収書の入手が難しかったものは、「日にち」「支払先」「金額」「内容」を100円ショップなどで売っている出金伝票に記入して保存する

3. 経費を集計する際、何か気を付けることはありますか?

それぞれの経費が「変動費」なのか「固定費」なのか気にしながら集計するのが良いでしょう。
「変動費」とは売り上げが増えれば増えていく費用です。例えば、材料費や送料などです。
「固定費」とは売り上げが増えても増えなくても毎月一定額かかる費用です。代表的なものは家賃やネット接続料です。
全ての費用は基本的に「変動費」と「固定費」のどちらかに分類できます。
毎月どれだけ売り上げが落ち込んでも固定費はかかるので、固定費分だけは利益を出さなければならない。
事業を進める上ではこの発想がとても大切です。この発想があると、最低何個商品を販売しなければならないのか、最低何回お教室を開催しなければならないのか、など具体的な行動を計画することができます。
事業計画を立てる際の参考にしてください。

これで、半年に渡って連載してきました「夢と実現させるお金との向き合い方」は終わります。「好き」を仕事にしてフリーランスになり、好きなことだけをやっていこうと思っているのに、「お金の管理」を自分でしなくてはいけなくなる。これが負担になる方は多いようです。ですが、やらなくてはいけない点だけ抑えれば、負担を軽く感じることができるはず。
このコラムが少しでもフリーランスのみなさんのお役にたてば嬉しいです。

コラム連載にあたり、内容の確認編集を行ってくださったリズムーン代表小野梨奈さん、バナーのイラストを寄せてくださったオオカワアヤさん、そして、税務面の内容を確認してくださった税理士・野中由紀子さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

市川 恭子

Writer 市川 恭子

大手監査法人、資産税特化税理士法人、メガバンク本部を経て、公認会計士・税理士としてフリーランスに。
企業の上場支援、内部統制構築支援、NPO法人の設立運営から、中小企業の事業承継対策、個人の相続対策まで総合的に対応。いきいきと自分らしく生きていこうとされる方々が「親友」と話すように相談できる相手でいられるよう日々精進中。2児の母。

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