季節の変わり目の食養生を紹介。「四立の薬膳」が始まります!

一年の季節の始まりである立春からスタートし、立夏、立秋、立冬にその時期に役立つ薬膳の考え方とレシピをご紹介することになりました、国際中医薬膳師のムラカミレイコと申します。季節の食養生を、季節の変り目に焦点をあてて、薬膳という軸でご紹介していきたいと思います。

連載スタートに先駆けて、なぜ「四立の薬膳」が大切なのか、そして私、ムラカミレイコが考える薬膳について、少しご紹介したいと思います。

20160126_reiko_1.jpg

季節の暦と四立

日本では古来より、生活の暦は地球が太陽を一周する周期を元に作られた太陽暦を使い、一年を四つの季節(更に細分化された二十四の節気)などに分け、暦にその気候を感じる言葉が使われ、活用されてきました。「2016年12月21日」よりも、冬至、冬の至りという言葉は、直感的に季節を感じることができますよね。そのような季節を字で可視化する二十四節気には四つの始まりである立(立春、立夏、立秋、立冬)があり、それらをまとめて四立(しりゅう)と呼びます。

その季節の始まり、変り目は身体のバランスが崩れやすいことは実感されている方も少なくないと思いますが、それがなぜおこるのか、原因と対策を薬膳の考えを交えながらこの連載の中でお伝えしていきたいと思います。

薬膳は、薬のお膳ではなく、お膳が薬

薬膳というと、どうしても漢方薬を使ったご飯、のようなイメージを持つ方が多いと思います。ですが本来、薬膳は「薬のお膳」ではなく、「お膳が薬になる」という考えをもとに作られています。食べる人のバランスと食べるもののバランス、それを理論に基づき状況分析し(弁証)、治療方針をたて(法則・選定)、計画と実行に移し(施膳)、そしてそれを継続する。大きくまとめると、それが薬膳の基本なのです。ですが、バランスが崩れてしまって身体に強く作用するものが必要な時、漢方薬にも使われるようなものも食材のひとつとして使われることがあります。

重要なのは何を使うかの前に、誰に何のためにどこで何を使うか、なのです。その薬膳の効果をより強固なものにするには、ビジネスでも使われているPDCAと同様、情報を集めて分析し、計画(弁証・指針)→実行(施膳)→評価(食べての感想)→改善(弁証を再検討)することによって、想定と修正をしながら継続することが大切です。継続するには、美味しいということも重要な要素のひとつで、薬膳の重要な軸でもあります。そして一品だけでなく、お膳全体でバランスを考えることも大事です。

これからご紹介していく「四立の薬膳」も、厳密にいうと、食べる人によって対処方法が違いますが、外気から受ける影響はほぼ同じであり、食べる人がある程度バランスが取れている状態であると想定し考えています。読者のみなさまには、考え方の具体的な例として参考にしていただければと思います。それぞれの効能が細かくわからなくても、基本概念を自分の中で持つことで、自分なりの養生の仕方を自分の薬になるお膳として作り上げていただけたらと思います。

それでは、2月4日(木)の立春からスタートする「四立の薬膳」をお楽しみに!

ムラカミレイコ

Writer ムラカミレイコ

日本、香港、カナダで育つ中、言葉や文化の違いの中でそれぞれが暮らすということ、に興味をもつ。カナダの大学を卒業後、日本に戻り、ITコンサルティング会社の研究開発部門に勤務。退職後、中医学を軸とした薬膳を学び、国際中医薬膳師の資格を取得。時間を見つけては、国内外問わず知り合いを訪ね、
その土地の暮らし方、食文化と出会う旅を続けている。
身体は食べ物で直すより、食べ物への意識で直す、を推奨する。柑橘の時期は愛媛県大三島の様々な種類の蜜柑の販売をしたり、旅に便利な物を密かに開発したりも。

ムラカミレイコさんの記事一覧はこちら