こんにちは。デザイン会社でコミュニケーションマネージャーをしながら、旅するパーソナルスタイリストとして活動している河内尚子です。これからリズムーンで、ファッションに関するコラムを連載することになりました。日々のスタイリングに役立つ情報をお届けできたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
パーソナルスタイリストってどんな仕事?
ところで、みなさんはパーソナルスタイリストという職業をご存じでしょうか? ものすごくざっくりいうと、「一般の人のためにファッションコーディネートやワードローブコンサルティング、ショッピング同行などを行なうスタイリスト」のことです。
パーソナルスタイリストの顧客は、タレントさんやモデルさんではなく、ごく一般の方。必ずしもモデル体型の方ばかりではありませんし、むしろ体型に悩みを抱えている場合もあります。そして、洋服への価値観や、ライフスタイル、社会的役割が全く異なるため、それぞれにあわせた問題解決やスタイリング提案が必要になります。
ですが本来は、パーソナルスタイリストがつかなくとも、自分自身で楽しみながら、自分にとって最も効果的な装いができることが理想ですよね。私が目指しているパーソナルスタイリングというのがまさにそれ。
カウンセリングやショッピング同行などを通じて、どんな観点で洋服を選んだらいいかがわかるようになり、自分に似合うものを見つけられるようになること。なによりも洋服を着るのが楽しくなること。極端な言い方をすれば、少なくとも私にとっては「いい意味でリピーターがつかない」というのが理想、という思いでスタイリングのお手伝いをさせてもらっています。
ファッションは編集デザイン
みなさんは毎日洋服を着ますよね。何気なく選んでいるその服、他の人からはどう見えているでしょうか?
自分では特に意識せずに着ていたとしても、「似合ってるね」と言われたことはありませんか? あるいは、街ですれ違った見知らぬ人を見て、「あー、なんだか素敵だな...」と漠然と思ったり、「この人、金融マンなのかしら...」と具体的なイメージが湧いたり、無意識に何か感じとることはありませんか?
そんな風に、意識する・しないに関わらず、私たちは、装いを通して何かしらの情報をやり取りしているわけです。
「ファッション」というと、「私、センスないから...」「体型に恵まれてないから...」と苦手意識を持つ人が多かったり、あるいは「おしゃれに興味ないし...」というように無頓着な人もいたりします。でも、自分は興味がなくても、自分のことを見ている第三者が存在します。
装うということは、自分一人の問題ではなく、相手のあること。
そんな風に考えると、「装いはコミュニケーションツールのひとつである」といえると思いませんか?
自分がどんな人なのか、相手にはどう感じて欲しいのか。自分はその場所でどんな役割を演じたいのか。手紙を書いたり企画書をまとめたりする時と同じように、どんなメッセージを伝えるのかを考え編集し、その装いによって自分や相手が何を体験できるかまで考えて全体をデザインすることとも言えるでしょう。
だからこそ、コーディネートを考えるときには、「トレンドを追っておしゃれそうに見える」ということよりも「置かれる環境にふさわしく、その人らしいかどうか、その人の良さが最大限引き出されているか」という観点がとても大切になってくるのです。
仕事で訪れた台湾にて
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イベントやセミナーなどの登壇者スタイリング、起業家向けファッションコンサル、大人の女性のオフィス/OFF日ファッションスタイリングなど。講演やワークショップ開催なども。自身が150cmと低身長のため小柄な方向けのスタイリングや、旅の経験からのトラベルファッションやパッキングの提案などを行っています。