冬に「エアコンつけて」は英語ではNG。その理由は?

20140828_wakana_jpg

photo by Jan Tik via flickr

暑さ真っ盛り!もうエアコンなしでは生活できない、フリーランス映像翻訳者のキャッチポール若菜です。
さて、この「エアコン」のもとは、「エアーコンディショナー = air conditioner」だというのはご存知の方も多いかと思います。
室内のair(空気)をcondition(調和/調節)する機械です。
すると書いたからには、実はこの単語は動詞でもある、ということです。

Things that condition happiness 幸福の決め手となるもの
The two things condition each other. 互いに依存する

...などの使い方もありますが、多くは次のように受身形で使われます。

The rats had been conditioned to ring a bell when they wanted food.
Gender roles are often conditioned by cultural factors.

普通、語尾に-ionとつくものには名詞が多い中、面白い単語だと思います。

さて、話をエアコンに戻しましょう。

アメリカではair-conという縮め方ではなく、頭文字を取って"AC"と言います。
ただし日本ではエアコンというと暖房も含むのに対し、アメリカで"AC"と言えば、普通は冷房のみを指します。
さきに書いた、air(空気)をcondition(調和/調節)するということが、空気の湿気を取り除いてdryにする→室温を冷やすことだからなのと、アメリカの冷暖房システムが日本とは違うからなのだろうと思います。

アメリカでよくある冷房システムがcentral air (conditioning)と呼ばれているもので、簡単に言えば建物のダクトを通して一棟丸ごと冷やすシステムです。この場合、冷房だけでなく、暖房や換気にも使えますが、やはり"AC"と言えば冷房のこと、暖房使用時にはcentral heatingと言われます。

もう一つが古いアパートなど、もともとcentral airが通ってない建物で、部屋ごとにつけるユニットタイプの冷房システムです。
こちらは日本で言うエアコンの感覚に近いと思います。壁についているものや、窓に後から取り付けるものもあります。
(最近はこの窓に取り付けるタイプが日本でも売られているようです)

このタイプには暖房機能がありません。
なので普通、"AC"をつける、と言った場合には必ず冷房のことなのです。

現在、私はアメリカ人の夫と日本で暮らしていますが、"AC"=エアコンと思っていても、やはり2人の間では、同じ機械なのに、夏は"AC"、冬は"heater"と呼んでいます。

central air

窓に取り付けるタイプ

こんな日常的に使う機械の呼び方から性能まで、住む場所と話す言葉が違うだけで、自分の持っている常識が覆されます。これが文化や思想となると、まず「こんなの当たり前」という考えを始めから持たないようにする習慣をつけるのも、これからのグローバルに生きていくには良策なのかもしれませんね。

ボーダレス・マインドでいきましょう!

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
キャッチポール若菜

Writer キャッチポール若菜

映像翻訳者
イースト・カロライナ大学 音楽学部を卒業後、外資系企業のマーケティング業に約8年間携わり、現在ではフリーランスで字幕翻訳、エンターテイメント系通訳業に従事。親族全員で5カ国の国籍が集まるインターナショナルな家族を持つ。リズムーンでは、「英語でつかむボーダレス・マインド」を連載中。
http://www.nlc-jp.com/

キャッチポール若菜さんの記事一覧はこちら