「ギャラ未払い」で困らないように。知っとくべき親事業者の義務とは?

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photo by Morgan Sessions

みなさん、こんにちは。だんだん暑くなってきて湿度も高いし、でもクーラーはまだちょっと早いなという感じで、涼を求めてカフェに避難して仕事されている方もいるのではないでしょうか。

さて、今回は下請法の続き、親事業者が負う義務について見ていこうと思います。

下請法で定められている「親事業者の義務」は以下の4点です。

1.下請代金の支払期日を定める義務(2条の2)

2.書面の交付義務(3条)

3.遅延利息の支払義務(4条の2)

4.書類の作成・保存義務(5条)

以下では、それぞれをもう少し具体的に書いていきます。

1.下請代金の支払期日を定める義務について

下請法第2条の2は、親事業者が下請事業者の給付(役務提供委託の場合は、役務の提供。以下同じ)の受領後60日以内で、かつ、できる限り短い期間内になるように支払期日を定めるように義務付けています。

もし、下請代金の支払期日を定めなかったときは、親事業者が下請事業者の給付を受領した日が支払期日とみなされます。また、違反した場合、すなわち、60日を超える日を定めた場合は、親事業者が下請業者から給付を受領した日から起算して60日を経過した日の前日が支払期日と定められたものとみなされます

2.書面の交付義務について

親事業者は、下請事業者に対し、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託(以下では「製造委託等」といいます)をした場合は、直ちに「下請代金支払遅延等防止法第3条の書面の記載事項などに関する規則」に定められた内容を記載した書面を交付しなければならないとされています。ただし、その内容が定められないことについて正当な理由があるものについては、その記載を必要とせず、その内容が定まったあと直ちに、その内容を記載した書面を交付しなければならないことになっています。その場合も、親事業者は、内容が定められない理由とこれらの内容を定めることとなる予定期日を記載しておく必要があります

また、親事業者は、政令に従い、下請事業者の承諾を得て、メールなどの方法によって提供することもできるとされています。なお、何回も繰り返し同じ下請事業者に依頼する場合、共通事項をあらかじめ明確に記載した書面を通知しているときは、その旨を記載することで足りるとされています。

3.遅延利息の支払義務について

親事業者が、下請代金の支払期日までに下請代金を支払わなかった場合は、下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日)から起算して60日を経過した日から支払いをする日まで年率14.6%の遅延損害金を支払わなければならないとされています。

4.書類の作成・保存義務について

親事業者は下請事業者に製造委託等をした場合、「下請代金支払遅延等防止法第5条の書類又は電磁的記録の作成および保存に関する規則」に定められている事項を記載した書類又は電磁的記録を作成し、すべての事項を記載し終えた日から2年間保存しなければならないとされています。

上記のうち「2. 書面の交付義務」と「4. 書類の作成・保存義務」に反すると、親事業者には50万円以下の罰金が課されます。

みなさんの取引先に「あれ?」と思うところはなかったでしょうか?
次回からは「親事業者の禁止事項」を見ていきたいと思います。

長谷川千代

Writer 長谷川千代

弁護士
2010年司法試験合格(選択科目:知的財産法)。第二東京弁護士会所属。現在、後藤正志法律事務所に所属しているが、独立採算型をとっておりフリーランスといえる。民事事件から刑事事件まで広く取り扱っている。
・「フリーランスのための法律相談所

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