キャラクターの著作権が制限されるのはどんなとき?

みなさん、こんにちは。弁護士の長谷川千代です。
花粉症は大丈夫ですか? ご自宅で仕事されている花粉症の方は、引きこもり体制になる季節じゃないでしょうか。そうなっても光にはあたってくださいね。私は引きこもれる仕事ではないので目と鼻のかゆみと戦ってます。ほとんど対策しないのもいけないんでしょうけどね。

さて前回は、キャラクターについて著作権法で保護する場合、どういう状態のものについてどういう権利を主張することが考えられるかというお話をしました。今回は、著作権がある場合でも、その権利が制限される場合があるという話をしたいと思います。

■私的使用

まずは、キャラクターのイラストを持っている人が、かわいいから手作りで自分が利用する目的のためだけにぬいぐるみを作成する場合は、著作権者はその著作権(この場合は複製権や翻案権になってくるかと思います)を主張することが制限されます。ただし、その作成したぬいぐるみを配ったり、展示会に出品したりすることは原則に戻り、著作権侵害となります。

■検討の過程における利用

次に、キャラクターを著作権者の許諾を得て利用しようかと検討している場合に、その検討の際に必要な範囲で複製することはできることとなっています。

■図書館等による利用

もともとのキャラクターが本に載っている場合、図書館等(政令で定められています)で一定の場合に使用することが認められています。

■引用

引用については以前の記事を参考にしていただきたいのですが、当該キャラクターについて批評が行われる場合等で引用の要件を満たす物については著作権の主張をすることができません

■教育のために用いられる場合

著作権法は一定の条件のもと教育目的に使用することを認めています。そのときに著作権者への通知や補償金の支払いが必要な場合があります。

■営利を目的としない上映

キャラクターが映画に用いられるようなこともあるかと思います。その上演された映画については、営利を目的にせず、対価をもらわずに上映することは認められており、著作権侵害とはなりません。

■公開の美術の著作物等

美術の著作物といえるキャラクターでその原作品が一定の屋外の場所に恒常的に設置されているものについては利用できると定められており著作権を主張することはできません。ただし、除外規定もありますので注意してください。

以上ではキャラクターについて関わりがありそうな著作権の制限規定について述べてきました。著作権の制限を受ける場合は、著作権侵害となりませんので、著作権者は差止請求や損害賠償請求をすることができません。ただ、ここではだいたいのイメージをつかんでもらうため簡略化して書いており、細かい条件までは記載していません。著作権を侵害されているような気がする方、反対に著作権侵害にならない利用をしようとしている方は、きちんと検討していただきたいと思います

なお、著作権の制限される場合にあたったとしても、著作者人格権が制限されるとは限らないので注意してください。

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※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
長谷川千代

Writer 長谷川千代

弁護士
2010年司法試験合格(選択科目:知的財産法)。第二東京弁護士会所属。現在、後藤正志法律事務所に所属しているが、独立採算型をとっておりフリーランスといえる。民事事件から刑事事件まで広く取り扱っている。
・「フリーランスのための法律相談所

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