立春の薬膳:巡りをよくして身体を軽やかに

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photo by Huelva, Calañas

こんにちは。国際中医薬膳師のムラカミレイコです。今日2月4日は一年の終わりを告げる大寒から、風も春の気配を含み始める立春です。本日より、「四立の薬膳」の連載を始めさせていただくことになりました。皆様のお役に少しでもたてたらうれしいです。
●なぜ「四立の薬膳」が大切なのか。ムラカミレイコさんが考える薬膳についてはこちらをご覧ください>>

春:外へと動く、始まりの季節

お正月に何かを始めようと思い、実際に着手するのが春、なんてことありませんか?
それは春に学校が始まるといった日本の文化的な習慣が残っているからかもしれないですし、年始はいろいろ忙しくて落ち着くのが春頃だからかもしれません。
それらも含め、私たちを取り巻く環境では、冬の間じっと栄養を閉じ込めていた植物は気温の上がり始める春、芽吹くために外へとエネルギーを使うようになり、寒さから自身を守ることから育つ方向へと進む気配が生まれます。

中医学の基本概念の中に、「すべてのものはそれぞれ完全で、全てのものは何かの一部である」という考えがあります。
それぞれの完全をもつ人間は地球の一部であり、完全体としての地球は宇宙の一部、と続いていきます。環境という外的要素から影響を受けることで、内から外へ動く春になにか始めようとする動きが人間のなかに生まれるのは、その一部であるから、と考えることができるのです。

立春は、冬の終わりと春の始まり

四季のある日本では春の始まりは冬の終わり。何かが始まる時、忘れがちになってしまうのは過ぎた時間。ですが、現在は過去にも少なからず影響を受けています。冬の気配がまだ残るこの季節、その気配も考慮しながら、過ごすことが養生に繋がります。貯める、凝固する冬から、動き始め、緩む春。その境目の立春。その動きを妨げないような準備を意識することで、環境とうまくバランスをとり、春への備えをより強くすることができると考えられます。

冬に十分蓄えができていないと、使用するエネルギーが不足して疲れやすくなってしまいます。そのような症状や自覚がある場合、補うことを意識しましょう。あまり油物などはとらず、優しく補ってくれるものを摂取しながら、巡りを良くしてくれるものを摂るのが立春にはおすすめです。

立春のレシピ「セリと柑橘のサラダ」

今回ご紹介するレシピでは、春を意識しながら、冬の間にエネルギー不足になった状態を補い 、巡りを改善することを目的としています。セリと柑橘を使ったこのサラダは、食材の性質的には比較的冷やす作用がありますが、今が旬のものなので、この時期バランスの取れた状態には適した食材であるとも考えられます。

身体が冷えやすい方は、焼いたり蒸したりした温かい鶏肉の上に乗せたり、お味噌汁や温かいスープなどと一緒に身体を温めながら食べていただくとお膳がよりバランスよいものになります。

一品だけでなく、全体に目を向けることも薬膳の重要な考え方のひとです。セリは鍋にしてもおいしいのですが、食べ方と考え方、たまには少し違った摂取の仕方で吸収方法をかえ、自分にあった食養生を探してみてはいかがでしょう。

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セリと柑橘のサラダ

<材料>
セリ 3束 (冬から春が旬)
柑橘(酸味があり大きめの房がある種類が良い。伊予柑、八朔、グレープフルーツ等)今回は今が旬の伊予柑 1個
種無しオリーブ(黒、グリーン、お好みで) 4〜5個
調味料:
岩塩・粗塩 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ2−3
花山椒 お好みで


<作り方>

1)セリをあらい、根の部分は良く洗う。根をつけたままの根元はさっと湯がいておく。
2)茎、葉、湯がいておいた根元を食べやすい大きさに切りボールに入れる。
3)伊予柑は皮をむき、房にわけ、背開きにし、種がある場合はのぞき、大きい場合はそれを半分に切る(果汁がでやすく滑らかになります)。
4)オリーブを輪切りし、切った伊予柑と供にセリの入ったボールに入れる。
5)塩をふりかけ、さっくりと混ぜる。10分くらいおくと汁気がでてくるので、再度混ぜて盛りつける。お好みで砕いた花山椒など。


◎花山椒は、身体の中にじめっとした感じや、重だるい感じがある人におすすめです。

◎そのままサラダとしても、 茹でたささみ肉にダシ醤油をすこしかけたものや焼いた鶏肉などの上に乗せて、薬味代わりに。 身体の冷えやすい方は、お味噌汁やスープなど、温かいものと一緒にとるとお膳のバランスが良くなります

次回は、立夏の5月5日(木)にお届けします。お楽しみに!

ムラカミレイコ

Writer ムラカミレイコ

日本、香港、カナダで育つ中、言葉や文化の違いの中でそれぞれが暮らすということ、に興味をもつ。カナダの大学を卒業後、日本に戻り、ITコンサルティング会社の研究開発部門に勤務。退職後、中医学を軸とした薬膳を学び、国際中医薬膳師の資格を取得。時間を見つけては、国内外問わず知り合いを訪ね、
その土地の暮らし方、食文化と出会う旅を続けている。
身体は食べ物で直すより、食べ物への意識で直す、を推奨する。柑橘の時期は愛媛県大三島の様々な種類の蜜柑の販売をしたり、旅に便利な物を密かに開発したりも。

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