【最終回】「今、家は買いどきか」問題

3回にわたって子育て・教育費について見てきたましたが、先日こんな記事をみかけました。国家予算の教育費に占める割合は3.6%でOECD加盟国平均5.4%を大きく下回り、比較できる30カ国中、最下位。4年連続なんだそうです。特に高等教育、つまり大学での負担が大きく、家庭からの支出が約65.6%を占め、OECD平均の2倍以上。大学は自分でなんとかしろ、って政策が、世界基準ではないってことがよくわかりますね。それなのに、東大京大でさえ大学の世界ランキングで上位に入らない、日本の大学生はだらしない、とかよく言えるわな、と思っちゃいますが。とにかくそんな国なので、大学費用には工夫が必要ということは確か、ということです。

▶「教育への公的支出日本は最下位 奨学金制度が鍵=OECD報告書」

さて、こうして人生にかかるお金について、重箱の隅をつつくように勝手に述べてきましたが、今回で最終回。
いよいよ本丸、「家」の問題に迫ってみたいと思います。

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住宅に関してはつい先日、消費税増税後の住宅購入者支援策が発表になっていました。

▶「年収低いほど手厚く 増税時の住宅購入者向け支援策」

住宅ローン減税はあるけど、年収が低くて納税自体も少ない人は減税効果がない。それなのに消費税が上がったらかわいそうだから、消費税8%になったら最大30万円(年収425万円以下)、10%にあがったら最大50万円(年収450万円以下)現金であげましょう、って話です。え、家買ったらお金くれるの?やったー、じゃあ買うなら来年4月以降だね!...って、単純に飛びつけというなら、ずいぶんナメてますね。低所得者に現金給付、というと弱者にやさしい、と一瞬空目しますが、この政策が意図していることは記事にもありますけど「年収が低いほど支援を手厚くし、消費増税後の住宅市場の落ち込みを防ぐ」ということ。買う人のためじゃなく、住宅市場のためってことですね。

給付の対象になる人は、年収400万円台以下で「住宅ローンで住宅を購入した人」。例えばこの年収で住宅ローンを組むってどんなイメージだと思います?「フラット35」のローンシュミレーションなどを使ってちょっとやってみました。

まず、「年収450万円」で借りられる金額を出します。35年払い、金利2.5%で、3,671万円となりました。3500万円借りることにすると、月々の返済額は12万6000円、支払い総額は5256万円です。

月に12万円くらいならなんとかなる、でしょうか。ちょっと注意したいのが「年収」と「手取り」の関係です。年収と表記されてる場合、年金や健康保険、税金などが引かれていない額ですから、手取り所得はがくっと低くなっていますよね。年収450万円、ボーナスなしで月に37万5000円だと、手取額はいくらになるか。こんな便利なシミュレーションサイトで概算を出してみました。今回の給付対象のモデル、夫婦と子どもふたりを想定して計算すると、29万5392円になりました。
給料(月給)手取り額の計算

手取り30万円弱で、12万円のローン。かなりギリギリです。
35年間、仕事が変わろうが子どもが生まれようが、払い続ける。数十万円もらっても、焼け石に水ではないでしょうか。
今回の給付対象は、床面積50㎡以上が条件というから、明らかにファミリータイプの住宅販売促進を意図しています。35年間、家族の形態が変わってもそこに住み続ける物件、あるいは買い替え可能な価値のある物件を買えるのか、など疑問はいろいろわき上がってきます。

低所得者にローンを組ませ、住宅を買わせる...あれ、どこかでみたような...はっ、サブプライムローンでした。国の住宅政策などに左右されたらロクなことにはならない、と思うところから家のことも考えたいものです。

そんなわけで、おいしい話はまず疑い、お金と仲よく生きていきましょう。ではでは〜!

Rhythmoon編集部

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