日本にいながら英語を毎日使う方法

こんにちは。フリーランス映像翻訳者のキャッチポール若菜です。
前回、「英語を話せるようにするためには、とにかく毎日使うこと」と書きました。
ただ、こう言うと、毎日外国の人と話さなくてはいけないのではないかと思ってしまい、普通に日本で生活をしている人にとっては、急にハードルが上がってしまいます。
でも「毎日使う」というのはそういうことだけではないのです。

毎日使っている日本語

皆さん、日本語は毎日使っていますか? さらに、どんな時に使っていますか?
「使っている」と答えた人の中には、メール、読書、テレビを見る、など、会話以外を考えた人も多いのではないでしょうか。

つまり、「英語を使う」と言っても現実世界での会話だけに絞らないで、「目にする」「耳にする」「想像する」「ひとりごとを言う」など、使い方のバリエーションはかなりあるのです。
学生は更にラッキー。ほぼ毎日、自分から意識的に英語に触れようとしなくとも、学校で英語を教わるからです。

学校で教わる英語も使える英語に

学校で教わる英語や、いわゆる受験英語と呼ばれるものには否定的な意見も多く、だからこそ、日本ではこれだけ多くの英会話学校や英語に関する教本があるわけです。

でも重要なのは、教わった後にどうするかなのです。

ここで、私が英語を初めて習った中学時代にしていたエクササイズをご紹介します。
エクササイズ自体は簡単、難しいのはこれを毎日続けることです。

例えば"It's a pen."(ペンです)という表現を習ったとします。
A: What's this? (これ何?)
B: It's a pen. (ペンだよー)
という会話例で習うと仮定します。

この会話例だけを暗記するだけでは、ちょっと何かが足りません。
これを実際に、自分が英語を話す人と会話をする場面を考えて、覚えることが、このエクササイズの要なのです。紙も鉛筆もいりません。

というわけで、読者の皆様、ちょっと考えてみてください。
この会話、いつどんな時に、誰に対して使えると思いますか?

私は中学で初めて英語の授業を受けたときから、無意識のうちにこのエクササイズを繰り返していました。
外国語に対してただならぬ興味があったのはもちろんプラスでしたが、習った表現で、当時学校にいらっしゃった外国人の先生と実際に会話をしてみたかったのです。
例えば"This is my sister."なんて表現を習ったときには、わざわざ家族の写っている写真を用意して、放課後、外国人の先生のデスクへ行って、その表現を使いに行きました。それをするためには、その前に何度も頭の中で相手の答えや自分の発言を想定して、それを繰り返し練習することになります。そんなことを繰り返していたので、中学校で習った英語が役に立たなかったと思ったことは一度もなかったわけです。

さて、What's this?の会話例ですが、みなさん、どんな場面が浮かびましたか?

私が即席で考えたのは、アメリカのホストファミリーの家で、そこの10代のホストシスターに、日本のスーパー文房具を誕生日プレゼントとしてあげる、という場面です。

ホストシスターは、プレゼントを開けたけど、見たこともない文房具が入っていて何だかわからない。そこで、実際にペンを見ているけど"What's this?"と聞くことになります。
そう聞かれたら答えは"It's a pen."ですよね。

ここに情報を足して、
It's a Japanese pen. (日本のペンだよ。)
Actually, it's a pen. (実はね、それペンなんだ。)
It's a very popular pen. I got it in Japan. (人気のペンで、日本で買ったんだよ。)
などなど、バリエーションをつけることもできます。

たかが2行会話ですが、考える人によって、ほかにも何通りもの場面が浮かんでくるのではないかと思います。つまり、この一見つまらなそうな表現でも、何通りもの場面で実際に「使える」英語である、ということなのです。

「頭の中」という環境

もし、今英語を勉強中の人は、新しい表現を目にしたら、それが使える場面、自分が使っている場面をいくつも、何度でも、頭の中でシミュレーションしてみてください。頭の中での会話も、自分の頭には違いないので、それはそれで回数を重ねることになります。

そしてもし、近所や学校などで、英語を話す人が近くにいらっしゃるのでしたら、その人に向けて使ってみると、頭の中だけだった会話が現実のものになります。そこでひとつ、その英語表現はあなたの中では「話せるようになった表現」に変わります。最近では海外と気軽に繋がれるネットの世界もあります。

「英語を使える環境が......」と言うとき、この「環境」は、実環境だけでなく、頭の中や、ネットなど、目に見えないところにもあることをお忘れなく!

ボーダレス・マインドで行きましょう。

このコラムの感想や英語に関する質問なども随時受け付けています。こちらからぜひお寄せ下さい♪

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
キャッチポール若菜

Writer キャッチポール若菜

映像翻訳者
イースト・カロライナ大学 音楽学部を卒業後、外資系企業のマーケティング業に約8年間携わり、現在ではフリーランスで字幕翻訳、エンターテイメント系通訳業に従事。親族全員で5カ国の国籍が集まるインターナショナルな家族を持つ。リズムーンでは、「英語でつかむボーダレス・マインド」を連載中。
http://www.nlc-jp.com/

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