簡単な単語ほど難しい? "another"の使い方

英語も中級・上級レベルになってくると、それまではなかった「壁」を感じるときがあります。
会話は結構通じるし、わりと複雑な話にも入っていけるのに、どこかで「違う」と感じるときがくるのです。

中~上級者のこの壁を超える方法の一つとして、「簡単だと思っている単語やその使い方を再確認してみる」というのがあります。例えば、"another"という単語。

簡単な単語ほど会話の流れを左右する

"another"という単語は別に何の変哲もないように見えて、きちんとその意味をわかっているのといないのとでは、相手の言っていることへの理解度が変わってきます。

会話例1

あなたの友人Aさんが次のように言ってきたとします。

A: I bought a Keith Jarrett's album last night.
キース・ジャレットのアルバムを買ったんだ~と言ってる友達。

さて、あなたはここでどんな返事をしますか?

回答例

1. That's nice.
2. How was it?
3. Oh you like Keith Jarrett?
etc...

いろんな返事のしかたがありますね。

会話例2

それではこちらはどうでしょう?

A: I bought another Keith Jarrett's album last night.

回答する前に考えるべきことは?

基本的には『キース・ジャレットのアルバムを買った』ことには変わりはないのですが、ここに入ってるanotherに注目です。

anotherがあることで、言われた方としては:

(あぁ~。もう一つ買ったのか。)
(...ってことは結構最近にももう一つ買ったってこと?)
(...ってことは結構ファン?)
(...じゃなくて間違えて買ったとか?)
...と、さまざまな想像がつく『キース・ジャレットのアルバムを買った』という会話なのです。
ですので、返事の仕方からもっと次へと会話が展開しますよね。

3つの回答例の中でも、最初の2つ"That's nice."や"How was it?"だと、それで会話が終わってしまうような表現で、Aさんとしては、自分が意図していた話ができずじまいになりそうな返答が返ってきたな、と感じるかもしれません。

3番目の"Oh you like Keith Jarrett?"なら、ちゃんとニュアンスがわかっている返答に聞こえますし、Aさんも何でもう一つ買ったのかに話を展開していける感じですよね。

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"Old Technology" by Ryan Hyde

中上級者の壁

細かいニュアンス、人と人とのコミュニケーションには大事なところです。

英語は結構話せるのに「なぜか、しっくりこない。」と思っている人、または外国人から思われている人は、意外とこのような細かい単語の持つニュアンスを見過ごして、話をしているのかもしれません。

中上級者になると、いろいろな参考書を読んでもだいたいわかってしまうため、なかなか「これをやればいい」というものが少なくなってきます。参考書の例を取ると、読んで97%わかる中、3%ほど「なるほどね~」と思う項目があり、そこが一番必要な部分だということがしばしばあるのです。その3%の部分は個人によって違うものですから、そこに絞って勉強するのが難しくなってきます。

中上級者になると、「足りない」と感じている部分はそれまでの取りこぼしであったり、経験値であったりするので、映画やドラマ、ニュースなどの書き起こし、文法書の読み直し(英語で書かれたものがいいかもしれません)、読書などをおすすめします。また、それを実行するときに、少しでも知らなかったことには、「意味は想像できたけど、実際は知らなかった」と認識して、覚えこむことです。

トップサムネイル画像 "鉛筆とシャープペンシル" by キーチャン

キャッチポール若菜

Writer キャッチポール若菜

映像翻訳者
イースト・カロライナ大学 音楽学部を卒業後、外資系企業のマーケティング業に約8年間携わり、現在ではフリーランスで字幕翻訳、エンターテイメント系通訳業に従事。親族全員で5カ国の国籍が集まるインターナショナルな家族を持つ。リズムーンでは、「英語でつかむボーダレス・マインド」を連載中。
http://www.nlc-jp.com/

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