面白いほど英語が聞き取れるようになるトレーニング法

こんにちは。フリーランス映像翻訳者のキャッチポール若菜です。
翻訳以外では英語のプライベートレッスンも行っているのですが、先日、久々にリスニング強化のレッスンを行いました。

内容は、TOEICのPART1でお馴染みの、写真を見ながら、読み上げられる4つの文のうち、写真の内容と合っているものにチェックするもの。その写真がどんなもので、どれが答えだったかは置いておいて、ひとまず、その中の1文だけをリスニングしてみましょう。

「同じものをとことん聞く」トレーニング

いろいろな教材がある中、次々と新しい教材に取り組むのは文法やリーディング強化なら利点になるかもしれませんが、リスニングを強化したいのであれば、同じものをとにかく何十回となく聞いて「隅々まで聞こえて内容もわかる」ところにまで持っていき、そうしてからまた新しいものにチャレンジする、というのが一番効果的だと思います。上でお聞きいただいたものはたった1文でしたが、これをもっと長い文にしてみたり、2文、3文、1段落......と量を増やしていったりすることもできます。

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"Listen, Understand, Act" by Steven Shorrock

実践★トレーニング!

例文の音声ファイルを使って、実際にリスニングトレーニングをしてみましょう。

  1. 聞きながら、英語で書き取りをしてください
  2. 1を納得のいくまで繰り返し、繰り返し、繰り返し、やってみてください
  3. 聞き取れない部分に戻って、何度も何度も聞いてみてください
  4. 聞こえたとおりに全文を声に出してリピートしてください
  5. 4をつっかからなくなるまで、やってみてください
  6. ここで初めて「答え」を見てみましょう!
  7. また同じ1文を声に出して読んでください
いかがでしたか?

解答を見たあとで考えてみよう

答えをチェックしてみてください。正解文の下に番号を振っておきました。
1と2の間の音がくっつく現象(リエゾンといいます)が起こり、音を絞ると、2の単語はほとんどjustしか聞こえないと思います。
3の単語はもしかしたら、何度聞いても聞こえなかったという人もいるかもしれません。
2と3の間、さらに3と4の間にもリエゾンが起こり、2の単語のあとには4の単語しか聞こえないくらいかもしれません。

さて、トレーニング中のステップ5で声に出していたときと、7で声に出してみたときとで、何か大幅に変わったりしていませんか?
スクリプトを見たあとだと、どうしても聞こえたとおりにリピートができなくなってしまう人がいます。
元々耳では聞こえていたのに、スペリングを目にすると無意識にローマ字読みをしたくなるのかもしれません。
実際には、ステップ5のときにしていた読み方の方が、ネイティブには通じるかも...と思うケースもあります。
そして、答えがわかったあとでも、ステップ5のときのような速さとリズムで同じ文を言えるように練習してください。

このトレーニング法のおすすめポイントはこちら。

  • 自分の聞きにくい英語のパターンがわかるようになり、何度もやっていれば必ずリスニング力は上がります。
  • 発音練習も兼ねることになるので、自然な話し方が身につきます。
  • 新出単語や言い回しも、何度も聞いて、言ってみることで忘れにくくなります。

なかなかおいしい「同じものをとことん聞く」トレーニング法、ぜひ試してみてください!

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"Dorothy Whidden alphabet illustration" by Crossett Library

 


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追記

答えを見る前は正しい発音に近い読み方ができたのに、スペリングを見ると「ああ、そう言ってたのね」と言いながらネイティブには通じない(だろう)発音に直してしまう......。これはやっぱりローマ字を勉強したことがあるからなのだろうか、と思うことがあります。

例えば「sa-shi-su-se-so」は「サシスセソ」と教えこまれた後では"sax"の"sa"も日本語の「サ」と同様に発音したくなりますが、アメリカの子どもはこの"a"を"short vowel"(短母音)の[æ](「ア」と「エ」の間のような音)と発音することを英語の読み方とスペリングの勉強で教わります(これをPhonicsといいます)。同じように、"s"は[s]、"x"は[ks]と発音することを教わり、何度も練習して、"sax"を読めるようにするわけです。

日本語には認識されている母音は5つ(あいうえお)しかありません。なので、[æ]は「ア」に似ているからそれでいいだろう......と思ってしまうかもしれませんが、約20近い母音の音が認識されている英語では[æ]と「ア」では違う音なのです。

ボーダレス・マインドでいきましょう。

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。

見出し写真:"My Listening Ears" by Niclas Lindh via flicker

キャッチポール若菜

Writer キャッチポール若菜

映像翻訳者
イースト・カロライナ大学 音楽学部を卒業後、外資系企業のマーケティング業に約8年間携わり、現在ではフリーランスで字幕翻訳、エンターテイメント系通訳業に従事。親族全員で5カ国の国籍が集まるインターナショナルな家族を持つ。リズムーンでは、「英語でつかむボーダレス・マインド」を連載中。
http://www.nlc-jp.com/

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