「著作権」の全体像を理解していますか?

みなさん、こんにちは。弁護士の長谷川千代です。
だいぶと気温も下がってきましたが、風邪などひかれていませんでしょうか。
私は、今年は紅葉が見れるかな~?と思っているところです。
そして、食欲と戦う秋です(笑)

さて、今回は、そもそも著作権とはなんぞやという話をしたいと思います。
これまで引用著作者人格権について書きましたが、「そもそも著作権がなんなのかわからない」という声をいただきましたので、今回は著作権についてザッと概観してみたいと思います。

著作物とは

まず著作権法が保護しているのは「著作物」です。
著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とされています。
「表現したもの」とあり、保護されるものはアイディアではなく、その表現されたもののほうになります。

著作者とは

そして、著作権法によって保護されるのは「著作者」です。
原則として、「著作物を創作する」者が著作者となります。ただし、例外的に、法人等に従事する人が職務として創作する場合は、著作権法15条の要件を満たす限り、法人等が著作者となります。著作権法15条の要件とは端的に言うと、①法人その他の使用者(「法人等」といいます。)の発意に基づき、②法人等の業務に従事する者が、③職務上作成する著作物であり、④公表名義が法人等であって(プログラムの著作物のときは不要)、⑤作成時に別段の定めがないことです。

著作者は、最初は、前回出てきた著作者人格権と、著作権を持っていることになります。しかし、著作権のほうは譲渡できますので、著作者だから必ず著作権を持っているということにはなりません

著作権の内容は

著作権の内容は、以下の通りです。

①複製権
②上演権・演奏権
③上映権
④公衆送信権・公衆伝達権
⑥口述権
⑦展示権
⑧頒布権
⑨譲渡権
⑩貸与権
⑪翻訳権、翻案権等
⑫二次的著作物の利用に関する現著作者の権利

例外

ただし、引用をはじめ、私的使用のための複製や、教育に関する利用などの場合には著作権を主張することはできません
著作権者の側からは主張できないということになりますが、逆に著作物を利用する側としては、著作権侵害にあたらずに利用できるということになります。このような場合は、様々な要件を満たす必要があるので、著作権侵害にあたらないかどうかしっかり検討する必要があります

保護期間

そして、著作権の保護期間は映画の著作物を除き、創作の時から著作者の死後50年経過するまでです。

以上が、著作権の概観です。
なんとなく、どういう構造になっているかおわかりいただけたでしょうか......。

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見出し画像:小さいガーデニング via ぱくたそ

長谷川千代

Writer 長谷川千代

弁護士
2010年司法試験合格(選択科目:知的財産法)。第二東京弁護士会所属。現在、後藤正志法律事務所に所属しているが、独立採算型をとっておりフリーランスといえる。民事事件から刑事事件まで広く取り扱っている。
・「フリーランスのための法律相談所

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