ドイツからこんにちは!ベルリンで見つけた新しい生き方

みなさん、はじめまして。ベルリン在住のフリーランスライターの尾形絵美です。この度、ベルリンでの生活やフリーランサー事情をご紹介するコラムを担当することになりました。今回は自己紹介を兼ねて、私がなぜベルリンに住むことになり、なぜフリーランサーとして生きることを選択したのかについて書いてみたいと思います。

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ベルリン・ミッテ地区にあるハッケシェヘーフェ。映画館や劇場、カフェなどが入っています。ベルリンを訪れた際はぜひ!

私が初めてベルリンに来たのは3年前の2013年7月のことです。日本人にとっては馴染みのない土地だったのか、住み始めた頃は「どうしてベルリンなの?」とよく聞かれました。今は愛着がありますが、ベルリンを選んだ理由は、実は「消去法」なのです。欧州は昔から好きでしたが、スペインなどの南欧の国が好きでしたし、ドイツにはほとんど興味がありませんでした。 

それなのになぜドイツかというと、「ワーキングホリデービザ」があったからです。当初はイギリスを狙っていたのですが、まさかの選考漏れ! 失意の中、「だったらドイツかなぁ、行ったことないし」という理由でドイツを選択しました。ベルリンを選んだのは、ドイツのほかの街に魅力を感じなかったことと、ベルリンは「アートの街」と漠然と記憶していたからです。

とは言え、貯金もあまりなかったので、数ヶ月のみをベルリンで過ごす予定で渡航したのですが、即刻、ベルリンに恋をしてしまったのでした! 緑の多さ、リラックスした生活スタイル、おしゃれなカフェ、エコへの意識の高さ、文化の多様性、時々垣間見る歴史の重さ。まるで過去と現在と未来が共存しているような街でした。 

どうにかしてベルリンに残る道はないかと模索したところ、幸運なことに仕事が見つかり、ベルリンで就職することになったのです。

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街の至るところで見かけるストリートアート。ファンキーさがベルリンらしい!

会社員生活をやめ、フリーランスで仕事を開始

文章を書いて生計を立てることは昔からの夢でした。でも、何から始めていいのかわからず、日本の大学を卒業した後は会社員として働きました。貯金しては海外に飛び出すという生活を繰り返していたので、真面目な会社員ではなかったのですが......。

ベルリンでも最初の2年は会社員として働きました。ですが、2年が過ぎた時に翌年は契約してもらえないことがわかり、新たな道を探さなければいけなくなりました。

ベルリンで再就職、他の都市で再就職、帰国して再就職という選択肢がありましたが、私はもう会社勤めという選択をしませんでした。ベルリンに就職口があれば就職したかもしれませんが、失業率の高いこの街できちんとした就職先を探すということがいかに難しいかがわかっていましたし、他の都市に行く気にもなりませんでした。私はやはりベルリンが好きだったからです。そこで初めてベルリンでフリーランサーになる選択をしました。

経験もないのに無謀だと言われるかもしれませんが、失敗したら日本に帰るだけですし、ずっとやりたかったことなのにやらない理由はなんなんだろう?と自分で問い続けてきました。フリーランスになる選択をしたときは、未来への恐れよりもすっきりしたすがすがしい気持ちでした。

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夏場シュプレー川の近くでやっているサルサレッスン

好きなことをできる喜び

私の場合、ベルリンという街の特性上、周りにフリーランサーが多くいたことで有益な情報を得ることができました。実はベルリンは主だった産業がなく、フリーランスとして働く人がとても多いのです。もしこの環境がなければ、今頃、私はどこかで自分の納得していない仕事をストレスを抱えながらやっていたかもしれません。人は良くも悪くも環境に左右されてしまうもの。私の場合は偶然が重なりましたが、自分に良い影響を与えてくれる環境に身を置くことは本当に大事なことだと思います。 

私もまだまだ試行錯誤の連続で、自分が描くゴールは遠くにありますが、日々前進していると感じます。書く喜び、それからそれを誰かに読んでもらう喜び、何かを学ぶ喜び、毎日が多彩な喜びに満ちています。もちろん失敗も苦しみもありますが、それを乗り越えた時に得られるものの大きさを知ってからは、「失敗も苦しみもある人生の方がずっと豊かだ」と思えるようになりました。

少し長くなってしまいましたが、フリーランスとして働くことを迷っている方がいらっしゃったら、この連載が何かしらの手助けになればよいなと思います。一度腹をくくったら、意外とあとは前を向いて進むだけですよ。 

尾形 絵美

Writer 尾形 絵美

大学在学中からお金を貯めては海外へ旅へ出る。卒業後日本で就職したものの、海外への憧れが止まらず、出国。スペイン→オーストラリア→シンガポールの後、ドイツはベルリンへ移住。2015年会社員からフリーのライターへ転身。駆け出しフリーランス生活やドイツについて執筆中。日本語も教えています。
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