約1年半ぶりにアメリカへ行ってきました!
場所はオバマ大統領のいるホワイト・ハウスがあるワシントンDC。
高校から社会人になるまでをアメリカで暮らしていた私にとっては第二の故郷と感じる場所でもあります。さすがに帰国してからすでに10年以上も経っているので、当時の自分の生活にはなかったものや物価の上昇など、気になったところはたくさんありました。中でも、アメリカの肥満対策が至るところで目についたのが印象的でした。
肥満大国、アメリカ
アメリカ人口の20歳以上の成人の35.1%は肥満であるといいます。肥満含む「肥満気味」である20歳以上の成人は69.0%です(Centers for Disease Control and Prevention2011-2012年)。18~34歳の女性なら、BMI値が25を超えると「肥満気味」、30を超えると「肥満」と言われるそうです。
具体的な数値で表すと、160cmの人が体重64kg以上だと肥満気味、約77kg以上になると肥満だと判定されます。 外を歩いていて10人すれ違うと約7人が肥満気味~肥満という感覚で、アメリカでは国としても危機感を感じていることのようです。
実際、最近になって食品にはトランス・ファットの使用が全面廃止になったり(一部食品に関しては数年以内に)、スーパーマーケットでは牛乳は必ず脂肪分0%(スキムミルク)、1%、2%、whole(普通の牛乳)などの種類別で売っているほか、ヨーグルトやその他飲料などにも"fat-free"や"low-fat"などの表記がたくさん見られます。健康食品、ダイエット食品などもこれでもかというほどの種類の多さには驚きです。
キャッチコピーの裏に潜むメッセージ
それなのになぜ69%もの人が太っているの? そう思っていたときに気になるTVコマーシャルを目にしました。
実際には何の製品だったかは忘れてしまったのですが、健康な食事関連であったことには間違いありません。
その食品は「●●、xx、◎◎、○○などの栄養素がいっぱい詰まっていて、カロリーも低いのでこれを食べると良い」という類のものです。 そして最後にキメのキャッチコピーで"And it tastes good."
これです。
この一言は余計だな、と私は思いました。日本語にするなら「しかもおいしい!」ということなのでしょうが、わざわざ最後にとって付けたように言うことで、「ああ、みんな健康な食事は美味しくないと思っているのだな」と感じてしまったのです。この意識はほかの場所でも感じられました。
Photo by Leonie Wise
何気ないコメントの裏に潜むメッセージ
たとえば、私が自分の子どもたちにブロッコリーを出したとき。スチームされた新鮮なブロッコリーに、クリーミーなランチドレッシングがサイドに添えてあるシンプルなものですが、子どもたちはこれが大好き。
これを見たときのまわりのアメリカ人の大人は"Wait, you're going to eat that?"(え、それ君たちが食べるの?)というような反応。
子どもは野菜を好きなわけがないと頭から決めかかっているのです。
健康な食品=美味しくない
野菜=子どもは食べない
など、こういう固定観念はいつの間にか言葉に表れています。
これは、逆を言えば、言葉に表れているので、その人が本当はどう思っているかもわかるということになりますね。
こういった表現は自分でも気づかないうちに出てきてしまうものですから、かなり気をつけないといけないな、と思わされた経験でした。
これはとくにグローバルな時代だからこそ、自分とは違う文化を持った人に発言する際、相手がどう受け取るかを考えながら接していけるといいですよね。
ボーダレス・マインドで行きましょう。