フリーランス向け民間保険も充実!ドイツの健康保険事情

先月風邪を引いてからというもの、健康にはもっと気をつけなくては...! と痛感している私ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 11月末、ドイツはすでに極寒です。この時期はドイツ人にとってもつらい時期らしく、日々天気に愚痴を言う声が聞こえてきます。 

さて、今回も健康関係のお話。ドイツに長期間住むとなると避けては通れない健康保険について見てみます。ドイツの健康保険制度はどのようになっているのでしょうか。

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この間まで青々としていた木々も、美しく衣替え。はらはらと葉が散る様子が美しい。

歴史ある保険制度をもつドイツ 

世界最古の国営社会保障制度を持つドイツ。その歴史は19世紀に遡ります。歴史が古いだけあり、その保険制度はしっかりとしています。ドイツに住む時は外国人であれ、必ず健康保険加入が求められ、長期滞在ビザを取得する際も必ず健康保険への加入が義務付けられています。30歳以下の日本国籍であれば比較的簡単に取得できるワーキングホリデービザの取得条件になっていることからも、健康保険に対する意識の高さをうかがい知ることができます。

以前記事でも紹介した私がドイツのフリーランスビザを取った時、1度目は「書類不備で却下」されてしまったのですが、実はこの書類不備とは保険の書類のことだったんです。2度目の申請の際も健康保険については根掘り葉掘り聞かれたので、ドイツで生活する以上、健康保険問題は避けて通れないことなのだと痛感します。 

種類は公的健康保険と民間健康保険

ドイツの健康保険の種類は大きく分けると2種類。公的健康保険と民間健康保険です。前者は原則的に一定収入以下の被雇用者、学生、失業者が加入でき、一方フリーランスで働く人は公的保険に加入することが難しく、後者を選ぶことになります(ただし、一度ドイツで被雇用者の経験を経てフリーランサーになった場合は、公的保険を継続することができます)。

日本では公的健康保険は義務であり任意で民間保険に加入するのが一般的ですが、ドイツでは公的健康保険か民間健康保険のいずれかを選んで加入するケースがほとんどです。

健康的で医者いらずの若い人たちにとって民間保険は公的保険よりも月額が安いのが魅力的ですが、年を重ねるごとに保険代が高くなってしまう、また民間保険から公的保険に切り替えようとしても公的健康保険への加入は非常に難しいというデメリットもあります。

もしくは公的健康保険にせっかく加入していたとしても、月々の保険料を減らす目的で安易に公的健康保険から民間健康保険に切り替え、その後なんらかの事情で公的健康保険に戻したいと思った場合、公的健康保険に再度加入するのは極めて難しく、ドイツに長く住むことになった場合、年を取るに連れ、高額の保険料を支払うことになることもあります。

健康保険に関しては長期的に考える必要があるというのはどこの国も同じです。特に妊娠、出産を考えているのであれば、健康保険に関しては目先の利益にとらわれず選びたいですね。

アーティスト用の健康保険も 

保険に関してはしっかりとした制度を取っているドイツですので、病気の種類や治療内容にもよりますが、例えば風邪なんかの時には診断料を支払う必要はありません。その分高い保険料を支払うことになるのですが、フリーランスで働くアーティストやジャーナリストの方たちが加入できる保険があるのもドイツの特徴。

ドイツにはアーティストビザというビザの枠組みもあり、その背景には「アーティストやフリーランスを応援しよう!」という国の態度が見え、その点では日本よりもアーティストが生活しやすい国なのかもしれません。

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ドイツの公的保険のカードとヨガ教室のパンフレット。運動不足を改善できるでしょうか...?

また、保険会社によってはヨガ教室やピラティスなどのフィットネスコースを無料、もしくは数割負担してくれる保険会社もあります。「保険料をあまり払いなくないのは一緒。だったら運動をして、病気を未然に防ごう!」という考えが根底にあるのかもしれませんね。非常に合理的、ドイツっぽい! と感じるのは私だけでしょうか。 

運動不足になりがちな在宅業務。保険会社の策略にはまるのは少し心外ですが、せっかく高い保険料を払っているので、ヨガ教室に行ってストレス発散、心も身体も健康的に過ごしたいですね。 

尾形 絵美

Writer 尾形 絵美

大学在学中からお金を貯めては海外へ旅へ出る。卒業後日本で就職したものの、海外への憧れが止まらず、出国。スペイン→オーストラリア→シンガポールの後、ドイツはベルリンへ移住。2015年会社員からフリーのライターへ転身。駆け出しフリーランス生活やドイツについて執筆中。日本語も教えています。
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