第4回「会社の仕事が忙しすぎて、独立に向けた準備ができません」

日頃から、会社社長やフリーランスが抱えるお悩みや問題を解決するためのアドバイスを行っている経営革新の女王ティアラが、その豊富な経験から働く女性のお悩みに本気でお答えします

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こんにちは。中小企業診断士の津田まどかです。

私は現在、妊娠後期に入ったところですが、周りの人に「臨月?」と聞かれてしまうぐらい大きなお腹で、仕事に育児に日々奮闘しています。最近、1歳8カ月の娘は、私に抱っこをせがむことが多くなったので、ギュッと抱きしめながら「幼いなりに、何かを感じ取っているのだなぁ」と切なくなります。

これから出産までは、娘との2人きりの時間、家族3人で過ごす時間を大切に過ごしていきたいと思っています。

さて、今回いただいているご質問です。

ご質問:「30代半ばになり、ある程度の経験を積むことができたので、以前から憧れていた自宅サロン開業に向けて、独立準備をしようと考えています。私はエステサロンを経営する会社に技術者として勤めているのですが、シフト制の不規則な仕事のため、なかなか行動に移せないでいます。開業準備についての本を購入してみたものの、自分自身が置かれている状況で何から始めたらいいのか、ますますわからなくなってしまった状態です。」(30代・会社員S子さん)

ティアラの回答:「忙しい」は、理由になりません。一人で悩まず、第三者を巻き込むことで行動の原動力にしましょう。

行動に移せない本当の理由は?

私自身も以前はネイリストでしたので、S子さんが不規則な環境にあり、希望の日に休みがとれなかったり帰りが遅かったりすることは、よく理解できます。ですが、美容業界に従事しながら独立開業を目指す方は、皆同じような状況です。つまり、S子さんの言い分は、行動に移せない理由になっていないということです。きっとほかの理由があるはずです。

例えば、以下について、あてはまるものはありませんか?

  • 開業したいという思いが、それほど強くない
  • 今の生活ペースを乱したくない
  • やるべきことをつい先送りにしてしまう習慣が身についている
  • そもそもやるべきことを自分で考えることが面倒くさい

開業する場合のメリットとデメリットを書き出してみる

最初にやるべきは、「S子さんが本当に開業したいのかどうか?」という自分自身への確認です。そこで、開業する場合のメリットとデメリットを書き出してみることをおすすめします。一般的なメリットとしては、「自分の理想のお店がつくれる」、「顧客層を選ぶことができる」、「自分のペースで営業できる」、「自宅サロンなので、低コストで済む」などでしょうか? デメリットとしては、「安定収入が得られない」、「初期費用と数カ月分の運転資金が必要」、「開業ノウハウがない」といったことが挙げられます。他にも、S 子さんならではのメリット・デメリットがあるはずですから、ご自身と向き合ってじっくり考えてみるとよいでしょう。そのうえで「やっぱり開業したい!」と思えるならば、早速行動に移しましょう。

専門家に相談してみる

ご自身の頭の中で考えていることや思っていることを整理してみた結果、積極的に行動に移そうと思えるならばそれに越したことはありません。ですが、自分一人で行動を起こすことは、意外とパワーがいるものです。そこで、客観的な立場でアドバイスをくれる第三者を巻き込むことをおすすめします。相談相手としては、起業家支援や創業支援を得意としている経営コンサルタントがおすすめですが、その場合は決して安くはない費用が発生します。当面は、いわゆる公的機関(創業支援センター、商工会議所、商工会)の経営相談窓口にアポイントを入れて訪問することをおすすめします。公的機関と聞くとハードルが高く感じられるかもしれませんが、そんなことはありません。基本的に相談料は無料ですし、親身になって対応してくれることでしょう。お住まいの市区町村名と組み合わせた検索キーワードで、探してみてください。

事前準備をしっかりして訪問することが最低限のマナー

いざアポイントをとって訪問する段取りができたら、できる限りの準備をして臨みましょう。なにも、最初から事業計画書をつくっていく必要はありません。ご自身の頭の中を整理するうえでも、相談内容を充実したものにするためにも、最低限以下については明確に伝えられるようにしていきましょう。

  • 自宅サロンの内容、イメージ、S子さんがそれをやる理由
  • 提供するサービスや店販品の内容
  • 開業にあたって活用できるリソース(見込顧客、人脈、機材、技術、資格、ノウハウ、仕入れルートなど)
  • 大まかなスケジュール(開業予定時期、準備期間など)
  • 資金計画(自己資金、借入金)

私自身も、以前は公的機関の相談業務を業の一つとしていましたが、なんの事前準備もなく面談に臨む方も稀にいらっしゃいます。その場合、そもそも「開業するのか?しないのか?」を確認するためのカウンセリングからスタートすることになりますが、実りのある話―少なくとも開業に向けての具体的なアクションには繋がりにくいのが、事実です。ご本人はある程度お話をされて満足されたようですが、残念ながらその後の行動には繋がっていないようです。自宅サロンの開業という夢を実現するもしないも、すべてS子さん次第です。

こちらのコーナーでは、皆さんのお悩みを募集します。仕事のこと、自分自身のこと、家族のことなど、密かに抱え込んでいるお悩みを打ち明けてみることで、新しい一歩を踏み出してみませんか? ご希望の方は、こちらからお送りください。

第5回予告 「お金のための案件を手放す勇気がありません」

つだまどか

Writer つだまどか

元ネイリストの美容業界専門経営コンサルタント。中小企業診断士。
ネイリスト時代の1万人以上の接客経験と5年連続売上・利益ともに二ケタ成長させたマネージャー時代の経験を活かし、中小企業経営者やフリーランス向けにコンサルティング、講師、執筆活動を行っている。
http://ameblo.jp/tiara-madoka/

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