冬の農閑期をどう乗り超える? 新米農家の嫁の妄想

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こんにちは。すっかり紅葉も終わったFarm Rootsの佐藤亜弥美です。
私たちの農場のある恵那市は東京や大阪と比べるとかなり寒いといわれます。雪はさほど降らないのですが、逆に雪の保温効果がなく、放射冷却で朝晩は氷点下10度以下になるときもあるため、むしろ雪国よりも寒いといわれるのです。

農家が冬支度でしなければならないこと

こちらではご年配の方は、最上級の寒さを表現するとき「しみるようだ」と言います。これは方言ではなくて、「凍みる」からきています。水が凍みるくらい寒いということですね。
大地も凍てつく1月から2月、畑では何も栽培することができません。そのため、農家は冬を越すためと来年の春にまた農作業をするために冬支度をします。収穫で忙しかった夏や秋の分を取り返すように、冬は雑務をこなす必要があります。

【農家の冬支度の一例】
畑の寒起こし:冬の間に一度畑を耕すこと
葉物野菜のトンネルがけ:葉物が霜で駄目にならないよう、保温する
薪やもみがら勳炭作り:来年度の農作業に使う分を作っておく
保存食作り:秋に取れた野菜を保存食にする

フリーランスという考えで農閑期を乗り越える

この地方では、昔から冬を乗り越える保存食が作られてきました。
するめの麴漬けや、鳥の麴漬け、菊ごぼうの味噌漬け、大根のぬか漬け......。それらは霜が降りるようになる11月から12月に作られ始め、野菜の獲れない農閑期の大切な栄養源として少しずつ大事に食べられるものでした。
白菜漬けやカブ漬けは周りのみんなが作っておすそ分けをくれるので、私は数年前からキムチを漬けています。キムチが好きなのと、手軽に乳酸菌が摂れるという健康面からの理由で始めたのですが、これがまた楽しいのです。
キムチは塩漬けした白菜に、辛い薬味の「キムチソック」をすりこんで発酵させます。この「キムチソック」はもち米の粉や大根、ニラ、だし、ニンニク、そしてトウガラシなどを練り合わせたもの。このキムチソックがキムチの味を左右します。
また、キムチは乳酸菌発酵させるため、漬けおいた日数によってまったく味が違います。
キムチ自体の味わいもさることながら、天候や乳酸菌との対話もキムチ作りの醍醐味の一つです。

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キムチ作りが板についてきたら、白菜や大根、トウガラシを大量生産して、キムチを売って稼げないかな~なんて考えています。
私のまわりの農家さんでは、冬はアルバイトに行かれる方が多いです。しかし、私はどうにかして家で働けないかな~と考えています。3ヶ月以上もの期間があれば、ビジネスとして成り立つようなことがいろいろあるような気がしているからです。
キムチ以外でも、農閑期にフリーランス的副業を考え出すと、アイディアが湧き出てきます。
味噌作りワークショップを開催する、薪ストーブ用の薪を山から取ってきて売る、夏にほうき草を栽培し箒(ほうき)を作って売る、冬だけ輸出ビジネスをやる......などなど。
まだ冬季フリーランス化は実現できていませんが、秋の夜長に妄想が止まりません(笑)。

12月の一品レシピ

今月ご紹介するのは、辛いのが苦手な方でも食べやすい、野菜がどっさり入ったスープです。
化学調味料が入っていないのでやさしい味わいです。

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「野菜たっぷり無添加キムチスープ」
●材料(4人分)
キムチ 100g
豚肉 100g
しょうが 小さじ1
白菜 3枚
チンゲンサイ 2把
大根 50g
しめじ 30g
白髪ねぎ 1/2本分
塩 ひとつまみ
だし汁 500ml
チーズ 大さじ2
サラダ油 大さじ1
ごま油 小さじ2

【合わせ調味料】
味噌 大さじ1と1/2
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
醤油 大さじ2
砂糖 小さじ1

●作り方
①鍋にサラダ油を熱し、すりおろしたしょうが、キムチ、ひとくち大にきった豚肉を炒める。
②豚肉に火が通ったら、ひとくち大に切った白菜とチンゲンサイ、千切りにした大根、しめじを入れて炒める。
③少し塩を振って蓋をし、野菜がしんなりするまで蒸らす。
④だし汁を加えひと煮立ちさせ、【合わせ調味料】を加えたら、チーズを加えて混ぜる。
⑤最後にごま油をたらし、椀に盛り付けたら白髪ねぎを乗せて完成。

最初にしょうがとキムチと豚肉を炒めると、香りが立って一味違いますよ。チーズはプロセスでもとろけるタイプでも構いませんが、キムチと相性がいいのでぜひ入れてください。野菜に関しては、冷蔵庫に残った野菜でいいと思いますが、冬野菜がやはりおすすめ。
まろやかな味わいで、野菜がどんどん食べられますので、寒い夜に試してみてくださいね。

佐藤亜弥美

Writer 佐藤亜弥美

高校卒業後に横浜へ。アフリカテント旅、登山用品店勤務などを経て恵那市笠置町へ夫と共にUターン。有機農法の健康な野菜を提供するFarm Rootsを立ち上げ、子育てしながら農作業に勤しんでいる。
夢は農家民宿開業と、有機農法のノウハウを途上国に伝えること! Farm Rootsはいつでも遊びに来てくれるお客さんを待っています。
http://blog.livedoor.jp/farmroots/

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