食物アレルギーの子どもたちが生きやすい社会をつくる|NPO法人アレルギーっこパパの会

誰かの大切な想いを知ること。
そして、その想いを未来へ紡いでいくこと。
それは、今を生きる私たちひとりひとりの役割なのかもしれません。

「未来へ紡ぐストーリー」では、誰かのために、社会のために、地球のために活動するみなさんをご紹介していきます。第6回目は、「NPO法人アレルギーっこパパの会」代表・今村慎太郎さんにお話を聞きました。

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「NPO法人アレルギーっこパパの会」の活動について教えてください。

私の娘に食物アレルギーがあり、食物アレルギーと生きる上での疎外感と社会の壁を痛感し、もっと社会での対応が必要だと感じたことから設立しました。

「食物アレルギーの子どもたちが生きやすい社会をつくることは、誰もが生きやすい社会をつくることである」と考え、とくに、食物アレルギーへの対応が遅れている外食分野でアレルギー対策に取り組む企業の支援をしています。

なぜ外食分野なのかというと、実は、食物アレルギーの子どもの大半が外食時に発症していることが多いのです。当事者家族は自己責任で外食しているため、発症しても企業には報告しません。そのため、企業側で発症を認識できず、アレルギー対応への意識がなかなか向上しないという負のスパイラルが生まれてしまっています。

また、外食分野では、アレルギーに関するガイドラインや対応方法が確立されていないのも問題です。一生懸命努力して事故を起こさないよう対応している企業も数多くありますが、一方で、曖昧な知識と対応で事故を起こしている企業もあります。
明確なガイドラインがないため、そうした対応の差も「アレルギー対応できます」というひとことに集約されてしまい、外からではわかりづらいのです。私たちは、アレルギー対応に真剣に取り組む企業が、もっと目に見えてわかるようにしたいと考えています。

なぜ、「パパの会」なのですか

食物アレルギーに対応するのは母親が多く、本格的に活動している父親がとても少ないのが現状です。でも、我が子のことですから、本当は父親も参加するべきなのですよね。だから、「アレルギーっこパパの会」という名前には、お父さんも立ち上がろう!という想いを込めています。

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アレルギーを持つ子どもや親御さんはどんな悩みをお持ちなのでしょうか。

食物アレルギーの子どもたちは年々増えていて、今や、小中高生では1クラスに1人はいるくらいです。6年前に比べて1.4倍に増えています。

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それだけ増えていても、アレルギーによる悩みや困難はさまざまな場面にあります。たとえば、アレルギー原因食品を使用していない食品が高額で食費の負担が大きいこと、子どもを預ける施設がなく母親が仕事を辞めざるを得ないこと、給食が対応していない場合、毎日お弁当を持参しなければならないこと、行きたいレストランがあってもアレルギー非対応だと行けないこと、などあげればきりがありません。

アレルギーっこパパの会では外食産業に携わる方々に具体的にどんな支援をされているのでしょうか。

具体的には、食物アレルギー当事者とのコミュニケーション方法、メニュー開発、メニューのノウハウ提供などです。

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コミュニケーションに関しては、インターネットを使って、誰でも答えやすく、そして、誰でもわかりやすい情報に変換でき<ますよ、というアレパパ独自のシステム「アレコミュ」を開発し、インターネットを利用して、料理をつくる人がアレルギー対応をしやすくするサービスを提供しています。

現在必要としている支援、参加してほしいこと、メッセージなどをお願いします。

アレパパでは、外食企業のプロを相手に活動してきた経験から、「プロが生み出した、卵・乳・小麦を使わないレシピ通信講座」を始めました。プロって、本当にすごいんですよ。卵を使わずにメレンゲをつくったり、牛乳をつかわずにチーズをつくったり。

レシピ通信講座をお試しいただき、このすごさをみなさんにも楽しんでいただきたいなと思います。アレルギーのない人が「こんな調理方法があるんだ!」と知ることで、きっと、食物アレルギーの子どもたちの笑顔も増えると信じています。

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食物アレルギーの子どもたちが生きやすい社会は、食物アレルギーがない99%の人たちによってつくられると思います。そして、ちょっとしたひとことや寄り添う気持ちが、社会を大きく変えると考えています。外食のアレルギー対応は、人の命を預かることもあるため責任重大です。ですから、アレルギー対応ができる企業は、食材管理、味、おもてなし、従業員教育において、間違いなくレベルが高い。そんな企業を人々が選ぶ、そんな社会になって欲しいです。

また、私たちの活動に興味を持っていただいた方は、いつでもご連絡いただければと思います。誰も取り組んでいない分野なので、新しいことばかりの世界ですよ。ぜひ、ご協力ください。

take action-いま私たちにできること-

アレルギーを持つ子どもたちに安心して、安全な食事を楽しんでもらうには、外食産業に携わる企業やお店の方々に継続的にその知識や対応を知ってもらうこと、アレルギーを持たない人にも現状を知ってもらうことこそが土台となっていくことがわかりました。

外食産業といってもレストランなどは無数にありますので、理解と確かな対応を求めるのはとても大変だとは思いますが、アレルギーっこパパの会のみなさんの地道な努力が、きっとたくさんの子どもたちの笑顔をうむに違いありません。

さて、ひとりでも多くの子どもたちが、楽しい食卓を囲むために、私たちにはどんなことができるでしょうか。

【アレルギーっこパパの会】
ホームページ:http://www.arepapa.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/arepapa

林 美由紀

Writer 林 美由紀

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。モノを書く以外にも、イラストレーターと合同でカフェでの作品展示など、形にとらわれない創作活動も。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。子は男の子2人。

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