一歩外へ出れば、「クリスマスだなぁ〜」と感じるデコレーションでいっぱいですね。そして、偶然にも、この「英語でつかむボーダレス・マインド」の更新日の今日は12月24日です。
さて、前回の「今年は英語でクリスマスカードを送ってみよう!」でも少し触れましたが、これからの国際社会で、この時期、不用意に"Merry Christmas!"と挨拶をしてしまうのは、ある意味、危険です。さまざまな人種、宗教を信じる人たちがいるにも関わらず、元々キリスト教のお祝いであるクリスマスという言葉を使ってしまうのは失礼に当たるからです。
日本では一般的なクリスマスにあまり宗教観を感じることがないので、国外へ行き、何の意識もせずに"Merry Christmas!"と挨拶してしまうかもしれません。
とはいえ、ホリデーシーズンにはやはりクリスマスを彷彿させるもの。その時期にその言葉を公共の場で使えないアメリカなどでは、どうしているのでしょうか。
Happy Holidays!
ここ10年くらいの間で、クリスマスという言葉を用いない最も一般的な挨拶として定着していると思います。この時期には世界中の多くの場所が長期休みとなるため、良い休暇を願う声かけなら間違いありません。
Happy new year!
ほぼ万国共通で、12月が年末であることは変わらない、ということから、次の年が幸せな年になるようにと願うこの挨拶も無難と言えるかと思います。長めのセンテンスになると、"Have a happy new year"、"I wish you a happy new year"などと言えます。
テレビ番組や映画ではホリデーシーズンをどう扱う?
この時期、アメリカではテレビ番組や映画などでも、この時期を題材としたエピソードがたくさんあります。この時期、面白いのが各番組の「クリスマス」回避の仕方です。
代わりの行事を作る!
ディズニージュニアで、最近では日本でもケーブルで観ることもできる『Sofia the First (邦題: 『小さなプリンセス』)』では、すでに2度、この時期が背景となったエピソードがあります。ツリーやキャンドル、プレゼントなど、どう見てもクリスマスなのですが(笑)、その名は"Wassailia Day"(「ワスィーリア・デイ」と発音されます)。エピソード内に歌われている歌も、クリスマスらしい雰囲気ただよう曲そのものですが、Wassailia Dayなので大丈夫。
このような、新しい行事を作るという手法は、他でも見たことがあります。
"Christmas from the present's perspective" by Kevin Dooley
複数宗教を出して偏りを回避!
「クリスマス」がキリスト教だから、避難を受けるわけなので、それなら平等に他の宗教にも触れればいい、というアイデアです。
海外のコメディードラマ、『Community(邦題:「コミ・カレ!」)』では、キリスト教以外の代表的な宗教として、ユダヤ教(Jewish)、イスラム教(Muslim)、エホバの証人(Jehovah's Witness)、無神論(atheist)、不可知論(agnostic)など、考えられる宗教観が全て含まれた面白いエピソードがありました。代表的な宗教といえば、忘れてはいけない仏教はどうしたのでしょうか。さすがに仏教とクリスマスは無縁と多くの人が認識しているためか、自分は仏教を信じていると思い込んでいながら、実はカルト宗教に入ってしまっているという登場人物を出すことで、「仏教」という名前だけは出すというすごい手法をとった番組でした。
国際社会に生きる
これからの時代、より多くの人に出会い、より多くの文化に触れる機会が増えていくことになると思います。その上で、「"メリー・クリスマス"なんていかにも外来語、英語からだから世界で通用するはず、大丈夫」と軽く口にして、思わぬところで避難を浴びることもあるかもしれません。
普段何気なく楽しんでいる行事でも、背景を考え、改めて世の中には様々な人がいることを思い、人と交流していけることができれば、世界に出ても怖くない!?
トップ画像:"Christmas presents under the tree" by Alan Cleaver
ボーダレス・マインドでいきましょう。