キャラクターの著作権を主張するために知っておくべきこと

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Photo by Tomomi Kobayashi

弁護士の長谷川千代です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

フリーランスの方は年末年始お休みとれましたでしょうか? 休みが決まっていない職種の方は自分で管理をしていないと仕事に追われたりしますよね。私は弁護団でやっている仕事で、冬休みの宿題を出されているので年末年始は宿題と格闘していました。学生みたいですね(笑)

さて、みなさんはキャラクターと聞いてどういうものを想像するでしょうか。最近はゆるキャラブームでたくさんのキャラクターがいますね。

キャラクターはお菓子のパッケージやお土産品、本や衣料品などさまざまな商品に使われています。こういう権利は一般的に「商品化権」と呼ばれたりします。ただ、「商品化権」という権利は法律上定められているものではなく、著作権法や商標法、不正競争法などで保護することになります。登録をしたり、広く認識されたりしているキャラクターの場合には他の法律での保護も考えられますが、ここでは著作権法について見ていきます。著作権法以外の相談をされたい場合は専門家相談をご利用ください。

キャラクターを考えるとき、キャラクターとはそのイメージなのではないでしょうか。着ぐるみ(というと野暮かもしれませんが)もいますが、紙に印刷されていたり、キーホルダーになったりしているイメージだと思います。ここで、著作権法が適用されるためには保護対象が「著作物」でなければなりません。「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」とされていて、「表現」でなければなりません。しかしながら、イメージであるキャラクターは「アイディア」であって、著作権法では保護されないと考えるのが有力な考え方です。

たとえば、漫画のキャラクターの著作権の場合

仮に、ある漫画の主人公の絵を、著作権者Xの許可を得ずTシャツに印刷して販売した人Yがいたとします。著作権者Xはこのときどういうことを求めるでしょうか。

まずは、許可を得ずに印刷されたTシャツの販売をやめてくれ、ということが考えられます。これは、まだ販売されずに残っているTシャツの販売をやめてくれ、ということになりますので差止請求をするということになります。
また、販売をやめただけでは、まだ売れていないTシャツが残っているので、また勝手に販売されたり、何か利用されたりするという不安があります。そこで廃棄請求をすることも考えられます。ほかにも民法による不当利得返還請求や、損害賠償請求をすることが考えられます。

訴訟の中で何を主張立証しなければならないか

まずは、「著作物」である必要があります。前述したとおり、アイデアは「著作物」にあたりません。そこで、具体的な表現があることを主張する必要があります
そして、その「著作物」に「依拠」している必要があります。たまたま同じ表現でも模倣していない場合まで著作権法違反とされると萎縮してしまい創作できなくなってしまうからです。
ここで、漫画によっては単行本だけで100冊以上発行されているものもあります。特徴的なシーンの絵であれば、この絵に依拠しただろうと主張できるでしょう。しかし、よくあるような絵の場合、なかなか特定して主張することは難しいことです。
そこで、このような場合、経験則上、依拠したことが明らかであれば、特定のコマに依拠したことの立証までは要求しないと考えられています。

次に「どういう権利を侵害したのか」ということを主張していくのですが、それは次回にまとめますね。

長谷川千代

Writer 長谷川千代

弁護士
2010年司法試験合格(選択科目:知的財産法)。第二東京弁護士会所属。現在、後藤正志法律事務所に所属しているが、独立採算型をとっておりフリーランスといえる。民事事件から刑事事件まで広く取り扱っている。
・「フリーランスのための法律相談所

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